2021年03月23日
相棒 シーズン12 2013年10月から2014年3月
相棒 シーズン12 2013年(平成25年)10月から2014年(平成26年)3月
最初に三浦信輔刑事役をしていた大谷亮介さんが今シーズンの第一話で退職ということで番組から離れられるので15分間程度のインタビュー番組を特典映像として観ました。かれこれ10年以上だったと思います。お疲れさまでした。
自分は舞台俳優が基本なので還暦を迎える60歳になるにあたって舞台を中心にやっていかれたいそうです。
舞台とテレビドラマの違いのお話が興味深かった。テレビは映像に映りこまなければならない。されど、自分はいつも一番うしろ、一番奥が立ち位置なので、映像に映るためにクラゲのようにふらふら、ふわふわ、ゆらゆらと動き回って気を使ったそうです。
番組当初は、杉下右京VS捜査一課という構図で、自分は仲介役、潤滑油役だったが、そのうち変化して、捜査一課の伊丹憲一(正義感が強い刑事)VS刑事部長と参事の仲介役となった。
演技においては、個人的な人生(一個人としての俳優生活)を送りながら、組織の中で自分の立場を確保し継続する現実の刑事役をすることに努力されたそうです。
バイプレーヤー:脇役
「第一話 ビリーバー」
ネット社会のことをからめて、身代金誘拐事件をからめます。
異星人に誘拐された経験があるという若者男性が事件実行者です。
自殺にみせかけた殺人があります。
杉下右京の相棒の甲斐亨親子の確執がからみます。
杉下右京さんと三浦信輔さんのふたり芝居は上手なおしゃべりです。
杉下右京の運転する車がかっこいい。
調べた言葉などとして、
アブダクティ:宇宙人による誘拐被害者
「第二話 殺人の定理」
「数学」を素材にした作品でした。殺人現場に残された血文字「a drink がまるで囲まれている」を解読すると犯人の名前が出てきます。
「背理法」仮定を証明する。被疑者を犯人だと仮定してみる。
ふーむ。なんとも。自分に数学的センスがありません。
「第三話 原因菌」
集団食中毒の原因菌が「腸炎ビブリオ」です。
保健所、警視庁生活安全課、店舗、食材店、実生活と距離がある世界なのでピンとこなかったりもします。よくわかりません。なにかしらこのシリーズの出だしにあたって、話のつくりが弱いような。
「目先の利益がほしくて手抜きをして自滅していくパターン」であることはよくわかりました。
「第四話 別れのダンス」
ボールルームダンス(社交ダンス)のお話でした。ボールルームは舞踏室のこと。
内容的にはあまり重みがありませんでした。形だけが整っていたという感じでした。
それでも印象的だったこととして、「ダンスの進行方向は男が決める。女は男が決めないと一歩も踏み出せない」という言葉でした。
「第五話 エントリーシート」
大卒就職活動で使用するエントリーシートです。求職活動中の女子大生が殺されます。
ただ、被害者の彼女は、人をばかにする人でした。原因と理由は彼女にもありです。それでも、人を殺してはなりません。自分の欲望を絶対に満たすためにはあとさきのことを考えずになんでもしてしまう人がいます。
人間ドラマ仕立てで相棒らしい内容でした。加害者の言い分もわかります。新人ひとりを採用して育成するために多額の費用と時間と手間がかかります。会社を見くだされて、滑り止めにされて、どたんばでキャンセルされたら雇うほうはたまりません。
就職先というのは、自分がやりたいことをやれるところを志望するものであって、一流企業だから世間体がいいとか、安定した組織だからいいというような理由が志望理由の最優先にくるのは、採用されてもあとが続きません。こんなはずじゃなかったとなります。会社の利潤追求のために24時間365日貢献してくれるAIロボットみたいな新入社員を募集しているところもあります。職業を身につけるときは、どうか自分がなりたいものになってください。
