2019年12月19日

カツベン

カツベン

映画を見に行く前 URPRESS UR都市機構の情報誌 ユーアールプレス 2019Vol59
 (本を注文したときにいっしょに無料で送られてきたので)
「記事 成田凌(なりた・りょう)」
 映画カツベンを観に行くつもりなので、主演俳優さんの記事についてまずは感想を書きます。
 無声映画時代の活動弁士を主人公にした映画だそうです。染谷俊太郎役だそうです。
 映画は今から100年前の設定だそうですから、1919年、大正8年です。90代の人がたくさんいる現在の日本ですから生き証人がいることでしょう。
 世界的には、1918年に第一次世界大戦が終わって、次の戦争に向かっていくような軍事の不穏があります。日本では、大正文化の華やぎがあるような。
 関東大震災が1923年です。大正12年です。
 成田凌さんが習った活動弁士の先生「坂本頼光」という方は、ご老人かと思ったら若い人だったのでびっくりしました。100年近く前の現役活動弁士の方だと誤解しました。
 もうひとつの誤解は、弁士の人は、男性の人間の声だけをやると思っていました。女優の声もやるし、動物、ナレーション、全部自分の声で表現するそうです。
 ノンストップエンターテイメントなので、スピード感あふれる喜劇なのでしょう。楽しみです。
 「いろいろな人の人生を何回も味わえる」というのは、役者さんの醍醐味(だいごみ。おもしろさ)としての言葉です。



映画を観に行ったあと カツベン 邦画 映画館

 平日昼間のためか、映画館には、お年寄りを中心におおぜいの人が観に来ていました。
 白黒映像から始まります。1915年、大正4年です。
 撮影風景では、声の録音がないので、役者はみんな「いろはにほへと」とか「ちりぬるをわか」と言うだけです。おもしろい出だしでした。
 「ぱいのぱいのぱい」の音楽も久しぶりに耳にしました。
 活動大写真、セリフのアテレコ(声の割り当て)は、ひとりだけでやると思っていたら、ひとりだけのときもあるし、男女、こどもも入れて複数のときもあることがわかりました。
 冒頭からしばらくは子役さん男女の演技で、NHK朝ドラのようでした。子役さんは二人とも達者な演技で感心しました。8歳の設定の男の子の口上(こうじょう。型にはまったものの言い方)がすばらしかった。
 3人組の生バンド(三味線と太鼓(鳴り物つづみなど)とクラリネット)が良かった。
 引っ越しのサカイのコマーシャルの人徳井優さんの演技が、なかなかおもしろかった。映像と弁士と観客と音楽担当で、映画館のなかで喜怒哀楽の心にしみる雰囲気をつくるという創作活動状況がいい。
 最後のほうに出てきたいろいろなフィルムをつないでの手法は目から鱗が落ちる思いでした。
 自転車、リヤカー、人力車の追いかけっこもおもしろかった。
 伏線として、「キャラメル」、それから「クモ」
 うまい。おもしろい構成だと思いました。
 ただ、前半は眠たくなることもありました。笑いの連続の映画だと思って観に来ましたが、まじめな映画でした。
 ときおり、ドリフターズのコント8時だよ!全員集合!みたいになるところが笑う場所でした。たんすの引き出しのところは館内で大笑いが起きていました。
 下ネタ、エロの部分は、おもしろいのですが、あまり見たくはありませんでした。
 後半に向かって、笑いが大きくなりました。ただ、なにかが足りない。そう感じた映画でした。そのなにかがいまだにわからないのですが、なにかが足りないのです。ひとりの人間の考えでこだわってほかの人の意見をとりいれずにできあがっているのか、あるいは、逆に、おおぜいの人間のアイデアを取り入れすぎて、まとまりがとれなくなっているのか、どちらかなのです。バランスがとれていないのだと感じるのです。
 得をしたなと思うのは、主人公染谷俊太郎役の成田凌さん、相方の栗原梅子役の黒島結菜(くろしま・ゆいな)さんの声当てはさすがでした。おふたりとも声がきれいです。

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