2021年01月26日
しをんのしおり 三浦しをん
しをんのしおり 三浦しをん 新潮文庫
爆笑できるという書評を読んでこの本を購入しました。(世代の差なのか爆笑まではできませんでした。笑いの波長が違うようです)
著者のあとがきは2002年4月付けになっていますので、2021年の今読むと、読書は過去へのタイムトラベルになります。
エッセイ集です。短い文章がたくさんおさめられています。
文章書きがうまい。「さらに若くない読者諸氏の縁側のお供としても……」あたりのくだり、なかなか書けません。リズム感もあり読みやすい。リズム感の源は漫画好きだからのような気がします。
文字書きが好きな自分も寝床の横にメモと筆記用具がおいてあり、著者と同じ習慣があることで安心しました。夢でみたことなんかを記録するのです。目が覚めると忘れてしまうからです。
文章の内容はどこまでが、著者の素(す)なのかわかりかねるのですが、とりあえず、大学生になった弟さんと弟さんのスーツを買いに洋品店へ出かけられた記事から始まります。著者はまだ二十代でしょう。
二十年ぐらい前の文章なので、読書は、過去へのタイムトラベルになります。
読みながら考えたことです。人間の命ってわりと簡単に消えていきます。二十年前にいた人が今はもうこの世にいない。
文章のなかでは生きている人が、二十年後の今である現実社会ではもういない。
漫画大好きの著者のようです。「ヒカルの碁」「テニスの王子様」「NARUTO」「ベルサイユのばら」「ONE PIECE」「スラムダンク」漫画の読書感想文のようでもあります。
ご本人によると、ノートパソコンの電源が突然落ちる故障があるそうです。(そんなことがあるのだろうか)
レズのお話。されど、ムラムラするのは男性に対してのみ。ちょっと不可解
音楽バンドの追っかけ。PHS(昔、そういう電話機がありました)
平安時代の和歌の解釈はわかりません。著者は不思議ちゃん(マイペースゆえに)の要素があります。
日常生活で起きたことを日記風に小説化してあるような雰囲気の作品です。時間が経過して、思い出して読み直したときに、書き手は何を感じるのでしょうか。「思い出」です。
なつかしき言葉として「国電」国鉄電車のこと。
自転車泥棒を捕まえた騒ぎのそばで、筆者に平然と道を訪ねてきた人が出てきます。以前、同じような感じですが、救急隊が来てストレッチャー(担架)を出して救急搬送の騒ぎが起こっているそばで、そこで行われていた無料なんとか相談コーナーで、平然とした顔で相談をしている女性を見たことがあります。なんというか、自分の世界だけで生きている人がいます。これまた不可解です。人間の脳ってどうなっているのだろう。
お台場の話。カップルの密着度がすごいそうです。
そのケがあるのかないのかわかりませんが、同性愛の話がちょこちょこ出てきます。男同士、女同士の愛です。お台場で子連れの男性カップルを目撃したというお話では、アメリカの絵本作品「タンタンタンゴはパパふたり」を思い出しました。(おとなの男ペンギン二羽が、温められなくなったよそのペンギン夫婦の卵をもらいうけて、あたためて、こどもが生まれて、自分たちのこどもとして育てていきます。男どうしの同性愛カップルによる血のつながらないこどもの養育話です。ニューヨークの動物園であった実話の絵本化)
牛乳と寿司を同時に食べるとか、中学生の不良グループが、小学生の不良を仲間の予備軍としてスカウトする。それらを「普通」だと思って育っていたご本人とご友人だそうです。「普通」には錯覚があります。
宝塚歌劇の熱烈なファンだそうです。
このエッセイを書いたあたりの時代は、ご本人は、まだ、古本屋でアルバイトをされていたようです。二十代で若い。太っている話がたびたび出てきます。受賞作品や映画化作品が生まれるのはこのエピソードのあとなのでしょう。
昔のことがいっぱい出てきます。小泉内閣、森内閣、田中真紀子外務大臣、河野洋平外務大臣、ロス疑惑の被告、中森明菜さん、高倉健さん、広末涼子さん、記述内容になにかしら誤解があるような気もするどこまでが妄想で、どこからが脚色なのか(意図的な話)わかないほどのめりこむときがあります。
ちょっとまとまらない感想で終わりました。
調べた言葉などとして、
グリーンデイ:アメリカのパンクロックバンド
知恵熱:生後半年から一年の乳児にみられる発熱。免疫力が低下することによるもの。誤用として、頭の使いすぎによる発熱
ポーティスヘッド:イギリスの音楽グループ
インドのゴア:西海岸にある州
琴線(きんせん)に触れる(ふれる):心の奥の秘められた感情に響く。感動、共鳴、感銘
宮沢賢治作品「グスコーブドリの伝記」:グスコーブドリというきこりの息子の伝記。飢饉や冷害から民を救うために、人工降雨、火山の人工的爆発による温暖化対策などに取り組む。
こじゃれた:おしゃれで魅力がある。
樹なつみ(いつきなつみ):漫画家
収斂(しゅうれん):異なるものどうしが同質化していく。
フェミニズム:女性解放思想
倒錯的(とうさくてき):さかさになる。
久生十蘭(ひさおじゅうらん):小説家
佐藤史生(さとうしお):女性漫画家
中井英夫:短歌編集者、小説家、詩人
石原理(いしはらさとる):漫画家
今市子(いまいちこ):漫画家
バクチク:ロックバンド
及川光博:テレビドラマ相棒のDVDで観ましたが、本書中ではミュージシャンで出てきます。
噴飯もの(ふんぱんもの):食べかけのご飯つぶを、笑えておかしくて、思わず吹き出してしまうようなこと。