「第六話 右京の腕時計」
機械式腕時計を扱う職人の犯罪話です。時計の小さな歯車の組み合わせのような緻密で美しい殺人計画でした。
硫化水素中毒死というガス中毒死にみせかけた殺人手法でした。
動機は妻を殺された復讐です。
カノンという曲が殺人シーンでこんなふうに使われるとは思いもしませんでした。発想が優れています。(すぐれて)
セリフも良かった。
「第七話 目撃証言」
ちいさなきっかけはあるものの担当した刑事の誘導で創作された目撃証言によってひとりの男性が無実なのに有罪判決を受けて懲役三年の服役をします。彼はなにもしていないのに、離職、離婚まで体験します。虚偽証言をした目撃者に対する復讐心は強い。
目撃証言をした若者男性は自分の非を認めますが時すでに遅く殺害されてしまいました。
彼が目撃証言をしたときに、彼のブログで彼をけしかけたかっこうになった善人のような顔をした人たちの悪事があります。
こんなことがあるのかなあと思いながら観ていました。ドラマです。
単純すぎるような気がしましたが、最後は締まりました。やりきれない事件でした。
「第八話 最後の淑女」
いまから二十年前に、サロンの管理人男性がサロンの持ち主の小説家男性を殺害して、彼を首つり自殺に見せかけて自殺扱いになったのではないかというところから始まります。
殺人の動機はなに? お金? 怨み? そして、復讐?
途中、俳句の解釈として、「美しい声のホトトギスでもトカゲを食らう(くらう)」と出てきます。表向きは立派な有名人でも別の顔がある。恐ろしいことです。有名な人は奇人なのか。
キーワードとして、「仮面」
小説家が執筆するときに「ワープロ」を使用していたのがなつかしい。ワープロは見かけなくなりましたが、たぶん今も使っている人はいると思います。
「第九話 かもめが死んだ日」
芸者さんが殺されて発見されます。絞殺です。カイトくんの幼なじみじみだそうですが、ちょっと話に無理がありました。
へんな刑事ドラマです。警察の会議中に参事が杉下右京に会議室から出て行けというような態度をとります。でも事件は杉下右京が解決するのです。
雪が降る新潟だという土地の景色が良かった。
怨みと憎しみがベースのドラマです。
カイト君は、ビジネスと割り切る警察職員としては向いていません。
「第十話 ボマー ~狙撃容疑者特命係・甲斐享を射殺せよ!」
男性がビルから飛び降り自殺します。同時進行で女性が救急で運ばれて来ました。心臓に電気ショックを与える治療が始まります。
宇崎竜童さんが犯人役で、いいのかなと思いつつ観ていたら、やっぱりいい者(もん)役でした。そうでないとこの仕事を引き受けないような先入観が自分にあります。
1時間26分を経過したあたりで、話は急展開して、異なる方向へ動きます。
父親と娘の話があります。
犯人と杉下右京対面後の推理話が長すぎたような。
ジャーナリスト(自由)VS国家組織(富と権力のある人の味方)という対決構図があります。
ひとりの人間でも人生においては、富めるときもあるし、貧するときもときもありますので、断定的に構図を示すのはどうかとは思いました。
ラスト付近。男社会です。警察署の事務室内は男だらけです。そこが気がかりでした。
「第十一話 デイドリーム」
不吉な予知夢。臨床心理士の守秘義務違反。准教授同士の対立。詐欺的な嘘もからんでの復讐劇でした。
いろいろと不自然なのですがドラマです。
「第十二話 崖っぷちの女」
カイトがビルから飛び降り自殺をしようとしている女性と遭遇します。
音楽大学とか楽器がらみの不正会計による横領犯罪事件です。
