2020年07月28日

プライベート・ライアン 洋画DVD

プライベート・ライアン 洋画DVD 1998年公開

 第二次世界大戦中の1944年6月6日にあったフランスノルマンディー上陸作戦に同行した戦場カメラマンロバートキャパに関する本を読んだあと、B級映画といわれる「D-デイ」という洋画DVDを観て、今回のプライベート・ライアンを観ました。いまさらですが、今年観て良かった1本です。力作でした。
 ラストの戦車との戦闘シーンは、昔テレビでチラリと観たことがあるのを思い出しました。その当時は、この映画には興味が湧きませんでした。

 プライベート・ライアンというのは若い兵士の名前で、米軍のえらいさんの思いつきで、彼を戦闘地域から帰還させなければなりません。えらいさんというものは、自分の発言でなんでも完ぺきに、絶対に、必ずやれるものだと自信に満ちています。
 周囲にいる頭脳集団のだれかが止めてほしい。えらいさんは、安全な場所にいるから最前線の厳しい実情を知らない素人です。お飾り的な立場でそのポジションにいる人もいます。命令と報酬で人間を動かせるという誤った理解がすりこまれた脳みそをもっている人です。人間には、「心」があります。
 国は、国民を守るために国という組織として存在しています。一個人の売名行為と名誉欲のために国民は働いているのではありません。
 兵士たちの会話を聴きながらいろいろ考えました。幹部職員といわれる人たちは、おおぜいの人たちを踏み台にして上へのぼってきた人です。栄光や名誉を手に入れた人のうしろには、おおぜいの敗者がいました。

 最初のシーンに出てくるご老人が、主人公のトム・ハンクスさんだと思い込んで観ていました。ゆえに、ラスト付近のシーンはショックでした。戦争の厳しさ、悲惨さ、非情さがにじみでています。

 ノルマンディー上陸作戦のオマハビーチはしかばねの山です。
 凄惨(せいさん、血まれのむごいたらしい死体)です。

 制服職場なので、命令は絶対です。なのに、さからおうとする部下が出てきます。秩序が保てません。もめます。

 戦争の現場で、フランス人のこどもと親を分離してはいけません。安全のためにこの子を連れて行ってくれと懇願して、子だけを軍隊に預かってもらおうとした父親の顔を、子どもは、たたきつづけます。とうぜんのことです。

 ヒットラーという人間のためにおおぜいの人間が死にました。独裁者をつくってはいけません。

 目に涙をにじませながら、反抗期に母親をシカト(無視)していたことを悔いているという兵士の言葉にはほろりときました。

 映画なので、実戦の時とは違うと思いますが、映像の撮り方が駆使してありました。工夫がこらしてあります。大混乱です。リアルそうな感じが伝わってきます。

 心に残ったセリフとして、
「うちにかえりたい」
「ジェームス、(命を)むだにするな。しっかり生きろ」お金や名誉よりも大事なものが、「命」です。第二次世界大戦では、アメリカ人も死んだ。ドイツ人も死んだ。日本人もたくさん死にました。
 
 死がそばにあるので、みな、神に祈ります。

 死ななくてもいい人たちがたくさん死んでいきました。

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