2021年05月11日
あなふさぎのジグモンタ
あなふさぎのジグモンタ とみながまい・作 たかおゆうこ・絵 ひさかたチャイルド
本にかけてある帯に書いてあることを読みました。
ジグモンタというのは昆虫であるクモの名前だそうです。ジグモという種類です。自分がこどものころに、この虫を見かけたことがあるような記憶が残っています。
絵本でのジグモの仕事は、洋服にできた虫食い穴をふさぐ作業です。いわゆる「かけつぎ(洋服・和服の修理)」のお話です。
本の表紙の絵を見ました。液体のようなものが入った壺がたくさん棚や床に並べられています。(あとで、液体のようなものは、クモの糸の原料になることがわかりました)
裏表紙にある絵は、ユーモラスで好みです。ジグモさんがコーヒーを飲みながら休憩しています。
絵に力が入っています。数ページめくって気がついたのですが、いわゆるコラージュ(貼り絵)です。立体感があります。
物語のベース(根底)には、いわゆる世襲(せしゅう。親の仕事の後(あと)を継ぐ)があります。ジグモの仕事は代々、洋服にあいた穴をふさぐ仕事をしてきたそうです。
ジグモ8本の足は『機織機(はたおりき)』です。(昆虫の足の数は6本が多いのでクモの8本は不思議です)
本では、「たていと」は右足1番と左足4番、「よこいと」は、左足2番と右足3番で処理すると書いてあります。おもしろい発想です。足に番号が付いています。そうやって、ジグモは、洋服にできた穴をふさぐ作業をしているのです。
洋服を(品物を)大切にして長く着ましょうというメッセージがあります。
ページの左下で洋服をもちあげているジグモの絵が可愛い。
ヒキガエルさんができあがったコートをとりに来ました。ヒキガエルさんのお顔は、オオトカゲさんのようにも見えます。
擬人法を使って、人間社会を表現してあります。
今度は結婚式のウェディングドレスがらみでハリネズミの6人姉妹がやってきました。ウェディングドレス着用時に頭にかぶるベールをみんなで着まわして、今度は、末っ子の妹が結婚式で着用するそうです。だけど、末っ子はベールが古いからと嫌がっています。
起承転結の物語づくりの経過の「起」の部分が終わりました。
次は「承(しょう)」の部分です。
ジグモの気持ちが書いてあります。
だれかのためになる仕事をして生計を維持していく。
なのに、結婚式で使うベールを補修しても使ってもらえないみたいだ。
だったら、この仕事を仕上げる意味がない。代金さえもらえればいいというものではない。自分の気持ちが許さない。ジグモの話ですが、読んでいると、人間は気持ちで生きているというところまで考えが至ります。
ジグモンタは、うつ病のようになってしまいました。気持ちが沈んでいます。
「起承転結」の「転」の部分にきました。
フクロウとそのこどもたちが、ジグモンタを助けてくれます。「フーフー」「クークー」「ロン」という名前のこどもたちです。
こどもたち三人が使っている毛布に穴があいているのです。寒いからかぜをひきそうです。
ジグモンタが、がんばって毛布の穴をふさぎます。
数日後、三羽のこどもたちは巣立っていきました。穴がふさがれた三枚の毛布は、フクロウのママの子育ての思い出になりました。
補修する楽しみは、破たんした人間関係の修復にも似ています。
『再生』は、一度失敗した人生のやり直しにも似ています。
リサイクル、リユースという言葉も思い浮かびました。
結婚式です。
ジグモンタは、七人姉妹の末っ子の結婚式で使う素敵なベールを仕上げて、みんなに喜んでもらいました。
人の役に立つことは、自分の幸せな気持ちにつながります。
そして、とにかく絵が美しい。絵画集をめくっているようです。お花の色が鮮やかです。
最終ページから二枚さかのぼった絵からつづく見開きにある絵の色合いが抜群です。落ち着いた安定と地道な幸せが感じられます。
されど、自分の好みは、気持ちが落ち込んだジグモンタが、森のなかの一本道を歩く姿がある絵です。「暗」があるから「明」が強調されます。
この世のなにかもかもが二面性をもっています。いいこともあれば、わるいこともあります。そういうものだとわりきって、次はきっといいことがあると思っていれば、命がつながります。