音大の教室や部屋がどこもかしこも清潔できれいだったことが印象的でした。
ピアノの鍵盤「Fファ」は、証拠として弱いような。
お金と保身のためなら人をも殺すという人間の素性とひと芝居うつ女性のしたたかさが怖い。
「第十三話 右京さんの友達」
杉下右京がミステリー小説を書きます。その物語の犯人が、実際の事件の犯人で、犯人に書いた小説を批評してもらいます。犯人はミステリー小説の批評家なのです。
「孤独の研究」というタイトルの小説です。
調べた言葉として、言わずもがな:言うまでもなく、言わなくてもおわかりになることですが。
杉下右京は自分自身を協調性のない人間だと論じます。
「孤独と孤高は違います」という言葉がドラマを締めてくれます。
「第十四話 顔」
男性の美容整形外科手術が犯罪とからみます。
ややこしい。
単純な犯罪ではなく、暴力を振るう父親の存在が、父亡きあとも息子を苦しめます。
家庭内暴力を振るう人間は二重人格なのだろうか。注意しても治らないのは脳に不完全な部分があるからなのか。
「第十五話 見知らぬ共犯者」
舞台演劇シーンが本当の殺人実行シーンになっていきます。
評論家の形だけの評論があります。内容は出版社の社員が作成して、評論家が名前を貸します。評論で批判された俳優などがネットで叩かれます。中傷です。(人の心を傷つけること)若い女優は飛び降り自殺をして亡くなります。女優の父親が怒ります。復讐の企図があります。
蓄光テープ(ちくこうテープ):舞台の上に置く。俳優の立ち位置を示す。暗くなると発光するテープ
途中、ワンパターンな形骸化(けいがいか。形だけで意味がない)した構成という印象をもちましたが、終わってみれば、内容の濃いものでした。深い。
一発必殺の頭部打撃殺人です。
タイトルの内容で、最後は、「(彼が来なかったら)私が殺していた」娘の命を奪われたうらみは強い。
「第十六話 聞きすぎた男」
盗聴器がらみのお話でした。情報流出とか覚せい剤使用販売もからみます。
杉下右京のすご腕が光ります。そういうことか。うまくできている。
「こどもの頃から発明家になるのが夢だった」というセリフを聞いて、やはり、仕事は自分が好きなことをしたほうがいい。自分のなりたい者になったほうがいいと再認識しました。
最後に「返しておいたから。『借金』」いい奥さんです。
「第十七話 ヒーロー」
ヒーローとされる若い男性が犯人だったとしたらおもしろくないと思って観始めました。(やはり違いました)
ヒーローくんは、女性弁護士を火災からどんなふうに助けたのかの状況説明が不足していました。その後、いったん否定したことをひるがえしたりして、もやもやとしたものをかかえながらドラマは進行していきました。
船の事故にからむ事情の隠蔽(いんぺい)があります。隠蔽にこだわる番組です。
深い話になっていきますが、最後半部はつくりこみ過ぎのような。
「第十八話 待ちぼうけ」
昔の鉄道駅舎です。旅先のひなびた無人駅だそうです。なつかしい。(千葉県にある小湊鉄道がロケ地でした)
杉下右京と甲斐享、そして伊丹憲一の別々のシーンが、やがて合体します。
推理クイズみたいで、観ていて楽しかった。なるほどの連続でした。
素行の悪い人間を殺害する事情がある殺人事件です。
いくつもの仕掛けがあります。オセロゲーム、干し芋、靴など。
終わりのほうになって、犯人役が、路線バス乗継の旅の太川陽介さんだと気づきした。びっくりしました。変装しているみたいでわかりませんでした。
「最終話 プロテクト<スペシャル>」
東京拘置所に三人殺しの死刑囚老人が収監されていて、彼には三人のこどもがいて、長男も収監されていたけれど出所して、次男は悪徳弁護士で、三男はまっとうな人間という設定に、今は亡き小野田官房長とか甲斐享父子がからんできます。父親と息子のうまくいかない親子関係が表現されていました。
