2021年03月22日

星の王子ニューヨークへ行く アメリカ映画DVD

星の王子ニューヨークへ行く アメリカ映画DVD 1988年公開

 有名な映画のようですが観るのは初めてです。もう30年以上前の映画ですが、自分にとっては新作です。今年観て良かった一本になりました。

 アフリカにあるザムンダ王国の21歳になるアキーム王子が主人公です。彼は、なかなかいいやつです。お坊ちゃま暮らしで育てられたようですが、しっかりしていてまじめです。王子の風格があります。かっこいい。
 映画自体は、ラブコメディに仕立て上げられています。ユーモアがあっておもしろい。娯楽作品として豊かな表現がしてあります。衣装がきれいです。王宮での踊りは、体操選手による集団ダンスみたい。華やかでした。
 王子が好きになるハンバーガーショップの経営者の娘さんリサさんも優しい感じが出ていて、好感をもてるいい女性です。
 リサの彼氏ダリルはクズ男ですが、ドラマに必要な悪役のポジションです。
 オードリー・ヘップバーンの「ローマの休日」の王子版のようなつくりになっています。
 王子の結婚話があるのですが、王という者は、世継ぎの子孫を残すために一夫多妻制をとるような気がするのですが、ザムンダ国は一夫一妻制をとっています。まあ、すけべ話が何度も出てきます。

 超音速旅客機コンコルドの機影を久しぶりに映像で観ました。アフリカからニューヨークへの移動で使用しました。
 アキーム王子と世話係のセミ―がアパートの一室を借りたニューヨークのクイーンズタウンというところは下町らしい。
 アメリカ合衆国は「自由の国」というけれど、王子たちが家に着いた途端、泥棒たちが荷台にのせてある彼らの引っ越し荷物をかっぱらっていきます。
 王子は、貧しい生活を体験してみたいそうです。
 アメリカ合衆国は、人種差別の国です。貧富の格差が大きい国です。治安が悪い。銃をもてる国です。薬物使用の国でもあります。そんな、映像が次々と出てきます。
 されど、アキーム王子いわく、
「(王宮での生活とは違って)人間らしい本当の生活がある」
「(自分が普通の洋服を着て)物質的なものにこだわるな」
「(たくさんの女性に会って話を聴いて)ニューヨークの女はみんな心を病んでいるみたいだ」

 自分の恋愛の邪魔をされて、リサが父親に厳しく怒ります。妹ともからんで三角関係です。
 リサの父親の気持ちもよくわかります。結婚後リサにお金の苦労をさせたくありません。
 されど、王さまから娘のプライドを傷つけることを言われた父親は「金で話はつけない」ときっぱりと王様が提案した王子との手切れ金の大金を断りました。身分に上も下もないと王様にくってかかります。娘思いのいいお父さんです。女王さまもいい人でした。王さまに「およしなさいよ。もう手遅れよ」とくりかえします。

 白い子犬のワンちゃんが悪人をやっつけるシーンが可愛い。

 人間は、今、手元にないものを欲しがることがわかりました。
 庶民でいることの幸せを感じました。
 最後はどうなるのか楽しみでした。予想どおりでした。まあ映画だから、これでいい。この結末でいい。

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