2019年07月14日
子ぶたのトリュフ
子ぶたのトリュフ ヘレン・ピータース 2019課題図書 さ・え・ら書房
タイトルを聞いて、世界三大珍味のひとつ、「トリュフ」を思い浮かべます。たしか、ぶたが、土のなかから探し当てるのが、「トリュフ」でした。トリュフはきのこです。三大珍味はほかに、キャビア(チョウザメの卵)とフォアグラ(ガチョウの肝臓)です。本作品と珍味のトリュフが関係あるかどうかは、これから読んで確認します。(このことについては、113ページに記事が出てきました。ぶたは鼻がよく、においに敏感で、地下2mにあるもののにおいがわかるそうです。本書中では、「捜査ぶた」にしようという提案があります)
59ページまで読んだところで感想を書き始めてみます。
舞台は書いてありませんが、おそらく作者のいる土地、イギリスでしょう。農場です。
主人公は、ジャスミン(愛称ジャス)という女の子で10歳ぐらいに思えます。彼女のお母さんがナディアで、家畜の獣医です。(牛の出産を担当する)、お父さんはマイケルという名前で、農場経営者です。羊を飼っています。弟がマヌで5歳、5歳ですが、小学1年生となっています。イギリスはそうなのかも。マヌの親友がベン。ベンの姉が、アルフィーとノア。かれらの父親がお隣に住むカーターさん。ジャスミンの姉がエラ、カーターさんの農場で、子ぶたが産まれました。最初は、11匹と言っていましたが、死にかけの12匹目をジャスミンが発見して、自分ひとりで育てようとします。
消毒液で長靴を洗うシーンでのセリフ「農場から農場に病原菌をまき散らさないように」では、今年問題になった岐阜県、愛知県、最近では三重県の豚コレラ(とんこれら)の感染を思い出しました。畜産業もたいへんです。
16ページにある母親ぶたと11匹の産まれたばかりの子ぶたの絵がかわいい。
ジャスミンが、12匹目の子ぶたを「トリュフ」と名付けて育てようとします。トリュフはもう死にそうなのです。「判官びいき」という言葉を思い出しました。弱い者にひいきする。はんがんびいき、ほうがんびいき」情に流されるのはときに危険なときがあります。善意を悪用する人がいるからです。
トリュフの性別はまだわかりませんが、ジャスミンは、女の子だと思っています。
農場にいるぶたは、人間が食べるために育てられている食用のための家畜ぶたです。商業用の生き物です。食べる生き物には名前を付けません。お別れがつらくなるからです。
ジャスミンは、母性本能が強い。
ジャスミンは、こそこそかくれて子ぶたの世話をしなくてもいいのに。まあ、周囲のおとなたちが死にそうなぶたは、ほおっておけばいい(死んでもかまわない)と言ったからしかたがないのでしょう。(これについては、77ページで、隠さなくてもよかったということがわかります)
子育ては根気がいります。
ジャスミンは、子ぶたをオーブンに入れて温めようとするのですが、それでは、ほんとうの焼き豚になってしまうので読んでいて心配しました。湯たんぽを使うことになってよかった。
(つづく)
トリュフを飼育するのは乳離れするまでという条件を父親から付けられます。母親が父親は、「あまくなった」と評価します。読み手であるわたしは、いったんペットにしたら、なかなかお肉になる家畜へは戻しにくくなると心配です。
「命」について考える物語です。
106ページ、ネコ二匹に囲まれて眠るちいさなぶたのあかちゃんがかわいい。このお話の山場のひとつでしょう。(山場:見せ所)ほんとうは、こぶたのあかちゃんは、ネコに食べられるとジャスミンは心配しました。
こぶたは小さいからかわいい。でも、成長するとものすごく大きくなります。上野動物園で見たパンのシャンシャンを思い出しました。
ジャスミンの将来への夢があります。「動物救急センター」をつくる。食用動物を販売する牧場経営者の娘が動物の命を救うというのは違和感がありますが、まあ、物語です。