さきほど書いた三男が裁判所で証言をしたことを父親と長男・次男が恨んでいます。証人に対するお礼参り(復讐)劇です。三男は外国で言うところの「証人保護プログラム」で守られています。小野田官房長は自らが死してもなお業務を遂行しています。たいしたものです。
犯人は無関係の母子を人質にとります。残忍なことをするのね。がんばれ杉下右京。静かにそして確実に事件解決の方向へ動きは向かって行きます。
鑑識米沢さんの言動がおもしろい。中園参事もがんばります。特命係と二重構造の人質救出作戦です。
「戸籍」の話です。つくり手は、よく戸籍事務電算化の情報を仕入れたものです。
「人間はミスを犯す」「警察に協力した人がお礼参りで殺されるということがあってはならない」正直者がばかをみない社会をつくる。
三男が癌で病死していたことがわかりますが、犯人は納得しません。
息子が憎いというような息子話になります。
(犯人の)あなたがたは、亡霊を追い続けている。<どう決着をつけるのか>緊迫感があります。
すごいなあ。今年観て良かった一本でした。
力が入った作品でした。
死してなお守り続けてくれる人あり。
「劇場版Ⅲ 序章 ビデオスペシャル」
あいにく、先に劇場版Ⅲを鑑賞してしまいました。「巨大密室! 絶海の孤島へ」でした。
防衛省とか自衛隊がらみの不祥事、2014年の作品ですが、2020年の未来を予知するように、ウィルスを使って世界中を混乱させるお話でした。
こちらのDVDは、一話が10分程度の長さです。
<第一話 密室>
杉下右京による2012年に起きた殺人事件の掘り起こしシーンから始まります。男性二名の遺体が、古い貨物船内で見つかります。状況として密室殺人事件の発生です。
<第二話 謎の女>
遺体で発見されたふたりの男性は、恐ろしい死に方です。
口封じの話が出ます。
<第三話 隠蔽(いんぺい。証拠や悪事を発覚しないように意図的に隠す>
正義感が強い伊丹憲一刑事です。
亡くなった人に実際はなかった罪をかぶせて、真実を隠します。
そして、男性のうちのひとりは、だれかをかばって自殺した。
<第四話 真相>
すごい。このDVDはこれで、殺人事件の解明にまで至っています。
せつない結末でした。
恐ろしいお話でした。
最初に三浦信輔刑事役をしていた大谷亮介さんが今シーズンの第一話で退職ということで番組から離れられるので15分間程度のインタビュー番組を特典映像として観ました。かれこれ10年以上だったと思います。お疲れさまでした。
自分は舞台俳優が基本なので還暦を迎える60歳になるにあたって舞台を中心にやっていかれたいそうです。
舞台とテレビドラマの違いのお話が興味深かった。テレビは映像に映りこまなければならない。されど、自分はいつも一番うしろ、一番奥が立ち位置なので、映像に映るためにクラゲのようにふらふら、ふわふわ、ゆらゆらと動き回って気を使ったそうです。
番組当初は、杉下右京VS捜査一課という構図で、自分は仲介役、潤滑油役だったが、そのうち変化して、捜査一課の伊丹憲一(正義感が強い刑事)VS刑事部長と参事の仲介役となった。
演技においては、個人的な人生(一個人としての俳優生活)を送りながら、組織の中で自分の立場を確保し継続する現実の刑事役をすることに努力されたそうです。
バイプレーヤー:脇役
「第一話 ビリーバー」
ネット社会のことをからめて、身代金誘拐事件をからめます。
異星人に誘拐された経験があるという若者男性が事件実行者です。
自殺にみせかけた殺人があります。
杉下右京の相棒の甲斐亨親子の確執がからみます。
杉下右京さんと三浦信輔さんのふたり芝居は上手なおしゃべりです。
