2020年05月26日

金曜日の砂糖ちゃん 酒井駒子

金曜日の砂糖ちゃん 酒井駒子 偕成社

 「よるくま」から、「よるくまクリスマスのまえのよる」ときて、今回は、三冊目の酒井駒子作品です。絵本がまるで、芸術作品のような画集になっています。額縁があって、額の中に美しい絵が収められているかのような絵本のつくりです。切手みたいに見えるページもあります。
 三本の作品がおさめられています。

【金曜日の砂糖ちゃん】
 「砂糖ちゃん」というのは、女の子の名前です。5歳ぐらいに見えます。なぜ「金曜日」なのかは、これから読みます。絵の中では、お昼寝をしています。
 
 赤いイチゴがひとつ。とても目立ちます。

 お母さん登場

 保育園のことを別の物語にしてあるのだろうか。

 「死」が近い作品です。霊の雰囲気もあります。

 金曜日で砂糖なのは、意味はわかりませんでした。

【草のオルガン】
 少年が登場します。きょう、さみしいことがあったそうです。
 そういうことがあったから、きょうは、知らない道を通って帰るそうです。うつむいて、機嫌悪そうで、それでも、だれかになんとかしてほしいのかも。
 発見がありました。読んでいて、胸がすーっとしました。

 先日DVDで観た邦画「あの日のオルガン」を思い出しました。戦時中、空襲を避けるために幼稚園児が埼玉県内のお寺に疎開して、そこで、オルガンを伴奏にしてこどもたちが歌うのです。東京大空襲でおおぜいの親たちが亡くなりました。実話の映画化です。壷井榮作品の「二十四の瞳」も思い出されます。大石先生が十二人のこどもたちが歌う前で、オルガンを弾いていました。

 この本に収録されている三本の作品のなかでは、これがいちばんの好みです。

【夜と夜のあいだに】
 夜と夜の間には昼があると思う。でも、ちがっていました。あったのは、夜でした。
 ちょっとホラーのような怖い絵
 やっぱり、ぞっとする終わり方でした。ショートショートみたい。
 女児が、夜中に起きて、暗い部屋の中で、櫛(くし)をもって、髪をといています。
 怖い感じがしました。
 彼女は、閉じ込められている。

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