モルモットの習性が出てきます。食べ物の取り合いはしない。横取りされても気にしない。それから、単数での飼育は避ける。その理由は、集団で暮らす動物だから。
事件発生。友人のトムから預かったモルモットのスノーウィとその弟モルモットのテイグレットが行方不明になりました。におい探偵のこぶたのトリュフが活躍するときが来ました。そういう展開へもっていったか。
生き物を人から預かるときに発生する「責任」について書いてあります。
ジャスミンが、トリュフに、「初仕事よ!」と声をかけます。
雪が降るクリスマスを迎えます。
196ページの雪景色の記述はまるで、目の前に雪が降る景色が見えるようです。さし絵も美しい。
ハッピーエンドでよかった。
気に入った表現などとして、ジャスミンの姉エラが、うわの空で「ん」とこたえた。
それから、ジャスミンが死にそうな子ぶたの世話をしたいとカーターさんにはっきり申し出るシーン。自分の考えを言葉で相手に伝えることは、お互いがお互いを理解し合うために大事なことです。読んでいるうちに最近の冷え切った日韓関係を思い出しました。組織の上層部だけのことにしてほしい。
「お願い、死なないでね、トリュフ」
子ブタの目はほんとうにきれい。
「バイオレント・ベビーごっこ:こどもたちがあかちゃんになってバトルする」
人さらいではなくて、ぶたさらい。
親豚はときどきこぶたを食べることがある。(ほかの人に食べられるくらいなら自分が食べて守ってあげるという愛情なのだろうか)
調べた言葉などとして、「クランブルケーキ:小麦粉、砂糖、バター。ぽろぽろの状態のもの」、「ウェルシュケーキ:イギリスウェールズ地方の伝統菓子。丸いビスケット形」、「適者生存:生存競争。環境に最も適したものが生き残って子孫を残す」、「(犬の種類)スパニエル:鳥獣犬だが、ペットが多い。胴長短足」、「においをかぎとるレセプター:細胞に存在する物質」、「ミンスパイ:ドライフルーツからつくったパイ。クリスマスに食べる」、「サンザシ:赤い実をつける中国産の落葉低木」、「ナラ:落葉広葉樹の総称」
タイトルを聞いて、世界三大珍味のひとつ、「トリュフ」を思い浮かべます。たしか、ぶたが、土のなかから探し当てるのが、「トリュフ」でした。トリュフはきのこです。三大珍味はほかに、キャビア(チョウザメの卵)とフォアグラ(ガチョウの肝臓)です。本作品と珍味のトリュフが関係あるかどうかは、これから読んで確認します。(このことについては、113ページに記事が出てきました。ぶたは鼻がよく、においに敏感で、地下2mにあるもののにおいがわかるそうです。本書中では、「捜査ぶた」にしようという提案があります)
59ページまで読んだところで感想を書き始めてみます。
舞台は書いてありませんが、おそらく作者のいる土地、イギリスでしょう。農場です。
主人公は、ジャスミン(愛称ジャス)という女の子で10歳ぐらいに思えます。彼女のお母さんがナディアで、家畜の獣医です。(牛の出産を担当する)、お父さんはマイケルという名前で、農場経営者です。羊を飼っています。弟がマヌで5歳、5歳ですが、小学1年生となっています。イギリスはそうなのかも。マヌの親友がベン。ベンの姉が、アルフィーとノア。かれらの父親がお隣に住むカーターさん。ジャスミンの姉がエラ、カーターさんの農場で、子ぶたが産まれました。最初は、11匹と言っていましたが、死にかけの12匹目をジャスミンが発見して、自分ひとりで育てようとします。
消毒液で長靴を洗うシーンでのセリフ「農場から農場に病原菌をまき散らさないように」では、今年問題になった岐阜県、愛知県、最近では三重県の豚コレラ(とんこれら)の感染を思い出しました。畜産業もたいへんです。
16ページにある母親ぶたと11匹の産まれたばかりの子ぶたの絵がかわいい。
ジャスミンが、12匹目の子ぶたを「トリュフ」と名付けて育てようとします。トリュフはもう死にそうなのです。「判官びいき」という言葉を思い出しました。弱い者にひいきする。はんがんびいき、ほうがんびいき」情に流されるのはときに危険なときがあります。善意を悪用する人がいるからです。
