2019年08月15日
おしん 少女時代 DVD1巻~4巻
おしん 少女時代 DVD1巻~4巻 1983年 昭和58年
有名なドラマですが、放映時間中は、働いていたので見たことはありません。いまさらですが、初めて見ます。
第1巻
「おしん」という名前の人だと思っていたら違っていました。「しん」でした。田倉しん(たのくら・しん)83才から映像はスタートします。山形県最上川上流にある寒村の生まれ育ちを回顧します。
嫁姑のごたごたした力争いがあるようです。スーパー田倉の躍進の影に地元商店街の閉店不満もあるようです。さらに、大規模スーパーマーケットの進出がからんでいるようです。
あれやこれやで、田倉家は、ドラマのなかの現代である昭和58年も明治33年の昔も大所帯です。
ちょっと予想とは違っていました。最初は、満6歳の子ども時代だけで、子役さんだけの登場だと思っていました。ドラマのなかで、昭和58年と明治40年がいったりきたりします。
銀山温泉のさらに山奥にある故郷を訪れます。雪に埋もれて、ボロボロのあばら家になっている家がおしんの生まれ育った家です。
昭和58年の電話機はダイヤル式で黒電話です。
内容が、理屈っぽい。
明治時代のほうは、貧乏なのに子だくさんです。子どもは労働力の時代です。描かれている奉公は、今の時代から見れば、児童虐待だし、人間扱いされていないし、学校教育の権利を奪っています。半世紀ぐらい前は、読み書きができない人は表立ってはわかりませんでしたが、そこそこいた記憶です。
おしんの気持ちの強い反発が涙につながります。
ドラマなので、話をつくってあると思うのですが、学校に行きたいというおしんの希望はかなえてあげたい
おしんの父親役の伊東四朗さんが若い。娘を売りに出したので憎まれ役、悪者役です。
山形名物の「こけし」が83歳のおしんが家出をしたときの伏線になります。
このドラマが放映されてから30年以上が経過しました。地域によりけりですが、三世代家族、四世代家族は減りました。おじいさん、おばあさんとの触れ合いがないままおとなになる人も増えました。高齢者が増えた今、高齢者サービスの提供をする若い人たちが老人とのふれあい不足で、うまく仕事をやれない部分もあるのだろうと観ながら思ったりしたのでした。
調べた単語などとして、「むつこい:山形弁でかわいそう」、「口入れ屋:奉公人のあっせん業」、「ごしゃがれる:方言。しかられる」、「めらし:女、おなご」、(このあと肝心なところで方言のセリフが出るのですが、聴いていて意味をとれませんでした。方言使用は逆効果ではないか)、「もっけでがんす:ありがとうございます」、「じょっさねなっし:なんてことない、簡単」、「ぼんぼ:あかんぼう」、「ほんてん:どうして、なぜ」、「大根飯:だいこんめし。米と大根を同量ずついれて炊く」
あんなに奉公人をいじめたら、奉公人がメンタル病になってしまう。病気になった奉公人はどうなったのだろう。違約金支払って実家へ戻しなのでしょう。
第2巻
数え7歳で奉公先のあかちゃんを背中におぶって小学校へ登校です。奉公先のあかちゃんの母親がどうして乳飲み子のめんどうをみないのかが不思議でした。それでも、理解ある教師のおかげで登校できて良かったと思いつつ、教室であかちゃんのめんどうをみることは無理ではないかと心配していたら予想どおり他の児童から迷惑だと抗議がありました。
奉公先の材木店奉公人女性おつねさんが厳しい。ただ、彼女自身もそう教育されたのでしょう。
おしんは、よく働きます。かぞえ7歳とは思えません。気も強い。ドラマ北の国からの黒板蛍ちゃんのイメージでいましたが、ぜんぜん違います。
おしんを突き放す人がいれば、拾う人がいます。男優先、女は卑下、長男優先、次男以下は追い出し、いろいろと不平等な社会制度です。
せんべつに祖母からもらった50銭銀貨はいずれもめるもとになると思っていましたが、予想どおりそうなりました。ただし、おしんが奉公先を勝手に出てしまうことは予想できませんでした。人から人へと渡り歩きながら成長するロードムービー方式だろうか。
おしんを助けた中村雅俊さんは憲兵に撃ち殺されてしまいました。
古いものの考え方から脱却することは大変です。いくら反対してもがんこに拒否されますが、たいていは、やがて、新しい考え方に変わって、古い考え方は過去のことになります。時勢にはだれもさからえません。
ドラマとしては、悪役をどう描くのか(父親、おつねさん)で、内容が引き締まります。
第3巻
つくり話なのでおおげさなところもあります。誇張のため、観る人によって、好き嫌いの評価が分かれるような気がします。
