2020年12月25日

童話の花束 第51回ENEOS童話集作品集

童話の花束 第51回ENEOS童話集作品集

 自宅に送られてきたので読んでみました。いくつか感想を記してみます。
 平和で落ち着いた雰囲気の童話集です。

「長ネギ1本」
 うちの奥さんのことみたいなお話でした。買い物帰りに自転車の後ろかごから長ネギの束を道路に落として帰宅したことがあります。翌日うちのこどもが探しに行ったら道に落ちたままになっていました。もう何十年も前のことです。
 1本の長ネギから複数の人たちがつながり初恋にまで発展する心あたたまる作品でした。

「めぐりめぐる」
 しっぽが見えているきつねが化けた少年です。物語で、久しぶりにそういうシーンを見て、逆に新鮮でした。絵がかわいらしい。

「モモしゃんとチュチュ」
 コンビニカウンター付近の絵が物語とぴったりあっていて楽しめました。ネコの名前が「モモ」、ネコ用のおやつが「チュチュ」です。

「ぜんざい」
 いのししが出てくる九州弁まじりの豪快な作品でした。
 古希(こき):70歳

「おいしそうなお月さま」
 おもしろい発想です。
 ねこがじぶんのしっぽで水面に映っている月を釣り上げようとします。

「紫の紫陽花(あじさい)が咲く日には」
 小説を読むようでした。カラフルカラーのなかの「灰色」に自分を重ねる。
 わたしはわたしのままでいいというメッセージを残した作品でした。

「空を飛んだイワシ」
 最初はなんだろうという感じで読んでいましたが、ラストはおもしろかった。笑いました。ほら話です。今回の作品集のなかでは一番の好みでした。

「おかえり、エンマ様」
 悲観的でうしろ向きな地獄のエンマ様がかわいい。
 「役割」が話のオチです。
 いい話でした。

「におい屋」
 昭和時代の絵とお話です。
 魔法話があります。
 理想とするお母さんの姿のイメージなのでしょう。
 現実世界ではけっこうきついお母さんが多い。

「十五夜の灯籠(とうろう)」
 こども鬼の感じがいい。小鬼というのは久しぶりに耳にしました。
 ヤマグワ:黒、赤の小さなぶつぶつの実

「ひとり図書館」
 かわいらしい。
 ぬくもりがあります。
 気に入った文節として「うれしくてジャンプした」

「にげだしたおにぎりくん」
 おべんとう箱からおかずたちが逃げ出すのです。おもしろい!
 ウィンナーのタコッピ―という名づけがいい。
 ちょっとりくつっぽいかなあという一面はありましたが楽しめました。

「お母さんはどっち」
 へぇー おもしろい。
 家に帰るとおかあさんがふたりいるのです。

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