2019年10月16日

タンポポの金メダル 山本早苗

タンポポの金メダル 山本早苗 BL出版

 子どもさん向けの絵本です。
 発想がいい。今年読んで良かった1冊になりました。
 山奥のバス停です。バスの絵は、思い出のなかにある古い型のバスのようでもあり、現代の過疎化した地域のバスのようでもあります。
 道をはさんだバス停同士が会話をするのです。そのような発想は初めてです。新鮮でした。バス停1本がしゃべることなら発想できますが、バス停2本が会話することは、なかなか発想できません。そこのところが重要なポイントです。
 絵を見ながら、路線バスをつないで目的地を目指す「路線バスの旅番組」を思い出しました。
 『このバス停はふたごでした』その部分がなかなかいい。名前も『ノボル』と『クダル』で、シンプルでいい。名前の由来は、こどもに読んであげるときに説明が必要でしょう。
 人に優しいバス停です。『アイコ』さんというお名前のおばあさんが登場します。
 バス停同士が思い出話に花を咲かせます。バス停に歴史ありです。
 『エイホ、オイホ』のかけ声もいい。ふたつのバス停が、なにをしているのかは、ここには書きません。
 若いバス運転手さんですが、実際には、再雇用のおじいさん運転手しかいないのでしょう。
 ハッピーエンドの発想が気持ちよかった。この絵本作品の成功は、ひとえに『アイデア』に尽きます。いいお話でした。

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