杉下右京の運転する車がかっこいい。
調べた言葉などとして、
アブダクティ:宇宙人による誘拐被害者
「第二話 殺人の定理」
「数学」を素材にした作品でした。殺人現場に残された血文字「a drink がまるで囲まれている」を解読すると犯人の名前が出てきます。
「背理法」仮定を証明する。被疑者を犯人だと仮定してみる。
ふーむ。なんとも。自分に数学的センスがありません。
「第三話 原因菌」
集団食中毒の原因菌が「腸炎ビブリオ」です。
保健所、警視庁生活安全課、店舗、食材店、実生活と距離がある世界なのでピンとこなかったりもします。よくわかりません。なにかしらこのシリーズの出だしにあたって、話のつくりが弱いような。
「目先の利益がほしくて手抜きをして自滅していくパターン」であることはよくわかりました。
「第四話 別れのダンス」
ボールルームダンス(社交ダンス)のお話でした。ボールルームは舞踏室のこと。
内容的にはあまり重みがありませんでした。形だけが整っていたという感じでした。
それでも印象的だったこととして、「ダンスの進行方向は男が決める。女は男が決めないと一歩も踏み出せない」という言葉でした。
「第五話 エントリーシート」
大卒就職活動で使用するエントリーシートです。求職活動中の女子大生が殺されます。
ただ、被害者の彼女は、人をばかにする人でした。原因と理由は彼女にもありです。それでも、人を殺してはなりません。自分の欲望を絶対に満たすためにはあとさきのことを考えずになんでもしてしまう人がいます。
人間ドラマ仕立てで相棒らしい内容でした。加害者の言い分もわかります。新人ひとりを採用して育成するために多額の費用と時間と手間がかかります。会社を見くだされて、滑り止めにされて、どたんばでキャンセルされたら雇うほうはたまりません。
就職先というのは、自分がやりたいことをやれるところを志望するものであって、一流企業だから世間体がいいとか、安定した組織だからいいというような理由が志望理由の最優先にくるのは、採用されてもあとが続きません。こんなはずじゃなかったとなります。会社の利潤追求のために24時間365日貢献してくれるAIロボットみたいな新入社員を募集しているところもあります。職業を身につけるときは、どうか自分がなりたいものになってください。
「第六話 右京の腕時計」
機械式腕時計を扱う職人の犯罪話です。時計の小さな歯車の組み合わせのような緻密で美しい殺人計画でした。
硫化水素中毒死というガス中毒死にみせかけた殺人手法でした。
動機は妻を殺された復讐です。
カノンという曲が殺人シーンでこんなふうに使われるとは思いもしませんでした。発想が優れています。(すぐれて)
セリフも良かった。
「第七話 目撃証言」
ちいさなきっかけはあるものの担当した刑事の誘導で創作された目撃証言によってひとりの男性が無実なのに有罪判決を受けて懲役三年の服役をします。彼はなにもしていないのに、離職、離婚まで体験します。虚偽証言をした目撃者に対する復讐心は強い。
目撃証言をした若者男性は自分の非を認めますが時すでに遅く殺害されてしまいました。
彼が目撃証言をしたときに、彼のブログで彼をけしかけたかっこうになった善人のような顔をした人たちの悪事があります。
こんなことがあるのかなあと思いながら観ていました。ドラマです。
単純すぎるような気がしましたが、最後は締まりました。やりきれない事件でした。
「第八話 最後の淑女」
いまから二十年前に、サロンの管理人男性がサロンの持ち主の小説家男性を殺害して、彼を首つり自殺に見せかけて自殺扱いになったのではないかというところから始まります。
殺人の動機はなに? お金? 怨み? そして、復讐?
