2020年06月05日

おばあちゃんもこどもです いもとようこ

おばあちゃんもこどもです いもとようこ 金の星社

 いもとようこさんの絵本には、どの本にも『優しさ』があります。
 ほんわかとしてまるい印象の絵です。色調も温かい。
 シンプルなところがいい。ああだこうだの理屈がないのがいい。
 うさぎさんの世界です。

 読者の話を聴いてつくった童話だそうです。
 おばあちゃんが自分の亡くなった母親を慕うという珍しい設定の絵本でした。
 人間の深層心理に、自分がいくつになっても母親を頼るという意識があるのでしょう。また、あの時代は良かった。親の傘の下で守られて暮らしていたという安心感がほしいのでしょう。だけど、あの時代にはもう戻れません。幸せなひとときはつかの間のものなのです。

 終わってしまいましたが、五月の『母の日』に関連付けてあります。
 手紙のやりとりです。孫たちが自分たちの母親に手紙を書きます。長男、長女、次男の三人きょうだいです。5歳、4歳、3歳ぐらいに見えるうさぎさんたちです。そして、うさぎのおばあちゃんは60代でしょう。
 
 書かれたお手紙の内容をみると、おとうとは、鏡文字です。おねえちゃんは、スキンシップ希望で、おかあさんにぎゅーっとしてほしい。おにいちゃんは、ごはんづくりをしてくれるおかあさんに感謝をしています。うさぎさんだから「にんじんケーキ」が好物です。

 おばあさん、昔を思い出して泣かないで。

 こどもは親にかまってほしい。そして命はつながれていく。

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