2020年07月10日

北極と南極の「へぇ~」くらべてわかる地球のこと

北極と南極の「へぇ~」くらべてわかる地球のこと 中山由美・文と写真 Gakken 2020課題図書

(1回目の本読み)
 ざーっとめくるだけで最後までいきます。
 本のカバーには、「北極と南極の比較」について書いてありますので、本全体が比較パターンで進行していくのでしょう。
 表紙をめくると、ホッキョクグマとペンギンの絵が読者を迎えてくれます。この本を書いた新聞記者の女性の写真があります。北極も南極も行かれたのでしょう。若い時にはチャレンジしたほうがいい。冒険は若いうちにしたほうがいい。感激や感動が新鮮で大きい。
 本をながめていると、内容は、北極と南極での『体験談』であることがわかります。カラー写真がいっぱいあります。
 南極観測隊と樺太犬タロー、ジローとの交流話があります。
 69ページにあるグリーンランドのこどもたちと犬の赤ちゃんの写真がかわいらしい。
 
(2回目の本読み)
 とりあえず、41ページまで読みました。かなりおもしろい。今年読んで良かった一冊です。
 タイトルどおり、『へぇ~』と思うことが続きます。知らなかったことばかりです。新しい知識を吸収する楽しさがあります。
 登場者は、書いた記者さんとペンギンちゃんとホッキョクグマくんですが、読んでいるとあまりその三人のことは意識しなくても読み進んでいきます。

 2003年に報道担当として南極観測隊に同行した。
 2008年に北極(グリーンランド)に行った。
 南極と北極を見ると、地球の今と昔がわかる。そして、地球の未来を知る。

 読んでいると、地球は生きているという実感が湧いてきます。

 南極は土でできた『大陸』の上に氷が張っている。
 南極は太陽が沈まない時期と(12月ごろ。白夜。夏)逆に太陽がのぼらない(5月末~7月なかば。冬)時期がある。昼だけの時期が半年、夜だけの時期が半年
 南極では太陽が右から左に移動する(太陽が西から出るわけではない)
 南極はみんなのもの(南極条約によってどこの国のものでもないと定めがある。最初の各国の独占したいもくろみは、第一に軍事目的だったと自分なりには考えました)
 北極には国がある。
 北極は、海の水が凍って、氷が浮いている。標高が高いわけではない。氷の厚さは最大で10mぐらい。
 高校生のころ、北極には雨が降るだろうという文章をつくったことがあって、この本を読んでいたら、北極では雨が降りますと書いてあったので、やっぱりそうだと嬉しくなりました。気温は、マイナス3℃からマイナス11℃ぐらいだそうです。
 
 人間が未開地に入ると、ごみや排せつ物が発生して、せっかくの自然が破壊されてしまいます。南極は、厳しい寒さで自然破壊から守られています。あまり観光地化されないほうがいい。

 南極大陸の探検や冒険の歴史が浅いのには少し驚きました。100年ちょっとぐらい。日本人の長寿の方で100歳ぐらいのかたはけっこうおられます。
 ノルウェーのアムンゼン:1911年12月14日南極点到達
 イギリスのスコット:アムンゼンの1か月ほどあとに南極点に到達したが、帰路で全員が遭難死
 日本の白瀬中尉:1912年1月28日。南極点には到達できず。南緯80度5分「大和雪原(やまとゆきはら)」と命名。
 
 (つづく)

 最後まで読みました。旅行記の要素ももった一冊でした。へーぇの連続で、新しいたくさんの知識を得ることができました。生まれて初めて知ることが多かった。今年読んで良かった一冊です。

ラミング:砕氷船(さいひょうせん)が、後退・前進を繰り返しながら氷を割って前へ進んで行くこと。回数は何千回。氷の厚さは5~6m。その上に雪が2m。すごいなあ。

 昔、『南極料理人』という映画を観たことがあります。現実の出来事ではないような世界が展開されていました。この本でも、研究職以外にもたくさんの職種の人がいっしょに生活していると紹介しています。料理人、医師、大工、重機のオペレーター(運転手)、通信員など。

 5月末から7月半ばの冬になって夜が何か月も続くときは、基地にこもる状態になるそうです。日本では今年コロナウィルスの影響でステイホームでした。似ています。

 北極にいて、南極にいなものとして、『シロクマ』そして、『原住民という人間』
 北極にいなくて、南極にいるものとして、『ペンギン』

 南極にいる『ウェッデルアザラシ』は、体長3m、体重340~400kgと大きいけれど、かわいい。

 北極にしても南極にしても自分は一生行くことはないと思うので、この本を読みながら旅をしている気分を味わっています。旅行ガイドブックの要素をもつ本です。

 北極で暮らす日本人男性の暮らしでは考えるところがありました。それは、『変化』です。自然環境の破壊により、北極は自給自足をしていくうえで、住みにくくなっているのですが、生活を変えていくことは必要なことだと思うのです。いつまでもずっと同じところで同じようには暮らせないのが世の常です。残念なことかもしれませんが、少なくとも、これからの若い人たちが、狩猟生活をしていけるとは思えないのです。銃で獣(けもの。アザラシ、セイウチ、イッカク、ホッキョクグマ、ジャコウウシ、トナカイ、魚、鳥など)を撃って、肉を食べて、毛皮で服をつくる生活です。

 北極では、極夜(きょくや。一日中太陽がのぼらない日が4か月も続く)

 印象に残った言葉などとして、
『(北極にすむ動物たちに)感謝して命をいただく』
『生き物たちみんなの地球』

 北極の動物たちは白い。(迷彩色、保護色で、敵から身を守る)白いウサギ、キツネ、オオカミ。おどろいたのは、ホッキョクグマの毛皮は白色ではなくて、透明だそうです。そして肌の色は黒だそうです。驚きです。

 地球温暖化で北極の氷が解けているそうです。氷の範囲が小さくなってきている。グリーンランドの陸地の氷が解けて海に流れ込む。海の水温が上がって、海の体積が膨張する。海面が上昇して、海抜が低い土地は海水につかってしまう。そういう一連の流れがよくわかりました。

 便利さの追求とか、お金の追求という考え方は、曲がり角に来ているようです。このまま進んで行けば、人間自身が生きていけない地球環境にまで至ってしまいそうです。いますぐということではありませんが、このままでは、いつかは限界に達してしまいそうです。

 そのほか、南極の深さ3035mにある氷を調べたり、宇宙から落ちてきた隕石を調べたりされています。
 南極にいるのは、宇宙ステーションにいるみたいだそうです。なんとなくわかります。まわりにはなにもない世界です。

 著者紹介記事をみると、来年の3月まで、61次南極観測越冬隊に参加とあるので、いまごろご本人は南極の基地ですごされているのでしょう。南極にはコロナウィルスがいないといいのですが。今年は世界中、たいへんな年になりました。

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