時代錯誤的な部分、児童虐待とおもえるほどのいたぶり、あまりにも悲惨で目をそむけたくなるシーンもあります。
昔の人は教育に関心が薄かった。目の前の日銭をどれだけ稼げるかが主目的の日々を送っていた。いちにもににも、「カネ・カネ・カネ」です。こどもを上級の学校へ通わせることはむだなこと、とくに女子の教育には反対だった。
ブラジル移民の話が出ます。移民すれば幸せに暮らせると主張する伊東四朗さんはこの当時よくこの役を引き受けたと思います。移民は過酷だったと思います。船でブラジルに行くまでにおおぜいが亡くなったと本で読んだことがあります。役柄とはいえ役者個人のイメージが悪く思われるのではないかと心配になります。このあと出てくる米問屋の自分の娘を甘やかすばか夫婦の役者さんも好演です。
米問屋のおかみさんのセリフ、「(おしんを)いたわってやれ」の温情に胸が熱くなります。
おしんは、まっすぐな性格設定で気持ちがいい。
「こけし」が伏線です。身代わりこけし。こけしを母ちゃんだと思え。
おしん役の子役さんは上手です。
昔の食生活がよくわかります。
第4巻
最底辺の生活を体験したおしんが、奉公先で、最上級クラスの生活を体験します。おしんにとっては、驚きの連続です。身分差別があります。教育を受けることの不平等があります。男女差別があります。奉公先の同い年の跡取り娘と学力競争です。
おしんのど根性には感心しました。
対立する相手との共生があり、そこには、仕返しという言葉や行為はありません。
少女時代全体を通して、昔は確かにあったけれど、今の日本人に欠けている心持ちが表現されていたと感じました。なにもかもがマニュアル化されてしまいました。
むかしむかしは、「あきらめるしかない生活」がありました。
*少女時代だけを見終わったところですが、理屈で物語を考える訓練になる作品だと受けとめました。登場人物のみなさんが、自分の思っていることをしっかり話されます。現実にはなかなかそういうことはありません。
(その後)
イラン人女性が書いた本を読みました。おしんは、イランでも放映されていた人気ドラマで、子どもの頃におしんを観て、ふき替えなので、日本人がアラビア語をしゃっべいて、日本人はアラビア語をしゃべれると誤解していたそうです。また、アニメの「みつばちハッチ」を見て、日本のハチはしゃべるんだと思っていたそうです。
有名なドラマですが、放映時間中は、働いていたので見たことはありません。いまさらですが、初めて見ます。
第1巻
「おしん」という名前の人だと思っていたら違っていました。「しん」でした。田倉しん(たのくら・しん)83才から映像はスタートします。山形県最上川上流にある寒村の生まれ育ちを回顧します。
嫁姑のごたごたした力争いがあるようです。スーパー田倉の躍進の影に地元商店街の閉店不満もあるようです。さらに、大規模スーパーマーケットの進出がからんでいるようです。
あれやこれやで、田倉家は、ドラマのなかの現代である昭和58年も明治33年の昔も大所帯です。
ちょっと予想とは違っていました。最初は、満6歳の子ども時代だけで、子役さんだけの登場だと思っていました。ドラマのなかで、昭和58年と明治40年がいったりきたりします。
銀山温泉のさらに山奥にある故郷を訪れます。雪に埋もれて、ボロボロのあばら家になっている家がおしんの生まれ育った家です。
昭和58年の電話機はダイヤル式で黒電話です。
内容が、理屈っぽい。
明治時代のほうは、貧乏なのに子だくさんです。子どもは労働力の時代です。描かれている奉公は、今の時代から見れば、児童虐待だし、人間扱いされていないし、学校教育の権利を奪っています。半世紀ぐらい前は、読み書きができない人は表立ってはわかりませんでしたが、そこそこいた記憶です。
おしんの気持ちの強い反発が涙につながります。
ドラマなので、話をつくってあると思うのですが、学校に行きたいというおしんの希望はかなえてあげたい
おしんの父親役の伊東四朗さんが若い。娘を売りに出したので憎まれ役、悪者役です。
山形名物の「こけし」が83歳のおしんが家出をしたときの伏線になります。
このドラマが放映されてから30年以上が経過しました。地域によりけりですが、三世代家族、四世代家族は減りました。おじいさん、おばあさんとの触れ合いがないままおとなになる人も増えました。高齢者が増えた今、高齢者サービスの提供をする若い人たちが老人とのふれあい不足で、うまく仕事をやれない部分もあるのだろうと観ながら思ったりしたのでした。
