2020年12月27日

おばあちゃんがいるといいのにな 松田素子

おばあちゃんがいるといいのにな 松田素子・作 石倉欣二・絵 ポプラ社

 絵本です。1960年代ぐらいから1970年代、昭和30年代から昭和40年代ぐらいのおばあちゃん像です。割烹着を着て(白いエプロン)家事をしてくれます。季節の行事の準備などをしてくれます。
 時は流れて、少子化、核家族の増加、ひとり親世帯も増加などで、孫と祖父母のふれあう時間帯が少なくなりました。祖父母との思い出があまりないというこども世代も増えました。
 それでもこの物語にあるようなおばあさんは現実に今も存在するのでしょう。高齢者に対してこうあってほしいというメッセージも感じます。
 物語に登場する祖母は優しい。現実の祖母はしつけに厳しく、けっこう口やかましかったりします。だからこうあったらいいのになという気持ちがお話のつくり手や読み手にあるのでしょう。
 老齢者も健康不安や金銭不安をかかえています。気持ちの余裕がある高齢者ばかりでもありません。
 物語の中のおばあちゃんは病気で亡くなります。孫は「死」を考えます。
 ちいさなこどもは、身近にいる優しい人に甘えたい。
 祖父の立場で読みました。心優しい絵本でした。

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