2020年07月20日

パラサイト 韓国映画DVD

パラサイト 韓国映画DVD 2019年公開

 新型ウィルス感染拡大で、映画館では観なかったのですが、レンタルDVDが流通しだしたのでさっそく観てみます。

(つづく)

 観終わりました。
 いい映画でしたが、もう一度観たいとは思いません。かなしすぎます。

 60分を経過したあたりから話の展開が激しくなります。
 次々とこういうふうになるだろうと予測しながら観ていました。そうなった部分もあるし、そうはならなかった部分もあります。ふりかえってみます。

 最初の60分ぐらいは、動きがにぶく、貧困が強調されるばかりで、気持ちがふさいできます。韓国の人は、韓国人の貧しい生活の部分を世界にさらされて、この作品を誇れるのだろうかと心配になりました。
 四人家族がいます。とうさん、かあさん、兄、妹です。詐欺家族です。家族そろって、お金持ちの四人家族をだまします。
 うそつき家族は犯罪グループでありとても共感できません。
 学歴偏重社会が強調されています。笑えません。スマホとか、たぶんSNSであろうカカオトークとか、検索とか、ワイファイとか、スマホの活用があちこちにみられます。だましのための活用です。公文書を偽造するための活用もあります。
 便所コオロギ、立ちションベン、雨、湿り気、半地下の独特な匂い、不潔感がただよいます。

 映像に少人数の演劇を観るような雰囲気があります。
 役者が、詐欺師の役を演じている不思議な二重感覚がありました。

 笑えない気持ちで観ていましたが、そのうち笑えるようになりました。①吐血の血の偽造 ②立ちションベン退治のバトル(ただこれは、観ていて、最初は笑えたのですが、だんだん悲しくなりました。みじめです) ③雷が鳴って、「タイミングが最高だ」のセリフ付近 ④北朝鮮をからめたこっけいな、たわむれの歌とコメント(ただ、政治的にもめるような気配あり)⑤スマホの「送信」ボタンが、「北朝鮮のミサイル発射ボタンのようなものだ」というたとえ話

 メッセージとして、①金持ちVS貧乏人 ②格差社会への不満 ③大学を出ても就職口がない。

 記憶に残ったセリフとして、「金持ちなので優しいのではなくて、金持ちだから優しいんだ」

 展開の流れとして、詐欺家族の思惑通りにいっているのだけれど、最後は大崩れするだろうということは予測できます。
 真実が判明する前にワンクッション置いたのが良かった。60分過ぎてからが、おもしろくなります。
 納得したこととして、韓国のお金持ちが住む豪邸には、北朝鮮からの襲撃に備えてシェルターが設置してあるということ。
 
 ドタバタ喜劇かと思ったら、血なまぐさいホラーのような部分もあります。そういうふうにもっていく手段もありますが、観ていた自分としては、そうはもっていってほしくなかった。なぜかというとグロテスクな映像は苦手なことと、そういうもっていきかたは、普通に発想できる展開だからということ。

 金持ちには金持ちの苦労があるようです。

 伏線の仕掛けとして、「モールス信号」

 豪雨で水害が広がっていた頃にこの映画を観たのですが、この映画のスクリーンのなかに映る避難所体育館生活を観ると、実感がこみあげてくるものがあります。国民が避難所生活をしているときに、政治家はどのような暮らしをしているのかと怒りがこみあげてくる避難民がいるかもしれません。

 半地下の自宅であるパラサイト暮らしをやむなくしている家族共通の「くさいにおい」のことをお金持ちファミリーに言われたことで、詐欺家族一家の「怒り」のスイッチが入りました。

 韓国社会の呼吸が止まりそうな苦しさあり。息子の最後のほうにあったセリフに気持ちがこもっていました。『ぼくは、笑っていました。ずっと笑っていました』あまりにもつらすぎて、笑うしかないときがあります。

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