2020年07月29日

マダム・イン・ニューヨーク インド映画DVD

マダム・イン・ニューヨーク インド映画DVD 2014年日本公開

 インドのコメディ映画、ふたりの子持ち主婦のちょっぴりラブありでしたが、いい作品でした。今年観て良かった1本です。

 インドからニューヨークまで飛行機の直行便で18時間かかることに驚きました。日本からだと、調べたら、成田から行きは13時間、帰りは14時間でした。遠いともいえるし、24時間以内に行けることを考えたら近いともいえます。

 英語ができないことで家族からばかにされている主婦が、姉の娘の結婚式に招待されてニューヨークへ行きます。
 滞在期間が5週間で、まず先発隊としてこの映画の主人公である主婦のシャシがのりこみ、結婚式の準備をしながら、あとからくる夫と娘、息子を迎えます。その間にシャシは、英会話学校へ通って英会話の勉強をするのですが、そのことをインドにいる家族には秘密にします。どうして秘密にしなければならないのかわからないのですが、なにかしら、インドにおける女性差別の慣例があるようにみえるのです。シャシがふだん使っているのは、ヒンディー語です。
 劇中、男性が、「料理はアートだ」というのですが、インド人女性のシャシが、「(インドでは)料理は、(女性の)義務だ」といいます。女性は家事をしなければならないのです。

 インドのお菓子ラドゥへのこだわりがあります。丸くて黄色い揚げ菓子に見えます。クッキーのように見えます。

 インド映画ですので、途中に歌と踊りが入ります。登場人物の心情を歌と音楽で表現します。
 マンハッタンのところでの歌の歌詞にあったフレーズとして、「人ごみのなかの孤独」「昼も夜も『朝食』」「ゲイ」のところが記憶に残りました。実際にこのあと映画でゲイの話が出ます。少数派に愛をというメッセージを感じました。
 インドの街の風景は、日本の街と同じように見えました。それとも、ロケ地はインドではないのかも。わかりません。
 
 田舎者がひとりで都会に出てきた雰囲気のニューヨークでのシャシです。
 きれいな女優さんです。劇中で、英会話学校の男子生徒から「美しい」と告白されて困るシャシですが、男性から美しいと言われて怒る女性はいないと思います。

 ヒンディー語しか話せないインド人シャシのニューヨークでの言葉が通じないつらさがよく伝わってきました。もっと優しくしてほしい。あなたのような人は、ここでは、場違いだ、来るなみたいな扱いを受けます。ニューヨークは他者に冷たい街かと思われましたが違いました。冷たく話す人もいれば、温かく迎えてくれる人もいます。
 あとは、本人さんが、めげているのですが、映像を観ていて、もうちょっと本人も努力しないと、前には進めないと声をかけたくなりました。
 バスのよこっぱらにでっかく英会話学校の広告が描いてあるシーンは感激でした。4週間で話せるそうになるそうです。
 つらいことがいっぱいある。つらいことがいっぱいあってあたりまえ。つらいことがあっても負けないガッツをもつ。
 最初はたいへんだけど、その時が、あとになって、いい思い出になります。

 英会話学校には、いろんな国の人たちが学びに来ています。メキシコ人、パキスタン人、フランス人、中国人みたいな東洋人、みんな心が優しい。夜間中学を扱った山田洋次監督作品の日本映画「学校」の雰囲気にも似ています。
 
 たどたどしい英会話ですが、4週間である程度、生徒のみなさんは話せるようになりました。
 ニューヨークの街は、人に優しい。

 小学6年生ぐらいの娘サプリが、英語ができない母親のシャシをばかにするのはいけません。
 シャシは、フランス人生徒に言い寄られていたのですが、だんなさんとの関係が、びみょーでした。気まずい時間帯でした。
 駅で改札口のそばにいつも立っている黒人の駅員さんの笑顔が良かった。
 英会話学校の先生役の男性の演技も良かった。彼はゲイだし、生徒の黒人もゲイでした。
 
 起承転結の「転」をどうするのかと思いながら観ていたら、思いがけない「転」だったので、「わー」と声が出てしまいました。お見事でした。彼女にチャンスを与えてほしいと神に祈りました。

 良かったセリフとして、「自分を助ける最良の人は、自分」

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