2020年05月25日
交通誘導員ヨレヨレ日記 柏耕一
交通誘導員ヨレヨレ日記 柏耕一 三五館シンシャ フォレスト出版
出版当時73歳、男性の職業体験日記です。交通誘導員は、しんどい仕事だろうと察します。
交通誘導員の業務がらみで出会った人たちと交わした会話が書いてありますが、お客さんとしての相手が交通誘導員に言ったことの信ぴょう性が疑わしいところもあります。人は自分が得をするために自分に有利なようにうそをつきます。
「交通費支給有無」へのこだわりがあります。確かに交通費は高い。
健康で、精神も病んでいないのに、ホームレスのように、ネットカフェで寝泊まりしている人のことが書いてあります。交通誘導員の世界に活路を見出せるのにとアドバイスがあります。
最高齢交通誘導員84歳は驚きでした。そして、交通誘導員には年齢上限がない。
人員不足、5名必要なところを3名でやったときのことを読んでいたら、「疲れ」が伝わってきました。
第1章を読み終えました。最初は愚痴話かと感じましたが、だんだんおもしろくなってきました。文章に深い意味を感じます。
(つづく)
仮設トイレの汚物対応の話がかなりきつい。もう過去のことだから、今は、笑い話ということもあります。
一緒に働くメンバーは固定していません。その日の朝に集まって、その日が終われば解散します。そのへんが、会社で毎日顔合わせをして働く集団とは異なります。ゆえに、理屈では考えが及ばないことでも、そうしなければ、その場がもたないこともあります。そのへんの行動を割り切ってできるかどうかが、この仕事の継続ができるかどうかにつながっていきます。
調べた言葉として、
信用保証協会サービスサー:信用保証協会で代位弁済後、借りた本人から債権を回収するところ。保証協会債権回収株式会社
管制:現場へ警備員の手配をする仕事
十全:じゅうぜん。万全。すべて完ぺきに。
ユンボ:パワーショベル
木造しもたや風:元商店、商売をしていない家
意趣返し:仕返し、復讐
強談判:こわだんぱん。強い態度で交渉する。
東南アジアの労働者の話がおもしろかった。日本にいるフィリピンの人は仕送りをするけれど、フィリピンにいる家族は働かずに毎日を過ごしているのだろうか。
心に響いた記述として、「日本人の若者がやりたがらない力仕事や汚れ仕事には、外国人の助けが必要」
登場してくる高齢の交通誘導員は、なにかしらのことがらを抱えています。年金がまったくないか、少ないから働いていると推測します。借金のからみもあります。お金がないという人をみていると、儲かりもしないギャンブルに中毒気味に打ち込んでいたり、お金がないと言いながら、アルコールやニコチンにお金をつぎこんでいたりもします。
第2章の最後で、筆者が置き引き行為を思いとどまったのは良かった。運がありました。
周囲の視線も冷たい。「あの歳で警備員は哀れ」、「家族としてもみっともない」とあります。でも、本人はそういう意識はありません。
長岡ごぜ(目が見えない三味線弾きで収入を得る人)小林ハルさんの言葉が良かった。「いい人と歩けば祭、悪い人と歩けば修行」なにごとでもそうなのでしょう。
「挨拶」について書いてあります。挨拶をしない人が多い。相手がしないとこちらも返さなくなります。自分が世話になる人だけに愛想がいい人もいます。「挨拶」は、お互いの警戒心を解いて協力し合うための儀式だと思いますが、しない人に挨拶をしても、挨拶を返してくれないからあきらめることも多い。
余裕がある人は、歯がきれいというお話は、説得力がありました。
仕事場でいっしょに組む人間がどうしても嫌なときは断ることができる場合があるそうです。交通誘導員業務の特徴だと感じました。
近隣住民にずいぶん気を使うということがわかりました。そういえば、同じ場所をなんども掘り返してはまた埋めて、いつまでやっているのだろうという工事があります。
ケダモノみたいになって、クレームをつけてくる人もいます。
読みながら人間はみな不完全だと感じました。良かった文節として、「自己評価は他人の評価の2割増し」
文章にはありませんが、「共存」が著者からのメッセージです。それぞれの個性に応じて配置をしてひとつの工事を終わらせます。みな、貴重な戦力と記されています。社会の「縮図」とも書いてあります。