途中、俳句の解釈として、「美しい声のホトトギスでもトカゲを食らう(くらう)」と出てきます。表向きは立派な有名人でも別の顔がある。恐ろしいことです。有名な人は奇人なのか。
キーワードとして、「仮面」
小説家が執筆するときに「ワープロ」を使用していたのがなつかしい。ワープロは見かけなくなりましたが、たぶん今も使っている人はいると思います。
「第九話 かもめが死んだ日」
芸者さんが殺されて発見されます。絞殺です。カイトくんの幼なじみじみだそうですが、ちょっと話に無理がありました。
へんな刑事ドラマです。警察の会議中に参事が杉下右京に会議室から出て行けというような態度をとります。でも事件は杉下右京が解決するのです。
雪が降る新潟だという土地の景色が良かった。
怨みと憎しみがベースのドラマです。
カイト君は、ビジネスと割り切る警察職員としては向いていません。
「第十話 ボマー ~狙撃容疑者特命係・甲斐享を射殺せよ!」
男性がビルから飛び降り自殺します。同時進行で女性が救急で運ばれて来ました。心臓に電気ショックを与える治療が始まります。
宇崎竜童さんが犯人役で、いいのかなと思いつつ観ていたら、やっぱりいい者(もん)役でした。そうでないとこの仕事を引き受けないような先入観が自分にあります。
1時間26分を経過したあたりで、話は急展開して、異なる方向へ動きます。
父親と娘の話があります。
犯人と杉下右京対面後の推理話が長すぎたような。
ジャーナリスト(自由)VS国家組織(富と権力のある人の味方)という対決構図があります。
ひとりの人間でも人生においては、富めるときもあるし、貧するときもときもありますので、断定的に構図を示すのはどうかとは思いました。
ラスト付近。男社会です。警察署の事務室内は男だらけです。そこが気がかりでした。
「第十一話 デイドリーム」
不吉な予知夢。臨床心理士の守秘義務違反。准教授同士の対立。詐欺的な嘘もからんでの復讐劇でした。
いろいろと不自然なのですがドラマです。
「第十二話 崖っぷちの女」
カイトがビルから飛び降り自殺をしようとしている女性と遭遇します。
音楽大学とか楽器がらみの不正会計による横領犯罪事件です。
音大の教室や部屋がどこもかしこも清潔できれいだったことが印象的でした。
ピアノの鍵盤「Fファ」は、証拠として弱いような。
お金と保身のためなら人をも殺すという人間の素性とひと芝居うつ女性のしたたかさが怖い。
「第十三話 右京さんの友達」
杉下右京がミステリー小説を書きます。その物語の犯人が、実際の事件の犯人で、犯人に書いた小説を批評してもらいます。犯人はミステリー小説の批評家なのです。
「孤独の研究」というタイトルの小説です。
調べた言葉として、言わずもがな:言うまでもなく、言わなくてもおわかりになることですが。
杉下右京は自分自身を協調性のない人間だと論じます。
「孤独と孤高は違います」という言葉がドラマを締めてくれます。
「第十四話 顔」
男性の美容整形外科手術が犯罪とからみます。
ややこしい。
単純な犯罪ではなく、暴力を振るう父親の存在が、父亡きあとも息子を苦しめます。
家庭内暴力を振るう人間は二重人格なのだろうか。注意しても治らないのは脳に不完全な部分があるからなのか。
「第十五話 見知らぬ共犯者」
舞台演劇シーンが本当の殺人実行シーンになっていきます。
評論家の形だけの評論があります。内容は出版社の社員が作成して、評論家が名前を貸します。評論で批判された俳優などがネットで叩かれます。中傷です。(人の心を傷つけること)若い女優は飛び降り自殺をして亡くなります。女優の父親が怒ります。復讐の企図があります。
蓄光テープ(ちくこうテープ):舞台の上に置く。俳優の立ち位置を示す。暗くなると発光するテープ
途中、ワンパターンな形骸化(けいがいか。形だけで意味がない)した構成という印象をもちましたが、終わってみれば、内容の濃いものでした。深い。
一発必殺の頭部打撃殺人です。
タイトルの内容で、最後は、「(彼が来なかったら)私が殺していた」娘の命を奪われたうらみは強い。
「第十六話 聞きすぎた男」
盗聴器がらみのお話でした。情報流出とか覚せい剤使用販売もからみます。
杉下右京のすご腕が光ります。そういうことか。うまくできている。