爆笑できるという書評を読んでこの本を購入しました。(世代の差なのか爆笑まではできませんでした。笑いの波長が違うようです)
著者のあとがきは2002年4月付けになっていますので、2021年の今読むと、読書は過去へのタイムトラベルになります。
エッセイ集です。短い文章がたくさんおさめられています。
文章書きがうまい。「さらに若くない読者諸氏の縁側のお供としても……」あたりのくだり、なかなか書けません。リズム感もあり読みやすい。リズム感の源は漫画好きだからのような気がします。
文字書きが好きな自分も寝床の横にメモと筆記用具がおいてあり、著者と同じ習慣があることで安心しました。夢でみたことなんかを記録するのです。目が覚めると忘れてしまうからです。
文章の内容はどこまでが、著者の素(す)なのかわかりかねるのですが、とりあえず、大学生になった弟さんと弟さんのスーツを買いに洋品店へ出かけられた記事から始まります。著者はまだ二十代でしょう。
二十年ぐらい前の文章なので、読書は、過去へのタイムトラベルになります。
読みながら考えたことです。人間の命ってわりと簡単に消えていきます。二十年前にいた人が今はもうこの世にいない。
文章のなかでは生きている人が、二十年後の今である現実社会ではもういない。
漫画大好きの著者のようです。「ヒカルの碁」「テニスの王子様」「NARUTO」「ベルサイユのばら」「ONE PIECE」「スラムダンク」漫画の読書感想文のようでもあります。
ご本人によると、ノートパソコンの電源が突然落ちる故障があるそうです。(そんなことがあるのだろうか)
レズのお話。されど、ムラムラするのは男性に対してのみ。ちょっと不可解
音楽バンドの追っかけ。PHS(昔、そういう電話機がありました)
平安時代の和歌の解釈はわかりません。著者は不思議ちゃん(マイペースゆえに)の要素があります。
日常生活で起きたことを日記風に小説化してあるような雰囲気の作品です。時間が経過して、思い出して読み直したときに、書き手は何を感じるのでしょうか。「思い出」です。
なつかしき言葉として「国電」国鉄電車のこと。
自転車泥棒を捕まえた騒ぎのそばで、筆者に平然と道を訪ねてきた人が出てきます。以前、同じような感じですが、救急隊が来てストレッチャー(担架)を出して救急搬送の騒ぎが起こっているそばで、そこで行われていた無料なんとか相談コーナーで、平然とした顔で相談をしている女性を見たことがあります。なんというか、自分の世界だけで生きている人がいます。これまた不可解です。人間の脳ってどうなっているのだろう。
お台場の話。カップルの密着度がすごいそうです。
そのケがあるのかないのかわかりませんが、同性愛の話がちょこちょこ出てきます。男同士、女同士の愛です。お台場で子連れの男性カップルを目撃したというお話では、アメリカの絵本作品「タンタンタンゴはパパふたり」を思い出しました。(おとなの男ペンギン二羽が、温められなくなったよそのペンギン夫婦の卵をもらいうけて、あたためて、こどもが生まれて、自分たちのこどもとして育てていきます。男どうしの同性愛カップルによる血のつながらないこどもの養育話です。ニューヨークの動物園であった実話の絵本化)
牛乳と寿司を同時に食べるとか、中学生の不良グループが、小学生の不良を仲間の予備軍としてスカウトする。それらを「普通」だと思って育っていたご本人とご友人だそうです。「普通」には錯覚があります。
宝塚歌劇の熱烈なファンだそうです。
このエッセイを書いたあたりの時代は、ご本人は、まだ、古本屋でアルバイトをされていたようです。二十代で若い。太っている話がたびたび出てきます。受賞作品や映画化作品が生まれるのはこのエピソードのあとなのでしょう。
昔のことがいっぱい出てきます。小泉内閣、森内閣、田中真紀子外務大臣、河野洋平外務大臣、ロス疑惑の被告、中森明菜さん、高倉健さん、広末涼子さん、記述内容になにかしら誤解があるような気もするどこまでが妄想で、どこからが脚色なのか(意図的な話)わかないほどのめりこむときがあります。
ちょっとまとまらない感想で終わりました。
調べた言葉などとして、
グリーンデイ:アメリカのパンクロックバンド
知恵熱:生後半年から一年の乳児にみられる発熱。免疫力が低下することによるもの。誤用として、頭の使いすぎによる発熱
ポーティスヘッド:イギリスの音楽グループ
インドのゴア:西海岸にある州
琴線(きんせん)に触れる(ふれる):心の奥の秘められた感情に響く。感動、共鳴、感銘
宮沢賢治作品「グスコーブドリの伝記」:グスコーブドリというきこりの息子の伝記。飢饉や冷害から民を救うために、人工降雨、火山の人工的爆発による温暖化対策などに取り組む。
こじゃれた:おしゃれで魅力がある。
樹なつみ(いつきなつみ):漫画家
収斂(しゅうれん):異なるものどうしが同質化していく。
フェミニズム:女性解放思想
倒錯的(とうさくてき):さかさになる。
久生十蘭(ひさおじゅうらん):小説家
佐藤史生(さとうしお):女性漫画家
中井英夫:短歌編集者、小説家、詩人
石原理(いしはらさとる):漫画家
今市子(いまいちこ):漫画家
バクチク:ロックバンド
及川光博:テレビドラマ相棒のDVDで観ましたが、本書中ではミュージシャンで出てきます。
噴飯もの(ふんぱんもの):食べかけのご飯つぶを、笑えておかしくて、思わず吹き出してしまうようなこと。
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