2021年01月27日
ねこと友だち いとうひろし
ねこと友だち いとうひろし 徳間書店
小学校低学年向けの児童文学作品です。
宗教的でもありました。「輪廻転生(りんねてんせい、りんねてんしょう。命は生まれかわる)」
食物連鎖の法則にさからって、食べる生き物と食べられる生き物とがなんとか仲良くやっていくのは、昔だと、手塚治虫(てづかおさむ)さんのジャングル大帝レオ(じゃんぐるたいていれお)がありました。こどものころに見たテレビ漫画では、肉食獣が獲物の肉を食べずにがまんして、草や穀物を食べようとしていたシーンがあったような記憶が残っています。
最近読んだ本では、子どもさん向けの絵本「あらしのなかで」シリーズで、オオカミとヤギが友情を超えて、恋愛関係にまであるのではないかと思わせてくれました。
今回のこの本では、飼いねこと水槽の中のたぶんブルーの熱帯魚夫婦の信頼関係を表現しながら、されど、ねこは魚を食べるし、食べられた魚には感謝するのですという教えが示されています。
「ジャングル大帝レオ」も「あらしのなかで」も異なる動物の種類がいっしょにいて共存をめざしますが、このねこと友だちでは、ねこのほうが心情的に好きになってしまったおさかなを食べないために家出をします。ねこはおさかなとの信頼関係を壊さないために、おさかな夫婦との別離を選択します。
ねこの瞳はさかなから見て「青緑色」で、水槽の中は光線で「青緑色」なのをきっかけにして、ねことさかなの心は近づきます。さかなは猫の瞳を見て、ねこの瞳をさかなだと勘違いしたようです。
ねこは外歩きが好きです。いっぽう、魚は水槽の中だけの世界で満足です。以前類似のパターンで、同じ池にいた魚とカエル(おたまじゃくしから成長してカエルになって池を出て、外の世界を知る)の仲良し童話を読んだことがありますが、あいにく今はその絵本童話のタイトルを思い出せません。
この児童文学小説は、左のページにさし絵、右のページに文章があります。絵本のようです。紙芝居のようでもあります。
ねこは、最初は、さかなを自分の食べ物だとは思っていませんでした。
さかなの夫婦のうちのだんなさんがジャンプして水槽から飛び出して床に落ちた時に、ねことしての本能が芽生えてしまったのです。においが食欲をそそります。でも、ねこは、さかなとこれまでどおり、水槽越しに会話を楽しむ友だちでいたい。さかなを食べたくないという気持ちが生まれます。
ねこは、さかなのいないさばくをめざして家出をします。鳥取砂丘とか、静岡県の中田島砂丘をイメージしながら本読みを続けました。それなのに、砂丘の向こうには海があって、海があればおさかながいるのです。漁師とか魚市場がある港にたどりついてしまうのです。あっちにもこっちにも、ねこにとって好物であるおさかなのにおいがします。
食べ物になる生き物は食べられたあと、食べた生き物の体の一部になって、その生き物を生かしてそこで生きる。なかなか哲学的です。臓器移植のイメージもあります。
命をつなぐために繁殖して子孫を残すところまでいきます。短いお話ですが、物語に詰まっているメッセージはたくさんあります。(だから、食べ物に感謝するのです)
小学校低学年向けの児童文学作品です。
宗教的でもありました。「輪廻転生(りんねてんせい、りんねてんしょう。命は生まれかわる)」
食物連鎖の法則にさからって、食べる生き物と食べられる生き物とがなんとか仲良くやっていくのは、昔だと、手塚治虫(てづかおさむ)さんのジャングル大帝レオ(じゃんぐるたいていれお)がありました。こどものころに見たテレビ漫画では、肉食獣が獲物の肉を食べずにがまんして、草や穀物を食べようとしていたシーンがあったような記憶が残っています。
最近読んだ本では、子どもさん向けの絵本「あらしのなかで」シリーズで、オオカミとヤギが友情を超えて、恋愛関係にまであるのではないかと思わせてくれました。
今回のこの本では、飼いねこと水槽の中のたぶんブルーの熱帯魚夫婦の信頼関係を表現しながら、されど、ねこは魚を食べるし、食べられた魚には感謝するのですという教えが示されています。
「ジャングル大帝レオ」も「あらしのなかで」も異なる動物の種類がいっしょにいて共存をめざしますが、このねこと友だちでは、ねこのほうが心情的に好きになってしまったおさかなを食べないために家出をします。ねこはおさかなとの信頼関係を壊さないために、おさかな夫婦との別離を選択します。
ねこの瞳はさかなから見て「青緑色」で、水槽の中は光線で「青緑色」なのをきっかけにして、ねことさかなの心は近づきます。さかなは猫の瞳を見て、ねこの瞳をさかなだと勘違いしたようです。
ねこは外歩きが好きです。いっぽう、魚は水槽の中だけの世界で満足です。以前類似のパターンで、同じ池にいた魚とカエル(おたまじゃくしから成長してカエルになって池を出て、外の世界を知る)の仲良し童話を読んだことがありますが、あいにく今はその絵本童話のタイトルを思い出せません。
この児童文学小説は、左のページにさし絵、右のページに文章があります。絵本のようです。紙芝居のようでもあります。
ねこは、最初は、さかなを自分の食べ物だとは思っていませんでした。
さかなの夫婦のうちのだんなさんがジャンプして水槽から飛び出して床に落ちた時に、ねことしての本能が芽生えてしまったのです。においが食欲をそそります。でも、ねこは、さかなとこれまでどおり、水槽越しに会話を楽しむ友だちでいたい。さかなを食べたくないという気持ちが生まれます。
ねこは、さかなのいないさばくをめざして家出をします。鳥取砂丘とか、静岡県の中田島砂丘をイメージしながら本読みを続けました。それなのに、砂丘の向こうには海があって、海があればおさかながいるのです。漁師とか魚市場がある港にたどりついてしまうのです。あっちにもこっちにも、ねこにとって好物であるおさかなのにおいがします。
食べ物になる生き物は食べられたあと、食べた生き物の体の一部になって、その生き物を生かしてそこで生きる。なかなか哲学的です。臓器移植のイメージもあります。
命をつなぐために繁殖して子孫を残すところまでいきます。短いお話ですが、物語に詰まっているメッセージはたくさんあります。(だから、食べ物に感謝するのです)
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