出版当時73歳、男性の職業体験日記です。交通誘導員は、しんどい仕事だろうと察します。
交通誘導員の業務がらみで出会った人たちと交わした会話が書いてありますが、お客さんとしての相手が交通誘導員に言ったことの信ぴょう性が疑わしいところもあります。人は自分が得をするために自分に有利なようにうそをつきます。
「交通費支給有無」へのこだわりがあります。確かに交通費は高い。
健康で、精神も病んでいないのに、ホームレスのように、ネットカフェで寝泊まりしている人のことが書いてあります。交通誘導員の世界に活路を見出せるのにとアドバイスがあります。
最高齢交通誘導員84歳は驚きでした。そして、交通誘導員には年齢上限がない。
人員不足、5名必要なところを3名でやったときのことを読んでいたら、「疲れ」が伝わってきました。
第1章を読み終えました。最初は愚痴話かと感じましたが、だんだんおもしろくなってきました。文章に深い意味を感じます。
(つづく)
仮設トイレの汚物対応の話がかなりきつい。もう過去のことだから、今は、笑い話ということもあります。
一緒に働くメンバーは固定していません。その日の朝に集まって、その日が終われば解散します。そのへんが、会社で毎日顔合わせをして働く集団とは異なります。ゆえに、理屈では考えが及ばないことでも、そうしなければ、その場がもたないこともあります。そのへんの行動を割り切ってできるかどうかが、この仕事の継続ができるかどうかにつながっていきます。
調べた言葉として、
信用保証協会サービスサー:信用保証協会で代位弁済後、借りた本人から債権を回収するところ。保証協会債権回収株式会社
管制:現場へ警備員の手配をする仕事
十全:じゅうぜん。万全。すべて完ぺきに。
ユンボ:パワーショベル
木造しもたや風:元商店、商売をしていない家
意趣返し:仕返し、復讐
強談判:こわだんぱん。強い態度で交渉する。
東南アジアの労働者の話がおもしろかった。日本にいるフィリピンの人は仕送りをするけれど、フィリピンにいる家族は働かずに毎日を過ごしているのだろうか。
心に響いた記述として、「日本人の若者がやりたがらない力仕事や汚れ仕事には、外国人の助けが必要」
登場してくる高齢の交通誘導員は、なにかしらのことがらを抱えています。年金がまったくないか、少ないから働いていると推測します。借金のからみもあります。お金がないという人をみていると、儲かりもしないギャンブルに中毒気味に打ち込んでいたり、お金がないと言いながら、アルコールやニコチンにお金をつぎこんでいたりもします。
第2章の最後で、筆者が置き引き行為を思いとどまったのは良かった。運がありました。
周囲の視線も冷たい。「あの歳で警備員は哀れ」、「家族としてもみっともない」とあります。でも、本人はそういう意識はありません。
長岡ごぜ(目が見えない三味線弾きで収入を得る人)小林ハルさんの言葉が良かった。「いい人と歩けば祭、悪い人と歩けば修行」なにごとでもそうなのでしょう。
「挨拶」について書いてあります。挨拶をしない人が多い。相手がしないとこちらも返さなくなります。自分が世話になる人だけに愛想がいい人もいます。「挨拶」は、お互いの警戒心を解いて協力し合うための儀式だと思いますが、しない人に挨拶をしても、挨拶を返してくれないからあきらめることも多い。
余裕がある人は、歯がきれいというお話は、説得力がありました。
仕事場でいっしょに組む人間がどうしても嫌なときは断ることができる場合があるそうです。交通誘導員業務の特徴だと感じました。
近隣住民にずいぶん気を使うということがわかりました。そういえば、同じ場所をなんども掘り返してはまた埋めて、いつまでやっているのだろうという工事があります。
ケダモノみたいになって、クレームをつけてくる人もいます。
読みながら人間はみな不完全だと感じました。良かった文節として、「自己評価は他人の評価の2割増し」
文章にはありませんが、「共存」が著者からのメッセージです。それぞれの個性に応じて配置をしてひとつの工事を終わらせます。みな、貴重な戦力と記されています。社会の「縮図」とも書いてあります。
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