2020年06月04日

不能犯 邦画DVD

不能犯 邦画DVD 2017年公開

 自分には合わない映画でした。
 松坂桃李さん演じる「宇相吹正(うそぶき・ただし)」は、このパターンだと、役として演じやすい。だれがやってもこうなるという個性設定です。宇相吹正はときおり、「おろかだねぇ、にんげんは」というので、彼は人間ではなく、「死神(しにがみ)」なのでしょう。そして、彼は全知全能で、死にません。何でも知っていて、何でもできます。ということは、ストーリは、どんなふうにでも組めます。だから、突然彼が画面に現れたりします。きちんとした登場のしかたをしないので、何でもできてしまうから、おもしろくありません。
 
 復讐とか仕返しの映画です。うらみがあるからといって、相手を殺してはいけません。殺さなくても、相手は、いつかは必ず寿命で死にます。
 
 まず、刑事役の女優さんを、どうして、劇中、死神の影響を受けないというふうに、例外扱いにしてしまったのか。彼女には、死神の催眠術のような念力がききません。例外を設定するとなんでもできてしまいます。例外なしでお話をころがしてほしかった。
 また、刑事役をしている女優さんが、映画の公開後、現実社会の薬物使用で警察に逮捕されたり、劇中に、別の役の女性が、クラブで知り合った複数男女とほんわかうつろに薬物吸引パーティをやったりのシーンがこの映画にあって、観ているほうとしては、よけいな情報が頭に浮かんできて映像に集中できず、がっかりします。女優さんが起こした薬物使用の不祥事で、作品が作品の意味をなさなくなってしまいました。

 うらまれた人が死ぬ死因がよくわからなかった。

 オペラみたいなBGMが、ドラマ「相棒」みたいだった。

 演者のセリフがときおり文章として、おかしかった。「あなたの殺意はにごっているとか、不純」とかは、意味がわかりません。にごっていない殺意とは、国と国との戦争での人殺しをいうのだろうか。

 途中、結末は、どうなるのかは強い興味をもちました。最後に種明かしがあって、これはすべて、うそですというオチにいきつくのかもと、自分では思って観ていました。

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