トリュフの性別はまだわかりませんが、ジャスミンは、女の子だと思っています。
農場にいるぶたは、人間が食べるために育てられている食用のための家畜ぶたです。商業用の生き物です。食べる生き物には名前を付けません。お別れがつらくなるからです。
ジャスミンは、母性本能が強い。
ジャスミンは、こそこそかくれて子ぶたの世話をしなくてもいいのに。まあ、周囲のおとなたちが死にそうなぶたは、ほおっておけばいい(死んでもかまわない)と言ったからしかたがないのでしょう。(これについては、77ページで、隠さなくてもよかったということがわかります)
子育ては根気がいります。
ジャスミンは、子ぶたをオーブンに入れて温めようとするのですが、それでは、ほんとうの焼き豚になってしまうので読んでいて心配しました。湯たんぽを使うことになってよかった。
(つづく)
トリュフを飼育するのは乳離れするまでという条件を父親から付けられます。母親が父親は、「あまくなった」と評価します。読み手であるわたしは、いったんペットにしたら、なかなかお肉になる家畜へは戻しにくくなると心配です。
「命」について考える物語です。
106ページ、ネコ二匹に囲まれて眠るちいさなぶたのあかちゃんがかわいい。このお話の山場のひとつでしょう。(山場:見せ所)ほんとうは、こぶたのあかちゃんは、ネコに食べられるとジャスミンは心配しました。
こぶたは小さいからかわいい。でも、成長するとものすごく大きくなります。上野動物園で見たパンのシャンシャンを思い出しました。
ジャスミンの将来への夢があります。「動物救急センター」をつくる。食用動物を販売する牧場経営者の娘が動物の命を救うというのは違和感がありますが、まあ、物語です。
モルモットの習性が出てきます。食べ物の取り合いはしない。横取りされても気にしない。それから、単数での飼育は避ける。その理由は、集団で暮らす動物だから。
事件発生。友人のトムから預かったモルモットのスノーウィとその弟モルモットのテイグレットが行方不明になりました。におい探偵のこぶたのトリュフが活躍するときが来ました。そういう展開へもっていったか。
生き物を人から預かるときに発生する「責任」について書いてあります。
ジャスミンが、トリュフに、「初仕事よ!」と声をかけます。
雪が降るクリスマスを迎えます。
196ページの雪景色の記述はまるで、目の前に雪が降る景色が見えるようです。さし絵も美しい。
ハッピーエンドでよかった。
気に入った表現などとして、ジャスミンの姉エラが、うわの空で「ん」とこたえた。
それから、ジャスミンが死にそうな子ぶたの世話をしたいとカーターさんにはっきり申し出るシーン。自分の考えを言葉で相手に伝えることは、お互いがお互いを理解し合うために大事なことです。読んでいるうちに最近の冷え切った日韓関係を思い出しました。組織の上層部だけのことにしてほしい。
「お願い、死なないでね、トリュフ」
子ブタの目はほんとうにきれい。
「バイオレント・ベビーごっこ:こどもたちがあかちゃんになってバトルする」
人さらいではなくて、ぶたさらい。
親豚はときどきこぶたを食べることがある。(ほかの人に食べられるくらいなら自分が食べて守ってあげるという愛情なのだろうか)
調べた言葉などとして、「クランブルケーキ:小麦粉、砂糖、バター。ぽろぽろの状態のもの」、「ウェルシュケーキ:イギリスウェールズ地方の伝統菓子。丸いビスケット形」、「適者生存:生存競争。環境に最も適したものが生き残って子孫を残す」、「(犬の種類)スパニエル:鳥獣犬だが、ペットが多い。胴長短足」、「においをかぎとるレセプター:細胞に存在する物質」、「ミンスパイ:ドライフルーツからつくったパイ。クリスマスに食べる」、「サンザシ:赤い実をつける中国産の落葉低木」、「ナラ:落葉広葉樹の総称」
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