2020年01月10日

第50回JXTG童話賞作品集「童話の花束」

第50回JXTG童話賞作品集「童話の花束」

 冊子が送られてきたので、いくつかの作品の感想を書いてみます。

「50%OFF」
 おもしろい。5割引きのシールが手に入りました。
 60才のおじいちゃんに貼ったら30才になりましたから始まって、テレビアニメが30分から15分に短くなってしまいました。おかあさんに貼ったら、若くなりすぎて同窓会で浮いてしまった。長ズボンに貼ったら、半ズボンになっちゃったというふうに、おもしろい展開が続いていきます。発想がいい。

「金タローはごみじゃない」
 金タローというのは、金魚なのです。そして、死んじゃったのです。マンションだから、埋葬する場所がないのです。つまり、ごみ扱いされるのです。だけど、飼っていた男の子にとっては、ごみじゃないのです。熱い愛情が伝わってきました。

「僕の名前」
 毅然とした雰囲気が伝わってきて良かった。
 「咲(えみ)」という名前の中学生男子がいます。名前が女の子みたいなので、めげています。
 転校してきた女子中学生が彼を励まします。

「レインツリーの花」
 ほんとうかどうかわかりませんが、いい話でした。小学3年生の「かな」が使っていた体操服が小さくなったので、寄付しました。そして、3年後、なんと、アフリカ難民キャンプにいるアフリカ人の女の子が「かな」の体操服を着てテレビに映ったのです。
 「かな」は、テレビ局を通じて、その女の子に手紙を書きます。そして、返事がきます。

「三年越しのプレゼント」
 このお話のプレゼントは、桃の木です。お孫さんが最初は興味がなかったプレゼントの木を改心して育ててくれました。おじいちゃんからのプレゼントです。

「まほうのばんそうこう」
 おもしろい。去年の夏に映画館で観たアラジンです。
 ほら話が好きです。人を幸せな気分にさせてくれるほら話ならうそでもかまいません。
 ふでばこのなかから、「まほうじん」が登場します。3枚のまほうのばんそうこうで、いろんなものを治すことができます。骨折を治して、トイレをなおして、最後は、自分とまほうじんのために使いました。

「ぼくらはおいしい正月もち」
 おもちの擬人化です。こういうパターンが好きです。おもちをいっぱいくって、ことしもがんばるべがよかった。

「たこやき君」
 こちらもたこやきの擬人化です。どうして、ぼくはまるいのだろうかからはじまります。
 ともだちがいっぱい出てきます。あんぱんまんワールドのようです。

「おばあちゃんと私のひみつの切符」
 年寄りとの生死の別れはさみしい。おばあちゃんは、病院にいったまま帰ってこなかったとあります。夢のなかだけで会える存在になりました。
 
*表紙・裏表紙の絵が明るくて、楽しくて気に入りました。

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