2019年11月08日
生きる どんなにひどい世界でも 茂木健一郎 長谷川博一
生きる どんなにひどい世界でも 茂木健一郎 長谷川博一 主婦と生活社
いい本に出会えたようです。まだ、55ページまでしか読んでいませんが、今年読んで良かった1冊です。おふたりの水準の高い会話が続きます。
おふたりのコメントと対談の記述となっています。
「憎い」という気持ちはどこからくるのか。
生まれながらに勉強ができる子どもがいる。それほど勉強をしなくてもいい成績がとれてしまう子どもがいる。それが、茂木さん自身だったそうです。そして、そのことで悩まれたそうです。生きづらかったそうです。凡人から見ればうらやましいのに。そいう自分がこの世界にいると受け入れるところからお話がスタートします。
感情をコントロールしましょうというメッセージにとれます。「知性によって感情が作られる」と表現されています。
こうしなさいとか、生きていなさいとか、能動的(他へ働きかける)なメッセージはありません。自殺願望がある人には、「生きていてほしい」と願う。そのときから、5年後、10年後たったときに、「生きていてよかった」と思えるから。
気の持ちようがあります。人には2種類の対応のしかたがあって、ポジティブ(良い方向に考える)とネガティブ(悪い方向に考える)がある。ポジティブをめざす。「見方を変えることで全く違う世界が見えてくる」とあります。
「不幸せ」とともだちになる。ともだちになれる。
自分の心身は、他人の心身ではないわけですから、「自分」が主体的になって努力するしかありません。
読んでいて、人間の基礎は、『愛』であることがわかります。愛されること、愛すること、このふたつがないと人間は生きづらい。
(つづく)
日本は、「これが望ましい」という基準が高い。たしかに、標準化を求められます。日本では、よくわからない基準に合わせるための努力をして、個人の個性を薄めていくことが望ましいとされているということを、良くないという意味で表現されています。
茂木さんの自分は小学生時代に教室内をうろうろする児童だったという話には驚きました。おとなになって、講演会をするときもTシャツで行ってしまう。関係者にこれから着替えると思われるが着替えることは思いつかなかったそうです。場に応じた洋服に考えが及ばないそうです。
おもしろい内容の本です。
俳優トム・クルーズ、映画監督スティーブン・スピルバーグさんは、学習障害があって、文字の読み書きに困難があるそうです。だから、ほかの方法で努力されるそうです。
全体的に、日本は生きづらい国である。
(つづく)
読み終えました。
読み進むにつれて、最初のほうの感激は薄らいでいきました。学者さん同士の会話です。専門的、凡人には、非日常的で意味がとれなくなります。
なんでもフリーにすると、法人組織での活動は立ちいかなくなります。一芸に秀でた個人事業主になるか、深く学問を追求していく学者になるかなどしないと食べてゆけません。
集団行動ができない人の許容と肯定は立場によってはむずかしい。
その方面の知識がないので実感が湧きませんが、日本ではアニメのことが重要だそうです。
173ページ付近にある広島長崎投下の原爆をつくるきっかけになってしまったというアインシュタインの言動にはショックを受けました。(ここから人間はだれでも弱いという話になっていきます)
205ページにある長谷川博一さんの体験話は胸にじんときました。自殺防止のメッセージです。死んじゃいけない。未来がどうなるのかを決めつけてはいけない。未来がどうなるのかはだれにもわからない。
今のままでいい。しぶとく生きる。
調べた単語などとして、「能天気:のんき、安直、軽薄」、「脳のリソース:資源」、「プリンシプル:原理、原則」、「リテラシー:読み書き能力」、「モノローグ:ひとりで言うセリフ」、「メッセージ・イン・ザ・ボトル:?」、「快が区別できなくなる:かい。?」、「虚無:きょむ。物事の意味を感じることができないむなしい感情」
印象に残った言葉の趣旨などとして、「犯罪者、虐待の加害者の背後には、重大な過去がある。結果を断罪するだけでは未来でも再び同じことが起こる」、「池田小学校事件の犯人は親の愛情に飢えていた過去があった」、「脳の仕組みとして、『自由意志』というものはない。物理的なプロセスがあるだけ」、「それぞれの人生に大変さがあって、それぞれが努力しながら生きている」、「現実の自分を否定しない。ありのままの自分を受け入れる」、「しつけはしなくてもいい(虐待は生まれない)」、「子どもの人生は子どもが歩む。親の過干渉はだめ」、「ものを言わない多数派は見えにくい」、「幼いころに受けてきた傷が原因で犯罪という形で人に刃を向ける」、「こう生きるべきと抑圧されて育つ」、「言い返すことができないで、負の心性(しんしょう。心の本性)が蓄積されている」、「子どもたちに昔のような逃げ場がない」、「潜在的に(犯行の)準備性を備えた人たちが増えている」、「まず感情があって、次に理屈が感情を追いかけていく」、「利潤の追求、成果主義が最優先の社会で、人間の心にひずみが生まれる」、「多数派が正義という錯覚」、「なんのためにちゃんとしているのか。ちゃんとしようとすると心の歪み(ひずみ)がたまる」、「ゲーム依存はだめで、将棋依存はいいという境界はなにか」、「教科書丸暗記の教育だから自分の意見をわかりやすく説明できない人になる」、「学歴をあげても人生が成功するとは限らない」、「心的外傷(トラウマ)」、「脳はいつだってやりなおせる」、「社会のための人間ではなく、人間のための社会をつくる」