「こどもの頃から発明家になるのが夢だった」というセリフを聞いて、やはり、仕事は自分が好きなことをしたほうがいい。自分のなりたい者になったほうがいいと再認識しました。
最後に「返しておいたから。『借金』」いい奥さんです。
「第十七話 ヒーロー」
ヒーローとされる若い男性が犯人だったとしたらおもしろくないと思って観始めました。(やはり違いました)
ヒーローくんは、女性弁護士を火災からどんなふうに助けたのかの状況説明が不足していました。その後、いったん否定したことをひるがえしたりして、もやもやとしたものをかかえながらドラマは進行していきました。
船の事故にからむ事情の隠蔽(いんぺい)があります。隠蔽にこだわる番組です。
深い話になっていきますが、最後半部はつくりこみ過ぎのような。
「第十八話 待ちぼうけ」
昔の鉄道駅舎です。旅先のひなびた無人駅だそうです。なつかしい。(千葉県にある小湊鉄道がロケ地でした)
杉下右京と甲斐享、そして伊丹憲一の別々のシーンが、やがて合体します。
推理クイズみたいで、観ていて楽しかった。なるほどの連続でした。
素行の悪い人間を殺害する事情がある殺人事件です。
いくつもの仕掛けがあります。オセロゲーム、干し芋、靴など。
終わりのほうになって、犯人役が、路線バス乗継の旅の太川陽介さんだと気づきした。びっくりしました。変装しているみたいでわかりませんでした。
「最終話 プロテクト<スペシャル>」
東京拘置所に三人殺しの死刑囚老人が収監されていて、彼には三人のこどもがいて、長男も収監されていたけれど出所して、次男は悪徳弁護士で、三男はまっとうな人間という設定に、今は亡き小野田官房長とか甲斐享父子がからんできます。父親と息子のうまくいかない親子関係が表現されていました。
さきほど書いた三男が裁判所で証言をしたことを父親と長男・次男が恨んでいます。証人に対するお礼参り(復讐)劇です。三男は外国で言うところの「証人保護プログラム」で守られています。小野田官房長は自らが死してもなお業務を遂行しています。たいしたものです。
犯人は無関係の母子を人質にとります。残忍なことをするのね。がんばれ杉下右京。静かにそして確実に事件解決の方向へ動きは向かって行きます。
鑑識米沢さんの言動がおもしろい。中園参事もがんばります。特命係と二重構造の人質救出作戦です。
「戸籍」の話です。つくり手は、よく戸籍事務電算化の情報を仕入れたものです。
「人間はミスを犯す」「警察に協力した人がお礼参りで殺されるということがあってはならない」正直者がばかをみない社会をつくる。
三男が癌で病死していたことがわかりますが、犯人は納得しません。
息子が憎いというような息子話になります。
(犯人の)あなたがたは、亡霊を追い続けている。<どう決着をつけるのか>緊迫感があります。
すごいなあ。今年観て良かった一本でした。
力が入った作品でした。
死してなお守り続けてくれる人あり。
「劇場版Ⅲ 序章 ビデオスペシャル」
あいにく、先に劇場版Ⅲを鑑賞してしまいました。「巨大密室! 絶海の孤島へ」でした。
防衛省とか自衛隊がらみの不祥事、2014年の作品ですが、2020年の未来を予知するように、ウィルスを使って世界中を混乱させるお話でした。
こちらのDVDは、一話が10分程度の長さです。
<第一話 密室>
杉下右京による2012年に起きた殺人事件の掘り起こしシーンから始まります。男性二名の遺体が、古い貨物船内で見つかります。状況として密室殺人事件の発生です。
<第二話 謎の女>
遺体で発見されたふたりの男性は、恐ろしい死に方です。
口封じの話が出ます。
<第三話 隠蔽(いんぺい。証拠や悪事を発覚しないように意図的に隠す>
正義感が強い伊丹憲一刑事です。
亡くなった人に実際はなかった罪をかぶせて、真実を隠します。
そして、男性のうちのひとりは、だれかをかばって自殺した。
<第四話 真相>
すごい。このDVDはこれで、殺人事件の解明にまで至っています。
せつない結末でした。
恐ろしいお話でした。
この記事へのトラックバックURL
http://kumataro.mediacat-blog.jp/t142945
※このエントリーではブログ管理者の設定により、ブログ管理者に承認されるまでコメントは反映されません