2020年12月03日
へんな怪獣 星新一・作 和田誠・絵
へんな怪獣 星新一・作 和田誠・絵 理論社
星新一:ショートショートの神様。1926年-1997年。71歳没
和田誠:イラストレーター。1936年-2019年。83歳没
表紙の怪獣の絵がおもしろそう。
19本のショートショート集です。ショートショートどうしのお互いの関連はありません。
発明として、ロボットと新薬の話が多い印象でした。
「とりひき」
楽しいオチです。悪魔の訪問があります。強運の能力と引き換えにあなたの魂をくださいというお話です。自宅で留守番をしていた男性は悪魔の言うとおりにします。(でも留守番の男性はロボットなのです)おもしろい。
「鏡のなかの犬」
読みながら、昔、高校受験勉強をしていたころ、携帯ラジオにイヤホンを差して、星新一作品を流すラジオ番組を聴いていた夜をなつかしく思い出しました。
これは鏡の中に住んでいるという犬のお話です。鏡から出たり入ったりできるワンちゃんです。
うむ。不正をするために鏡の中のワンちゃんを使うのは不可です。
「へんな怪獣」
本のタイトルにもなっていますが、最後ははっきりせず、もやもやとした気分で読み終わりました。
怪獣は、宇宙人からのプレゼントです。宇宙船にのった怪獣が地球にやってきます。
「花とひみつ」
一本の作品が、5ページから8ページぐらいなのですぐ読み終えます。気軽さがいい。
空想の世界です。ハナコちゃんが描いた絵が風や鳥に運ばれます。
壮大なほら話でした。
「あーん。あーん」
あかちゃんが泣きやまない。終わりのないお話でした。
「みやげの品」
作者は24時間、ネタ(物語の材料)を考えていたのでしょう。楽しかったのか、苦痛だったのかはわかりません。
観光地にあるおみやげ屋さんのお話でした。
人は自慢をしたい。店主はそこを利用してお金もうけにつなげます。
「飲みますか」
飲みますかで飲むものは「幸せな気分になる薬」です。麻薬のようですが、研究中の試薬です。
研究室に強盗が入ってきました。
なるほど。飲む人の人格によって薬の効く効かない(きくきかない)があるのか…
「夜の音」
もうすっかり忘れていました。
昔の共同トイレでは、大のほうを使用するときは、使用中か、からっぽかを確認するために、使いたい人は、外からドアをノックしていました。使っている人がいたらその人は、しゃがんだままノックを返していました。かつ和式トイレでした。さらに新聞紙をもんでやわらかくした紙で尻をふいていました。今の若い人たちが聞いたらびっくりすることでしょう。
今はドアにある「表示」で、使用中かそうでないかがわかるようになりました。
「抑制心」
足もとに落ちている銀貨を拾うか拾わないかの話です。
やがて、吸血鬼のお話につながっていきます。
「ヘビとロケット」
まだ人間が宇宙の星へ行く前のことです。
人間の代わりにヘビをロケットに乗せて宇宙の星へ運びます。実験です。ヘビが行けて帰還できたなら人間もいけるはずだという理屈です。
何事も予定通りには運びません。未来のことを考えるよりも今のことを考えたほうがいいと少しずれた感想が残りました。
「接着剤」
たいてい「エヌ氏」というのが登場人物です。固有名詞はださないことが特徴のショートショートです。
エヌ氏は、時間制限のある接着剤の発明に取り組んでいます。時間がくると接着力がなくなるのです。「時限接着剤」と名付けました。
ラスト、そうかと納得しました。
「廃屋」
平家の落人(おちうど)物語のようです。廃屋にある井戸に、400年前の亡霊がいるのです。かれらはまだ生きているがごとしです。
大資本に切り捨てられていく少数派の悲しい気持ちが伝わってくる良作でした。
「なぞの贈り物」
青年の話です。人生で運の薄い青年です。母は事故死して、父は過労死しました。
そんな彼に贈り物があります。
未来からの贈り物です。
「足あとのなぞ」
これまでの作品も含めて、明瞭な短文なので、情景を想像しにくい難点があります。
雪が降り積もった翌朝に、夜中に侵入したどろぼうの足跡が逃走途中の雪道の途中でふっと消えています。
とんちくらべです。(気のきいた知恵、アイデア)
オチはなるほど。たいしたものです。
「いじわるな星」
新しく発見された星に基地を建設するために宇宙船が出発しました。
この星には幻が現れる現象があります。
そうか、そういうオチか。
今まであったものは、すべてが幻だった。
「歓迎攻め」
前作の「いじわるな星」に似ていますが、こんどの星には生き物がいます。しっぽがあるちっちゃな恐竜みたいな生き物です。星には、水も酸素もあります。
恐竜みたいな生き物は人間に食べ物を提供してくれます。人間は代わりに武器をひとつひとつ手放していきます。
どうなるのだろう。
やっぱりそうか。
「神」
「神」をつくる研究を始めた博士がいます。
まず調査としてあらゆる神のデータが蒐集されます(しゅうしゅう。研究のために集める)
うーむ。結末は、納得できるようなできないような。
「変な侵入者」
珍しく固有名詞が登場しました。「キダ氏」です。彼の別荘で事件が起こります。
別荘にロボットがやってきて居座りますが悪さはしません。
ロボットを追い出そうとしますが無理です。キダ氏は警察に通報して相談しました。でも警察も相手が人間ではないので、とりあってくれません。
おとり捜査のようなものか。
「宝島」
宝島へ行く地図を手に入れた男とその秘書の話でした。地図は海岸で拾ったびんの中に入っていました。
かなりおもしろかった。陰謀が隠されていました。(ひそかにたくらむ悪事)
