2020年05月15日
3月のライオン 邦画DVD
3月のライオン 前編 邦画DVD 2017年公開
3月のライオン:荒々しく始まり静かに終わるというような説明が最初に表示されます。
将棋映画「泣き虫しょったんの奇跡」を観てから、こちらの将棋映画にきました。
交通事故で、突然、両親と妹を亡くした6歳ぐらいの主人公桐山零(きりやま・れい)の姿から始まります。彼は、将棋が好きだった父親のつながりで、父親の友人だったプロ棋士幸田(豊川悦司)さんのお宅で世話になります。そこには、奥さんとプロ棋士を目指す姉弟がいて、きょうだいとの比較などで、零はひとりぼっちになって、それなりにつらい体験をして、中学卒業後、幸田家を出て、ひとり暮らしをしながら高校へ通います。映像を観ながら、零に「がんばれ、がんばれ」と声をかけたくなる映画です。
将棋を題材にしながら、家族のあり方を考えさせられる映画に仕上がっています。
彼は、将棋の天才ではないと思います。努力の人です。幼い彼は、うそをつきます。将棋が好きかと問われて、「はい」と答えます。真相は、これからを生きるために「はい」と答えるしかなかったのです。だから、最初のうち、彼は将棋に負け続けます。彼は努力の棋士なのです。
ドキュメンタリーを観ているようでした。(事実の記録)
心に響いたセリフとして、「落ち着いて、落ち着いて、まずは、深呼吸をしろ。広く見渡して、最善の道を探せ」「きょうだいにも他人にもなりきれない関係」
ひとり暮らしの桐山零の窓の外に広がる水のある風景が気に入りました。大きな川が流れているのです。心が落ち着きます。
義父宅で、桐山零は、義父の実子たちにいじめられます。ありがちなことです。勝負の世界では親子の関係は無視されます。勝負において、強いか弱いかが判断基準です。
「勝負」とはなんだろう。いさぎよく負けを認めることができた者が、本当の勝利者のような気がします。
桐山零の叫びがあります。「みんなオレのせいかよ! (オレには)将棋しかねぇんだよ!」
楽しむ将棋もあるんじゃないだろうか。勝負事の「負」の部分が前面に押し出されている最初の一時間です。暗い雰囲気の映画です。桐山零に対する周囲の指摘があります。「むずかしい目つきをしている(相手を見るときに、負け犬を見るような目をしている)」
川本三姉妹が優しい。あかり、ひなた、モモの三人です。ときおり発声があるモモちゃんのひと声に笑いをもらいます。たとえば、「いじわるヤメテ!」
世の中には、悪い人もいるし、いい人もいると再確認させてもらえる部分です。
高校の屋上で、桐山零に話しかけてくれる林田先生もいい人です。思いやりをもっている人です。
厳しさを追求する内容でした。
「後編」
前編とはがらりと変わって、いったん将棋の話から離れます。女子中学生のいじめの話、不倫の話、不登校のひきこもりゲーム中毒の話、ろくでなしの父親の話などになり、将棋の話はどこへいってしまったのかとがっかりしましたが、それらは、主人公たちに将棋に集中させるための前置きだったことが時間の経過によってわかりました。孤独にさせて、勝負のみに集中させるのです。
進路を巡る親子げんかは、なかなか避けられない項目です。
「ふくふくだるま」が、伏線になっていきます。
良かったセリスなどとして、「自分でつくったバケモノと戦うんじゃない。(勝負を)楽しんでおいで」(幼稚園児らしきモモちゃんの)「胸を張れ!」「ひなちゃんの強さはこの食卓から生まれた」心が温まり優しい気分になれます。(主人公のせりふ)「(自分の)命綱が将棋」「(棋士が勝負に負けたのは)あたしを大切にしないからよ」「(距離感が離れていたふたりが会って、女子が)来てくれて、ありがとう」
咎められる:とがめられる。望ましくないこととして注意される。
いないほうがいい父親って何なんだろう。三姉妹のろくでなしの父親に対する結論がとても良かった。思い切りがいい。こどもが親を捨てる映画です。
礼儀正しい対局を見て、日本人に生まれて良かったと感じることができました。今年観て良かった一本です。まじめで、誠実な映画でした。
対局の静かな時間帯が長い映画でした。落ち着きました。