本にかけてある帯に書いてあることを読みました。
ジグモンタというのは昆虫であるクモの名前だそうです。ジグモという種類です。自分がこどものころに、この虫を見かけたことがあるような記憶が残っています。
絵本でのジグモの仕事は、洋服にできた虫食い穴をふさぐ作業です。いわゆる「かけつぎ(洋服・和服の修理)」のお話です。
本の表紙の絵を見ました。液体のようなものが入った壺がたくさん棚や床に並べられています。(あとで、液体のようなものは、クモの糸の原料になることがわかりました)
裏表紙にある絵は、ユーモラスで好みです。ジグモさんがコーヒーを飲みながら休憩しています。
絵に力が入っています。数ページめくって気がついたのですが、いわゆるコラージュ(貼り絵)です。立体感があります。
物語のベース(根底)には、いわゆる世襲(せしゅう。親の仕事の後(あと)を継ぐ)があります。ジグモの仕事は代々、洋服にあいた穴をふさぐ仕事をしてきたそうです。
ジグモ8本の足は『機織機(はたおりき)』です。(昆虫の足の数は6本が多いのでクモの8本は不思議です)
本では、「たていと」は右足1番と左足4番、「よこいと」は、左足2番と右足3番で処理すると書いてあります。おもしろい発想です。足に番号が付いています。そうやって、ジグモは、洋服にできた穴をふさぐ作業をしているのです。
洋服を(品物を)大切にして長く着ましょうというメッセージがあります。
ページの左下で洋服をもちあげているジグモの絵が可愛い。
ヒキガエルさんができあがったコートをとりに来ました。ヒキガエルさんのお顔は、オオトカゲさんのようにも見えます。
擬人法を使って、人間社会を表現してあります。
今度は結婚式のウェディングドレスがらみでハリネズミの6人姉妹がやってきました。ウェディングドレス着用時に頭にかぶるベールをみんなで着まわして、今度は、末っ子の妹が結婚式で着用するそうです。だけど、末っ子はベールが古いからと嫌がっています。
起承転結の物語づくりの経過の「起」の部分が終わりました。
次は「承(しょう)」の部分です。
ジグモの気持ちが書いてあります。
だれかのためになる仕事をして生計を維持していく。
なのに、結婚式で使うベールを補修しても使ってもらえないみたいだ。
だったら、この仕事を仕上げる意味がない。代金さえもらえればいいというものではない。自分の気持ちが許さない。ジグモの話ですが、読んでいると、人間は気持ちで生きているというところまで考えが至ります。
ジグモンタは、うつ病のようになってしまいました。気持ちが沈んでいます。
「起承転結」の「転」の部分にきました。
フクロウとそのこどもたちが、ジグモンタを助けてくれます。「フーフー」「クークー」「ロン」という名前のこどもたちです。
こどもたち三人が使っている毛布に穴があいているのです。寒いからかぜをひきそうです。
ジグモンタが、がんばって毛布の穴をふさぎます。
数日後、三羽のこどもたちは巣立っていきました。穴がふさがれた三枚の毛布は、フクロウのママの子育ての思い出になりました。
補修する楽しみは、破たんした人間関係の修復にも似ています。
『再生』は、一度失敗した人生のやり直しにも似ています。
リサイクル、リユースという言葉も思い浮かびました。
結婚式です。
ジグモンタは、七人姉妹の末っ子の結婚式で使う素敵なベールを仕上げて、みんなに喜んでもらいました。
人の役に立つことは、自分の幸せな気持ちにつながります。
そして、とにかく絵が美しい。絵画集をめくっているようです。お花の色が鮮やかです。
最終ページから二枚さかのぼった絵からつづく見開きにある絵の色合いが抜群です。落ち着いた安定と地道な幸せが感じられます。
されど、自分の好みは、気持ちが落ち込んだジグモンタが、森のなかの一本道を歩く姿がある絵です。「暗」があるから「明」が強調されます。
この世のなにかもかもが二面性をもっています。いいこともあれば、わるいこともあります。そういうものだとわりきって、次はきっといいことがあると思っていれば、命がつながります。
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