2019年09月07日

北の国から‘84夏 DVD

北の国から‘84夏 DVD

 全体的に暗い内容の仕上がりですが感動します。
 ラスト付近に家族三人が食堂でラーメンを食べるシーンがあります。いままで嘘をついていた純の告白と謝罪のシーンです。田中邦衛さんが閉店だからと、退出をせかす店員の女性を激しく𠮟りつける名シーンです。「子どもがまだ食ってる途中でしょうが!!」という名セリフが出ます。自分がまだ子どもだった頃にどんぶりものを出す食堂で、家族そろって夜に食べた同じような体験があります。食べ残しを新聞紙に包んでもらって持ち帰りました。ドラマのように、家族間でいさかいがあったわけではありませんが、似たような共通体験があるかないかで、ドラマを見ながらの感動も濃淡があるのでしょう。
 男と女のくっつく、別れるの複雑なからみあいの話と、嘘つき(どうしても自分の身を守るために正直になれない)、だます、だまされるの話が今回のドラマにおける2本の柱です。
 みんなが暮らす丸太小屋の火災原因は純にありますが、あいかわらず純は、ずるい人間の設定です。正吉が純をかばって自分が犯人になります。そして、いろいろあって、正吉は富良野から排除されます。
 パソコンの話が出ます。東京の生意気な子どもが、未来は、あらゆることがパソコンでできる時代になると言います。パソコンでかぼちゃをつくってみろ!と反発する富良野のこどもたちです。パソコン以前に、家には電気がきていないんだ!には笑いました。
 竹下景子さんも岩城滉一さんも若い。
 正吉と純のかけあいは、洋画「スタンドバイミー」を観るようです。
 蛍ちゃん、大きくなりました。蛍ちゃんはいつも川岸で電車に乗っている親しい人を見送る役です。病気で亡くなったお母さんを見送りました。今回は、離婚した不倫相手と結婚する叔母さんを見送りました。旅立つ人よりも見送る人のほうが悲しみが深いと思います。
 竹下景子さんを失った岩城滉一さんのセリフがよかった。趣旨として、「おらの完敗だ。しつこく長くひとりの人間を好きでいつづけるのが、本当の恋だ」
 最後近く、けんかをして、互いに口をきかなくなった正吉と純です。しゃべれるうちにしゃべっておく。後悔しないようにしゃべっておく。聞いてくれていなくてもしゃべっておく。勝手にぶつぶつひとりごとのようにしゃべっておく。相手の耳にはきっと届いている。

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