調べた単語などとして、「むつこい:山形弁でかわいそう」、「口入れ屋:奉公人のあっせん業」、「ごしゃがれる:方言。しかられる」、「めらし:女、おなご」、(このあと肝心なところで方言のセリフが出るのですが、聴いていて意味をとれませんでした。方言使用は逆効果ではないか)、「もっけでがんす:ありがとうございます」、「じょっさねなっし:なんてことない、簡単」、「ぼんぼ:あかんぼう」、「ほんてん:どうして、なぜ」、「大根飯:だいこんめし。米と大根を同量ずついれて炊く」
あんなに奉公人をいじめたら、奉公人がメンタル病になってしまう。病気になった奉公人はどうなったのだろう。違約金支払って実家へ戻しなのでしょう。
第2巻
数え7歳で奉公先のあかちゃんを背中におぶって小学校へ登校です。奉公先のあかちゃんの母親がどうして乳飲み子のめんどうをみないのかが不思議でした。それでも、理解ある教師のおかげで登校できて良かったと思いつつ、教室であかちゃんのめんどうをみることは無理ではないかと心配していたら予想どおり他の児童から迷惑だと抗議がありました。
奉公先の材木店奉公人女性おつねさんが厳しい。ただ、彼女自身もそう教育されたのでしょう。
おしんは、よく働きます。かぞえ7歳とは思えません。気も強い。ドラマ北の国からの黒板蛍ちゃんのイメージでいましたが、ぜんぜん違います。
おしんを突き放す人がいれば、拾う人がいます。男優先、女は卑下、長男優先、次男以下は追い出し、いろいろと不平等な社会制度です。
せんべつに祖母からもらった50銭銀貨はいずれもめるもとになると思っていましたが、予想どおりそうなりました。ただし、おしんが奉公先を勝手に出てしまうことは予想できませんでした。人から人へと渡り歩きながら成長するロードムービー方式だろうか。
おしんを助けた中村雅俊さんは憲兵に撃ち殺されてしまいました。
古いものの考え方から脱却することは大変です。いくら反対してもがんこに拒否されますが、たいていは、やがて、新しい考え方に変わって、古い考え方は過去のことになります。時勢にはだれもさからえません。
ドラマとしては、悪役をどう描くのか(父親、おつねさん)で、内容が引き締まります。
第3巻
つくり話なのでおおげさなところもあります。誇張のため、観る人によって、好き嫌いの評価が分かれるような気がします。
時代錯誤的な部分、児童虐待とおもえるほどのいたぶり、あまりにも悲惨で目をそむけたくなるシーンもあります。
昔の人は教育に関心が薄かった。目の前の日銭をどれだけ稼げるかが主目的の日々を送っていた。いちにもににも、「カネ・カネ・カネ」です。こどもを上級の学校へ通わせることはむだなこと、とくに女子の教育には反対だった。
ブラジル移民の話が出ます。移民すれば幸せに暮らせると主張する伊東四朗さんはこの当時よくこの役を引き受けたと思います。移民は過酷だったと思います。船でブラジルに行くまでにおおぜいが亡くなったと本で読んだことがあります。役柄とはいえ役者個人のイメージが悪く思われるのではないかと心配になります。このあと出てくる米問屋の自分の娘を甘やかすばか夫婦の役者さんも好演です。
米問屋のおかみさんのセリフ、「(おしんを)いたわってやれ」の温情に胸が熱くなります。
おしんは、まっすぐな性格設定で気持ちがいい。
「こけし」が伏線です。身代わりこけし。こけしを母ちゃんだと思え。
おしん役の子役さんは上手です。
昔の食生活がよくわかります。
第4巻
最底辺の生活を体験したおしんが、奉公先で、最上級クラスの生活を体験します。おしんにとっては、驚きの連続です。身分差別があります。教育を受けることの不平等があります。男女差別があります。奉公先の同い年の跡取り娘と学力競争です。
おしんのど根性には感心しました。
対立する相手との共生があり、そこには、仕返しという言葉や行為はありません。
少女時代全体を通して、昔は確かにあったけれど、今の日本人に欠けている心持ちが表現されていたと感じました。なにもかもがマニュアル化されてしまいました。
むかしむかしは、「あきらめるしかない生活」がありました。
*少女時代だけを見終わったところですが、理屈で物語を考える訓練になる作品だと受けとめました。登場人物のみなさんが、自分の思っていることをしっかり話されます。現実にはなかなかそういうことはありません。
(その後)
イラン人女性が書いた本を読みました。おしんは、イランでも放映されていた人気ドラマで、子どもの頃におしんを観て、ふき替えなので、日本人がアラビア語をしゃっべいて、日本人はアラビア語をしゃべれると誤解していたそうです。また、アニメの「みつばちハッチ」を見て、日本のハチはしゃべるんだと思っていたそうです。
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