2021年04月19日

ぼくは王さま 寺村輝夫・作 和田誠・絵

ぼくは王さま 寺村輝夫・作 和田誠・絵 理論社

「第1話 ぞうのたまごのたまごやき」
 王さまが王子さまの誕生を祝うために、ぞうのたまごの卵焼きをみんなに振る舞うと言い出します。
 ぞうの卵なんてありません。なのに、王さまにつかえる人たちがぞうの卵探しを始めます。
 結末をどうするのだろうかと首をかしげながら読み続けました。
 リズム感がある文章です。
 こどものぞうが登場してうまくまとまりました。

「第2話 しゃぼんだまのくびかざり」
 王さまは、志村けんさんのバカ殿みたいです。遊ぶのが好きで、ほかは、食べているか、寝ているかの生活です。ちょっとは勉強をするようですが、本気さが感じられません。
 王さまは、今度は大臣に、つぶれないしゃぼんだまをつくりなさいと命令しました。博士がつぶれないしゃぼんだまづくりの研究を始めました。
 その後あれこれあって、王さまはみずから肉体労働を始めます。畑にしゃぼんだまの種を植えて心をこめて農作業をして育てるのです。
 王さまは、なまけものからいい人に立派に変化しました。

「第3話 ウソとホントの宝石ばこ」
 王さまはうそつきです。王さまはうそを隠すために、うそをオルゴール式の宝石箱にしまっています。おもしろい。事柄は異なりますが、むかし、穴の中に王さまの耳はロバの耳ということをしまっておいた話がありました。
 人に迷惑をかけるうそをつく人は罰せられます。王さまも同じく罰せられます。
 その後、宝石箱がウソ発見器のようになって、流れ星の話とか、隣国との戦争勃発かというとこまで話が発展します。
 力の入った物語でした。

「サーカスにはいった王さま」
 王さまはたべすぎで、おなかをこわしてしまいました。
 腹痛を治すための注射はだいきらいです。1961年(昭和36年)の本です。いまどきは、注射はあまりしなくなりました。
 自由奔放(じゆうほんぽう。なにものにもしばられずに思うがまま)な展開になっていきます。
 だんだん王さまが気の毒に思えてきました。
 王さまのことを王さまだと知らない世界に行ったら王さまは無力です。
 読み終えて、健康管理は自己管理、人が代わりにはやれませんというお話とうけとりました。

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