3月のライオン:荒々しく始まり静かに終わるというような説明が最初に表示されます。
将棋映画「泣き虫しょったんの奇跡」を観てから、こちらの将棋映画にきました。
交通事故で、突然、両親と妹を亡くした6歳ぐらいの主人公桐山零(きりやま・れい)の姿から始まります。彼は、将棋が好きだった父親のつながりで、父親の友人だったプロ棋士幸田(豊川悦司)さんのお宅で世話になります。そこには、奥さんとプロ棋士を目指す姉弟がいて、きょうだいとの比較などで、零はひとりぼっちになって、それなりにつらい体験をして、中学卒業後、幸田家を出て、ひとり暮らしをしながら高校へ通います。映像を観ながら、零に「がんばれ、がんばれ」と声をかけたくなる映画です。
将棋を題材にしながら、家族のあり方を考えさせられる映画に仕上がっています。
彼は、将棋の天才ではないと思います。努力の人です。幼い彼は、うそをつきます。将棋が好きかと問われて、「はい」と答えます。真相は、これからを生きるために「はい」と答えるしかなかったのです。だから、最初のうち、彼は将棋に負け続けます。彼は努力の棋士なのです。
ドキュメンタリーを観ているようでした。(事実の記録)
心に響いたセリフとして、「落ち着いて、落ち着いて、まずは、深呼吸をしろ。広く見渡して、最善の道を探せ」「きょうだいにも他人にもなりきれない関係」
ひとり暮らしの桐山零の窓の外に広がる水のある風景が気に入りました。大きな川が流れているのです。心が落ち着きます。
義父宅で、桐山零は、義父の実子たちにいじめられます。ありがちなことです。勝負の世界では親子の関係は無視されます。勝負において、強いか弱いかが判断基準です。
「勝負」とはなんだろう。いさぎよく負けを認めることができた者が、本当の勝利者のような気がします。
桐山零の叫びがあります。「みんなオレのせいかよ! (オレには)将棋しかねぇんだよ!」
楽しむ将棋もあるんじゃないだろうか。勝負事の「負」の部分が前面に押し出されている最初の一時間です。暗い雰囲気の映画です。桐山零に対する周囲の指摘があります。「むずかしい目つきをしている(相手を見るときに、負け犬を見るような目をしている)」
川本三姉妹が優しい。あかり、ひなた、モモの三人です。ときおり発声があるモモちゃんのひと声に笑いをもらいます。たとえば、「いじわるヤメテ!」
世の中には、悪い人もいるし、いい人もいると再確認させてもらえる部分です。
高校の屋上で、桐山零に話しかけてくれる林田先生もいい人です。思いやりをもっている人です。
厳しさを追求する内容でした。
「後編」
前編とはがらりと変わって、いったん将棋の話から離れます。女子中学生のいじめの話、不倫の話、不登校のひきこもりゲーム中毒の話、ろくでなしの父親の話などになり、将棋の話はどこへいってしまったのかとがっかりしましたが、それらは、主人公たちに将棋に集中させるための前置きだったことが時間の経過によってわかりました。孤独にさせて、勝負のみに集中させるのです。
進路を巡る親子げんかは、なかなか避けられない項目です。
「ふくふくだるま」が、伏線になっていきます。
良かったセリスなどとして、「自分でつくったバケモノと戦うんじゃない。(勝負を)楽しんでおいで」(幼稚園児らしきモモちゃんの)「胸を張れ!」「ひなちゃんの強さはこの食卓から生まれた」心が温まり優しい気分になれます。(主人公のせりふ)「(自分の)命綱が将棋」「(棋士が勝負に負けたのは)あたしを大切にしないからよ」「(距離感が離れていたふたりが会って、女子が)来てくれて、ありがとう」
咎められる:とがめられる。望ましくないこととして注意される。
いないほうがいい父親って何なんだろう。三姉妹のろくでなしの父親に対する結論がとても良かった。思い切りがいい。こどもが親を捨てる映画です。
礼儀正しい対局を見て、日本人に生まれて良かったと感じることができました。今年観て良かった一本です。まじめで、誠実な映画でした。
対局の静かな時間帯が長い映画でした。落ち着きました。
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