星新一:ショートショートの神様。1926年-1997年。71歳没
和田誠:イラストレーター。1936年-2019年。83歳没
表紙の怪獣の絵がおもしろそう。
19本のショートショート集です。ショートショートどうしのお互いの関連はありません。
発明として、ロボットと新薬の話が多い印象でした。
「とりひき」
楽しいオチです。悪魔の訪問があります。強運の能力と引き換えにあなたの魂をくださいというお話です。自宅で留守番をしていた男性は悪魔の言うとおりにします。(でも留守番の男性はロボットなのです)おもしろい。
「鏡のなかの犬」
読みながら、昔、高校受験勉強をしていたころ、携帯ラジオにイヤホンを差して、星新一作品を流すラジオ番組を聴いていた夜をなつかしく思い出しました。
これは鏡の中に住んでいるという犬のお話です。鏡から出たり入ったりできるワンちゃんです。
うむ。不正をするために鏡の中のワンちゃんを使うのは不可です。
「へんな怪獣」
本のタイトルにもなっていますが、最後ははっきりせず、もやもやとした気分で読み終わりました。
怪獣は、宇宙人からのプレゼントです。宇宙船にのった怪獣が地球にやってきます。
「花とひみつ」
一本の作品が、5ページから8ページぐらいなのですぐ読み終えます。気軽さがいい。
空想の世界です。ハナコちゃんが描いた絵が風や鳥に運ばれます。
壮大なほら話でした。
「あーん。あーん」
あかちゃんが泣きやまない。終わりのないお話でした。
「みやげの品」
作者は24時間、ネタ(物語の材料)を考えていたのでしょう。楽しかったのか、苦痛だったのかはわかりません。
観光地にあるおみやげ屋さんのお話でした。
人は自慢をしたい。店主はそこを利用してお金もうけにつなげます。
「飲みますか」
飲みますかで飲むものは「幸せな気分になる薬」です。麻薬のようですが、研究中の試薬です。
研究室に強盗が入ってきました。
なるほど。飲む人の人格によって薬の効く効かない(きくきかない)があるのか…
「夜の音」
もうすっかり忘れていました。
昔の共同トイレでは、大のほうを使用するときは、使用中か、からっぽかを確認するために、使いたい人は、外からドアをノックしていました。使っている人がいたらその人は、しゃがんだままノックを返していました。かつ和式トイレでした。さらに新聞紙をもんでやわらかくした紙で尻をふいていました。今の若い人たちが聞いたらびっくりすることでしょう。
今はドアにある「表示」で、使用中かそうでないかがわかるようになりました。
「抑制心」
足もとに落ちている銀貨を拾うか拾わないかの話です。
やがて、吸血鬼のお話につながっていきます。
「ヘビとロケット」
まだ人間が宇宙の星へ行く前のことです。
人間の代わりにヘビをロケットに乗せて宇宙の星へ運びます。実験です。ヘビが行けて帰還できたなら人間もいけるはずだという理屈です。
何事も予定通りには運びません。未来のことを考えるよりも今のことを考えたほうがいいと少しずれた感想が残りました。
「接着剤」
たいてい「エヌ氏」というのが登場人物です。固有名詞はださないことが特徴のショートショートです。
エヌ氏は、時間制限のある接着剤の発明に取り組んでいます。時間がくると接着力がなくなるのです。「時限接着剤」と名付けました。
ラスト、そうかと納得しました。
「廃屋」
平家の落人(おちうど)物語のようです。廃屋にある井戸に、400年前の亡霊がいるのです。かれらはまだ生きているがごとしです。
大資本に切り捨てられていく少数派の悲しい気持ちが伝わってくる良作でした。
「なぞの贈り物」
青年の話です。人生で運の薄い青年です。母は事故死して、父は過労死しました。
そんな彼に贈り物があります。
未来からの贈り物です。
「足あとのなぞ」
これまでの作品も含めて、明瞭な短文なので、情景を想像しにくい難点があります。
雪が降り積もった翌朝に、夜中に侵入したどろぼうの足跡が逃走途中の雪道の途中でふっと消えています。
とんちくらべです。(気のきいた知恵、アイデア)
オチはなるほど。たいしたものです。
「いじわるな星」
新しく発見された星に基地を建設するために宇宙船が出発しました。
この星には幻が現れる現象があります。
そうか、そういうオチか。
今まであったものは、すべてが幻だった。
「歓迎攻め」
前作の「いじわるな星」に似ていますが、こんどの星には生き物がいます。しっぽがあるちっちゃな恐竜みたいな生き物です。星には、水も酸素もあります。
恐竜みたいな生き物は人間に食べ物を提供してくれます。人間は代わりに武器をひとつひとつ手放していきます。
どうなるのだろう。
やっぱりそうか。
「神」
「神」をつくる研究を始めた博士がいます。
まず調査としてあらゆる神のデータが蒐集されます(しゅうしゅう。研究のために集める)
うーむ。結末は、納得できるようなできないような。
「変な侵入者」
珍しく固有名詞が登場しました。「キダ氏」です。彼の別荘で事件が起こります。
別荘にロボットがやってきて居座りますが悪さはしません。
ロボットを追い出そうとしますが無理です。キダ氏は警察に通報して相談しました。でも警察も相手が人間ではないので、とりあってくれません。
おとり捜査のようなものか。
「宝島」
宝島へ行く地図を手に入れた男とその秘書の話でした。地図は海岸で拾ったびんの中に入っていました。
かなりおもしろかった。陰謀が隠されていました。(ひそかにたくらむ悪事)
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