2020年06月30日

3年A組-今から皆さんは人質です- テレビドラマDVD

3年A組-今から皆さんは人質です- テレビドラマDVD 2019年放映

 有名なドラマのようですが見たことがありません。
 第一話を見て、これは、一家だんらんで楽しく家族で見るにはきつい内容だと思いました。
 教室に集められた中学生同士が、最後のひとりになるまで殺し合うという邦画「バトルロワイアル(生き残りのための殺し合い)」をイメージしましたが、3年A組の場合は、菅田将暉さん演じる高校美術教師が狂人のようになって、自殺した女生徒の自殺した理由を突き止めようと、クラス全員を締めあげます。教師が、生徒を教室に閉じ込めて、10日間教育をするドラマとなっています。

「第一話」
 教室のメンバーということで、登場人物がいっぱい。覚えられるだろうか。あとは、なにかしらテンポが速い。スピードについていけるだろうか。
 いきなり、菅田将暉さんが、「10日間を全力で生き抜いた」というような言葉を残して、校舎の屋上から後ろ向きで転落していきます。

 奇想天外な空想ほら話パターンの始まりと受け取りました。ゲームのようです。

 人質にされた生徒たちは、菅田将暉さん演じる柊一楓(ひいらぎ・いぶき、愛称ブッキー)を殺すぐらいの気持ちでぶつかっていきますが、彼には勝てません。菅田将暉さんは、爆弾の力で、生徒の心理をコントロールします。

 生徒の親も、ほかの教師も、警察も、無力です。

 いわゆるいじめの加害者生徒に対する教師の復讐に見えるのですが、ブッキーは、「これは教育だ」と主張します。

 むずかしい話です。まっ白では生きられない人間社会があります。正義を貫き通すドラマになりそうです。

 上白石萌歌(かみしらいし・もか)さんが演じる影山澪奈(かげやま・れいな)さんが自殺した生徒で、彼女は、水泳のオリンピック代表候補だったそうです。(ただ、役者さんの体格なので、とても水泳の日本代表選手候補には見えません。その違和感は最後まで続きました)

 永野芽郁(ながの・めい)さんが演じる茅野さくらさん(かやの・さくらさん)が、自殺した影山澪奈さんの親友でした。さくらさんが、澪奈さんの自殺の鍵を握っているようです。

 第一話では、自殺した影山澪奈さんに対するシカト(存在否定行為)があったことが判明しました。

「第二話」
 第二話では、フェイク(うそ)のSNS情報を流した人間が教室の中にいることがわかります。水泳オリンピック代表候補選手である影山澪奈(かげやまれいな)さんに、ドーピングの薬物違反があったということです。

 菅田将暉さんは、復讐のためにDV男になっている殺人鬼に見えますが、あらかじめ綿密なプランに基づいて、ロボットのように機械的に、感情を抑えて行動しているように見えます。推理ドラマ仕立ての要素もあります。

 土村芳(つちむら・かほ)さんが演じる相良文香(さがら・ふみか)さんというメンタルの病気で休職中の教師がなにか今回の事件にからんでいるようです。

 なんだか、現実社会の出来事として起きた女子プロレスラーの自殺事件とも印象が重なります。
 
「第三話」「第四話」
 3月3日、そして、3月4日の出来事としてあります。
 種明かしをした状態での進行となりましたので、興味をそがれる展開でもあります。
 視聴者からのクレームを避けるという安全策の意味合いがあるとしか思えませんが、テレビ向けではない作品です。映画向きです。映画だったら最後までからくりを秘密にして突っ走れたのに。テレビドラマ化で、惜しい作品になりました。

 ところどころつくりが嘘くさくて荒い。警察が所有者の了解もなしに携帯電話を借りることはないでしょう。(あと、最終回で、教室で同窓会なのですが、教育施設である学校教室で、お茶菓子ジュースを並べて、卒業生とはいえ部外者が、パーティのような会合を開いて教室を使用できるとは思えませんでした)

 予想される視聴者からの反発として、問題を教師の暴力で解決することはできません。

 主人公の先生が言った言葉で良かったのは、「変わるなら今だ!」
 いろいろとあばかれていきます。
 先生が気を失って倒れてしまいました。どうなったのだろう。なにか、余命が決まった病気でももっているのか。

「第五話」「第六話」
 もうネタバレしているので、観るのをやめようか。
 同年齢のこどもたちの会話なので、話に広がりがなく、得るものがありません。これ以上見ても苦痛を感じるだけかと。

「第七話」「第八話」
 もう観るのをやめるつもりでしたが、まだ、どんでん返しがありそうなので、とりあえず続けて観ることにしました。
 正義があったとしても、主人公の先生がしていることは犯罪です。また、生徒たちの言動もなんの根拠もないし、事件解決の成果につながるものではありません。生徒たちは犯罪の被害者です。

 (全体をとおしてですが)BGMの音楽がうるさかった。

 大きなひっくりかえしが起こる時間帯にまで至りました。

 「フェイク」というのが、いまどきのはやりなのか。「コンフィデンスマン」も同じような意味合いなのでしょう。嘘、詐欺、だまし

 「ネットにさらされたらその人の人生が一変する」
 ただ、ネットを使わなければ無関係ということもあります。

 内容が、よくわかりません。そもそも、いろいろなことを隠す必要があるとは思えないのです。

「第九話」「第十話」
 ラストの『死なせてたまるかよ』が良かった。その部分は感動しました。ただ、そこまで到達するまでが長かった。くどかった。ドラマづくりにおいて、時間配分がうまくいかなかったのではないか。菅田将暉さんの熱演あってこそのこのドラマですが、ずっとセリフを大声で発声し続ける演技では、観ているほうも疲れるし嫌気がさしてきます。もっとコンパクトでもメッセージは伝えられた。
 ソーシャル・ネットワーク・システムにおける誹謗・中傷をやめましょう。相手を追い詰めるようなことをして、自殺者を出さないようにしましょうという呼びかけがありました。このドラマが放映されたあとなのに、現実社会で、自殺者が出てしまったのはどういうことなのか。
 取り締まる法律をつくって、刑事事件として、刑罰を適用する方向へ世の中は流れていくのでしょう。また、民事として、裁判所に損害賠償請求も提起されるのでしょう。ネットに誹謗・中傷の投稿をした人は、脅迫、恐喝、強要の罪で氏名が公表されるようになるのでしょう。
 ドラマとしては、どれもこれもつくりもののシーンで、つじつまが合わないのですが、ドラマはドラマということで受け止めました。自殺はしないでほしい。命は大事です。

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