2020年05月14日
帝一の國 1巻から3巻 古屋兎丸
帝一の國 1巻から3巻 古屋兎丸(ふるや・うさまる) 集英社
映画があるようですが、観たことはありません。2011年3月9日第一刷の発行です。漫画の絵は、古風な日本画に見えます。『大日本帝国』をイメージして描いてあるような気にさせてくれます。
「1巻」
巻末に、「海帝高等学校生徒会規約」なるものが示されています。内容は、一般的なものでした。
表紙をめくると、4人の生徒の絵が目に飛び込んできます。男、男、メガネをかけた男、そして、女子がひとりです。
「時は昭和」から始まりました。昭和も戦前と戦後があります。どちらだろう。
(つづく)
赤場帝一:主人公。高校1年1組。中高一貫エリート育成男子校海帝中学・高校において、生徒会長を目指す。生徒会長の派閥というものがあるらしく、それを活用してゆくゆくは首相になることを夢見ている。帝一の國とはすなわり、帝一が治める日本国をさす。彼を支える同級生のパートナーとして、榊原光明(さかきばら・こうめい)がいます。
登場人物がたくさん出てきます。すぐわかるようにメモしました。あと、赤場家の家系図もつくりました。かなり、力強く、生き生きとした、躍動する物語になりそうです。
担任の先生の指名方式で、まずは、ルーム長が選ばれます。不正があります。寄付金の多い家の生徒が生徒会の役員になれるのです。赤場帝一はさきざき、どんな国づくりを目指すのか。不安が生まれました。
ライバルとして、1年2組の東郷菊馬と稲津二四三(いなづ・にしぞう)、1年6組の大鷹弾、おもしろくなりそうです。権力闘争を描く漫画のようです。
「糸電話」での通話がなつかしかった。
作品を示すセリフとして、「音はみんな野心家なんだよ」
野心:やしん。ひそかにいだく大きな望み
ガリ勉の主人公赤場帝一です。1点2点のテストの点差にこだわります。一番でないと気が済まないのです。
会長になるためには、サポートしてくれる人材が必要です。赤場帝一と榊原光明(さかきばら・こうめい)とのなれそめのようなふりかえりがあります。友情を超えた、少年同士のラブさえ感じられるものです。
背景画や内容から察すると、時代設定は、昭和20年代後半から昭和40年代前半の風景です。田畑が広がる風景や、鉄筆(てっぴつ)を使用するガリ版印刷、オート三輪車など、なつかしい。
将来ボスになる人の下について、従順な犬のようになって、いずれは自分がボスの座に就くことを夢見る。現実社会であることです。そのときに、ボスにはならないけれど、ボスのサポーターにはなりたいという性格の人が必要になります。ただ勉強ができるだけでは不足です。人間活動の実態をとらえた漫画です。
勝負をして、負けそうになって、大逆転をしました。おもしろかった。
「2巻」
高校での夏合宿が始まりました。どうもう選抜方式でひとりが選ばれるらしい。模擬殺し合いです。
やたらと決まりごとが多い。「なになにをするべき」の世界です。
調べた単語として、「ハイデガー:ドイツの哲学者。著書として『存在と時間』」
逆転の展開は、『アンパンマンとバイキンマン』のようです。ストーリーづくりの基本パターンなのでしょう。
ボーイズラブ作品なのだろうか。少年同士の恋の気配があります。「禁断の関係」という言葉も出てきます。
「学校新聞」という言葉がなつかしい。
押しては引く、引いては押すを繰り返すストーリー展開手法です。
赤場帝一は切れるときがある。もうひとつ、男なのに、ファザーコンプレックスがある。昔、同じ高校の生徒会長をめざしてなれなかった父親に対する強い愛情と執着があります。
「忖度:そんたく。上司や目上の人の気持ちを推し量り、自分の利益のためにそう行動する」が出てきます。組織で出世していくためには必要な行為ととらえられそうです。
「春子」というセーラー服姿の女子高生が出てきましたが、「男」でした。さらに彼女は(彼は)、「美人局:つつもたせ。女が近づき嘘で男に恋心を抱かせ、次に、女と共謀する男が現場に踏み込み、おれの女をどうしてくれんだと男を恐喝して男からお金をもらう。詐欺脅迫行為」でした。びっくりしました。
どうも、男と男のラブの雰囲気がただよっています。
父親の背中にある入れ墨と交わす人生相談、月蝕(げっしょく)にたとえた作戦など、アイデア満載の漫画です。
