2019年07月30日

しょうぼうじどうしゃじぷた 渡辺茂男

しょうぼうじどうしゃじぷた 渡辺茂男 福音館書店

 「じぷた」ってどういう意味だろう。古い絵本です。1960年代からのロングセラーです。
 消防署においてある車にニックネームがついています。
 はしごしゃは、「のっぽくん」
 こうあつしゃは、「ぱんぷくん」、きっとポンプ車から名づけの由来がきているのでしょう。
 きゅうきゅうしゃが、「いちもくさん」です。おもしろい。
 「じぷた」はきっと、ジープからきているのだろうとあたりをつけました。
 絵では、火の見やぐらが懐かしい。
 車を擬人化してあります。
 くるまの形式は古いけれど愛着が生まれるスタイルと色合いです。
 救急車はボンネットバスのイメージです。
 自慢話、自信に満ちている。心の支え、自尊心、そんな会話が、じぷた以外の車で広がります。いっぽう「じぷた」は劣等感をもっています。お呼びでない。小さい。あしでまとい。
 12ページに、ジープを改造した「じぷた」と出てきます。やっぱり。
 擬人化ですから、じぷたは、人間界では、目立たない、役に立たない、そんな立場の人です。アンデルセン童話の原点を思わせてくれます。最後は逆転劇があるはずです。
 22ページに、じぷたのかっこいい見せ場が登場します。
 山小屋の家事だけではなく、山火事を防ぎました。火災の原因はタバコです。健康を害するし、火事を起こすタバコを吸うのはやめましょうとこどもに伝える目的もあります。
 見た目ではない、大小ではない。人間も同じ。そういうことをこどもたちに教える絵本です。

(その後)
 3歳になるぐらいのこどもに読み聞かせをしましたが、ぴんときていないようすでした。

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