いい本に出会えたようです。まだ、55ページまでしか読んでいませんが、今年読んで良かった1冊です。おふたりの水準の高い会話が続きます。
おふたりのコメントと対談の記述となっています。
「憎い」という気持ちはどこからくるのか。
生まれながらに勉強ができる子どもがいる。それほど勉強をしなくてもいい成績がとれてしまう子どもがいる。それが、茂木さん自身だったそうです。そして、そのことで悩まれたそうです。生きづらかったそうです。凡人から見ればうらやましいのに。そいう自分がこの世界にいると受け入れるところからお話がスタートします。
感情をコントロールしましょうというメッセージにとれます。「知性によって感情が作られる」と表現されています。
こうしなさいとか、生きていなさいとか、能動的(他へ働きかける)なメッセージはありません。自殺願望がある人には、「生きていてほしい」と願う。そのときから、5年後、10年後たったときに、「生きていてよかった」と思えるから。
気の持ちようがあります。人には2種類の対応のしかたがあって、ポジティブ(良い方向に考える)とネガティブ(悪い方向に考える)がある。ポジティブをめざす。「見方を変えることで全く違う世界が見えてくる」とあります。
「不幸せ」とともだちになる。ともだちになれる。
自分の心身は、他人の心身ではないわけですから、「自分」が主体的になって努力するしかありません。
読んでいて、人間の基礎は、『愛』であることがわかります。愛されること、愛すること、このふたつがないと人間は生きづらい。
(つづく)
日本は、「これが望ましい」という基準が高い。たしかに、標準化を求められます。日本では、よくわからない基準に合わせるための努力をして、個人の個性を薄めていくことが望ましいとされているということを、良くないという意味で表現されています。
茂木さんの自分は小学生時代に教室内をうろうろする児童だったという話には驚きました。おとなになって、講演会をするときもTシャツで行ってしまう。関係者にこれから着替えると思われるが着替えることは思いつかなかったそうです。場に応じた洋服に考えが及ばないそうです。
おもしろい内容の本です。
俳優トム・クルーズ、映画監督スティーブン・スピルバーグさんは、学習障害があって、文字の読み書きに困難があるそうです。だから、ほかの方法で努力されるそうです。
全体的に、日本は生きづらい国である。
(つづく)
読み終えました。
読み進むにつれて、最初のほうの感激は薄らいでいきました。学者さん同士の会話です。専門的、凡人には、非日常的で意味がとれなくなります。
なんでもフリーにすると、法人組織での活動は立ちいかなくなります。一芸に秀でた個人事業主になるか、深く学問を追求していく学者になるかなどしないと食べてゆけません。
集団行動ができない人の許容と肯定は立場によってはむずかしい。
その方面の知識がないので実感が湧きませんが、日本ではアニメのことが重要だそうです。
173ページ付近にある広島長崎投下の原爆をつくるきっかけになってしまったというアインシュタインの言動にはショックを受けました。(ここから人間はだれでも弱いという話になっていきます)
205ページにある長谷川博一さんの体験話は胸にじんときました。自殺防止のメッセージです。死んじゃいけない。未来がどうなるのかを決めつけてはいけない。未来がどうなるのかはだれにもわからない。
今のままでいい。しぶとく生きる。
調べた単語などとして、「能天気:のんき、安直、軽薄」、「脳のリソース:資源」、「プリンシプル:原理、原則」、「リテラシー:読み書き能力」、「モノローグ:ひとりで言うセリフ」、「メッセージ・イン・ザ・ボトル:?」、「快が区別できなくなる:かい。?」、「虚無:きょむ。物事の意味を感じることができないむなしい感情」
印象に残った言葉の趣旨などとして、「犯罪者、虐待の加害者の背後には、重大な過去がある。結果を断罪するだけでは未来でも再び同じことが起こる」、「池田小学校事件の犯人は親の愛情に飢えていた過去があった」、「脳の仕組みとして、『自由意志』というものはない。物理的なプロセスがあるだけ」、「それぞれの人生に大変さがあって、それぞれが努力しながら生きている」、「現実の自分を否定しない。ありのままの自分を受け入れる」、「しつけはしなくてもいい(虐待は生まれない)」、「子どもの人生は子どもが歩む。親の過干渉はだめ」、「ものを言わない多数派は見えにくい」、「幼いころに受けてきた傷が原因で犯罪という形で人に刃を向ける」、「こう生きるべきと抑圧されて育つ」、「言い返すことができないで、負の心性(しんしょう。心の本性)が蓄積されている」、「子どもたちに昔のような逃げ場がない」、「潜在的に(犯行の)準備性を備えた人たちが増えている」、「まず感情があって、次に理屈が感情を追いかけていく」、「利潤の追求、成果主義が最優先の社会で、人間の心にひずみが生まれる」、「多数派が正義という錯覚」、「なんのためにちゃんとしているのか。ちゃんとしようとすると心の歪み(ひずみ)がたまる」、「ゲーム依存はだめで、将棋依存はいいという境界はなにか」、「教科書丸暗記の教育だから自分の意見をわかりやすく説明できない人になる」、「学歴をあげても人生が成功するとは限らない」、「心的外傷(トラウマ)」、「脳はいつだってやりなおせる」、「社会のための人間ではなく、人間のための社会をつくる」
この記事へのトラックバックURL
http://kumataro.mediacat-blog.jp/t136836
※このエントリーではブログ管理者の設定により、ブログ管理者に承認されるまでコメントは反映されません