映画があるようですが、観たことはありません。2011年3月9日第一刷の発行です。漫画の絵は、古風な日本画に見えます。『大日本帝国』をイメージして描いてあるような気にさせてくれます。
「1巻」
巻末に、「海帝高等学校生徒会規約」なるものが示されています。内容は、一般的なものでした。
表紙をめくると、4人の生徒の絵が目に飛び込んできます。男、男、メガネをかけた男、そして、女子がひとりです。
「時は昭和」から始まりました。昭和も戦前と戦後があります。どちらだろう。
(つづく)
赤場帝一:主人公。高校1年1組。中高一貫エリート育成男子校海帝中学・高校において、生徒会長を目指す。生徒会長の派閥というものがあるらしく、それを活用してゆくゆくは首相になることを夢見ている。帝一の國とはすなわり、帝一が治める日本国をさす。彼を支える同級生のパートナーとして、榊原光明(さかきばら・こうめい)がいます。
登場人物がたくさん出てきます。すぐわかるようにメモしました。あと、赤場家の家系図もつくりました。かなり、力強く、生き生きとした、躍動する物語になりそうです。
担任の先生の指名方式で、まずは、ルーム長が選ばれます。不正があります。寄付金の多い家の生徒が生徒会の役員になれるのです。赤場帝一はさきざき、どんな国づくりを目指すのか。不安が生まれました。
ライバルとして、1年2組の東郷菊馬と稲津二四三(いなづ・にしぞう)、1年6組の大鷹弾、おもしろくなりそうです。権力闘争を描く漫画のようです。
「糸電話」での通話がなつかしかった。
作品を示すセリフとして、「音はみんな野心家なんだよ」
野心:やしん。ひそかにいだく大きな望み
ガリ勉の主人公赤場帝一です。1点2点のテストの点差にこだわります。一番でないと気が済まないのです。
会長になるためには、サポートしてくれる人材が必要です。赤場帝一と榊原光明(さかきばら・こうめい)とのなれそめのようなふりかえりがあります。友情を超えた、少年同士のラブさえ感じられるものです。
背景画や内容から察すると、時代設定は、昭和20年代後半から昭和40年代前半の風景です。田畑が広がる風景や、鉄筆(てっぴつ)を使用するガリ版印刷、オート三輪車など、なつかしい。
将来ボスになる人の下について、従順な犬のようになって、いずれは自分がボスの座に就くことを夢見る。現実社会であることです。そのときに、ボスにはならないけれど、ボスのサポーターにはなりたいという性格の人が必要になります。ただ勉強ができるだけでは不足です。人間活動の実態をとらえた漫画です。
勝負をして、負けそうになって、大逆転をしました。おもしろかった。
「2巻」
高校での夏合宿が始まりました。どうもう選抜方式でひとりが選ばれるらしい。模擬殺し合いです。
やたらと決まりごとが多い。「なになにをするべき」の世界です。
調べた単語として、「ハイデガー:ドイツの哲学者。著書として『存在と時間』」
逆転の展開は、『アンパンマンとバイキンマン』のようです。ストーリーづくりの基本パターンなのでしょう。
ボーイズラブ作品なのだろうか。少年同士の恋の気配があります。「禁断の関係」という言葉も出てきます。
「学校新聞」という言葉がなつかしい。
押しては引く、引いては押すを繰り返すストーリー展開手法です。
赤場帝一は切れるときがある。もうひとつ、男なのに、ファザーコンプレックスがある。昔、同じ高校の生徒会長をめざしてなれなかった父親に対する強い愛情と執着があります。
「忖度:そんたく。上司や目上の人の気持ちを推し量り、自分の利益のためにそう行動する」が出てきます。組織で出世していくためには必要な行為ととらえられそうです。
「春子」というセーラー服姿の女子高生が出てきましたが、「男」でした。さらに彼女は(彼は)、「美人局:つつもたせ。女が近づき嘘で男に恋心を抱かせ、次に、女と共謀する男が現場に踏み込み、おれの女をどうしてくれんだと男を恐喝して男からお金をもらう。詐欺脅迫行為」でした。びっくりしました。
どうも、男と男のラブの雰囲気がただよっています。
父親の背中にある入れ墨と交わす人生相談、月蝕(げっしょく)にたとえた作戦など、アイデア満載の漫画です。
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