2019年06月18日
かみさまにあいたい 当原珠樹
かみさまにあいたい 当原珠樹(とうはら・たまき) 2019課題図書 ポプラ社
小学3年生、3年1組に属するふたりの少年の物語です。ひとりは、主人公の藤本雄一、3か月前におばあちゃんを亡くしています。おばあちゃんのお墓参りをしているときに出てきたのが、小松崎竜也(小柄でとがったあご、よく動く目)、学習障害がありそうな、教室ではじっとしていることができない少年です。
場所は田舎町のようで、小高い丘の上に神社があったり、自然が豊かだけれど、人をあまり見かけない場所があったりします。
88ページまで読んだところで、感想を書き始めます。
お墓参りのシーンから始まりました。最近は、お墓参りをする人が減ったような気がします。また、書中に出てくるシーンとして、野球遊びをする少年の数も減りました。全般的に家の中でゲームとか塾通いなのでしょう。
小松崎竜也が、地面にうつぶせになって、神社のおさいせん箱に入れそこなって箱から落ちたおさいせんの小銭を拾おうとします。お金は、働いて手に入れましょう。それから、そのあとに出てくる自動販売機の下をまさぐって小銭をさがすのもやめましょう。みっともないです。
小松崎竜也は、河川敷に穴を掘って、神さまとの交信を試みます。
小松崎竜也が思う神さまは女性の姿をしています。
「友情」の本だろうか。
両親共働きらしく亡くなった祖母に育てられてきたのが藤本雄一、それから、両親離婚で、母親に引き取られて、片親母子家庭で育つのが小松崎竜也です。
3年前の12月20日小松崎竜也の誕生日近くだった頃、父親が家を出て行ったそうです。
小松崎竜也の誕生日に母親は夜勤で(看護師です)、竜也は自宅のこたつの中で眠ってしまい、金縛りにあいます。そのとき、女性の姿をした神さまに会った。神さまは、小松崎竜也に言いました。「いつもそばにいてあげたい」
小松崎竜也が目が覚めるとこたつの上にカステラがありました。女の人は、ひとちぼっちの小松崎竜也をはげましにきてくれたにちがいない。小松崎竜也は今いる場所が不満で、もう天国へ行きたい。つまり、もう死んでもいいと思っています。そういうことを自暴自棄といいます。悲しい話です。ちょっと湿っぽい話です。
おばあちゃんと一緒に柔道場へ通ったことがあるのが藤本雄一です。
藤本勇一は思うところあって、「強くなりたい」、「強くて、まっすぐな男になりたい」
かみさまへのお願いとして、
藤本雄一は、「強くなれますように」
小松崎竜也は、「かみさまにあえますように」
ふたつのお願いは、これから先、どうなるのだろう。
かくれ家は、古い一戸建てで大きい。レンガの門、鉄の柵は赤くさびている。かくれ家は、小さな手づくりの小屋を予想していたので、ちょっとびっくり。関係者以外立ち入り禁止の住宅です。
鹿は神の使い。
(つづく)
かくれ家で、頭がい骨を発見(のちに人体模型と判明)
かくれ家で、ドクター佐藤ナンシーさん(父親がドイツ人)と初対面となりました。
藤本勇一は足を骨折して、ドクター佐藤先生と病院で再会します。ふたりの間に縁がありました。かみさまはいるのかいないのかはよくわかりませんが、人間界には縁(えん)というものがあることは事実だと実感があります。会う人とは、こんなところでと思うところでも、何度も会います。旅先の観光地で、こんなところでという時刻に偶然会ったりもします。
一般的に小学3年生の頃は、新しい世界がいくらでも目の前に広がっています。書中では、冒険好きなふたりの少年です。なんども冒険を続けていくと、最後には歳をとってしまい、からだも思うように動かせなくなって、やがて冒険することに飽きてしまいます。
小松崎竜也は、あまり自分のめんどうをみてくれない母親を疑います。(おれさ、母ちゃんにきらわれているのかな)
それは、違います。生活をしていくためにはまず、生活費のお金をかせがなければなりません。お金をかせいでから、こどもと遊びます。優先順位があります。お金がなければ、親子が別れなければならないこともあります。
本の内容は、子どもの頃から入院生活を送っているこどもとか、認知症のおばあさんとか、ごほうびが健康には良くないコーラとか、小学生の死への願望とか、それに対する自殺防止の呼びかけとか、話題がけっこう複雑で、もりだくさんです。あと、先生はどうしてハーフなんだろうか(かくれ家が洋風の建物だからかも)
11月に入っての最初の土曜日です。
カステラのつくり方:卵と粉とはちみつ。型に入れて焼く。
バーベキューがはやったのは、バブル経済の頃なので、ドクター佐藤ナンシーは、その頃に子ども時代を過ごしたのかも。
遺品を燃やして、煙を上げて、空の上にいる亡き人に贈る。生きている者は、品物を記憶にとどめる。書中で『永久保存』とあります。
小松崎竜也がもう一度会いたいのは、自分のことを世話してくれる優しいお母さん。藤本勇一が誓うのは、ウソをついてだましていた亡きおばあちゃんへのつぐない。
調べた言葉などとして、「おさいせん:神仏へのお願いがかなったときのお礼。自分は神社仏閣を維持管理するための費用ととらえています」、「(学校給食の)きなこあげパン:甘くておいしいパン。コッペパンを揚げて、きな粉と砂糖をつける」、「ローズマリーの木:地中海沿岸原産の常緑低木。香りあり。せっけん、香水のもと」、「びんぼう草:ハルジオン。多年草。白い花」
印象に残った部分などの趣旨として、「人がしぬときはあっさり(即死だと本人も死の自覚がありません)」、「死んだ人は空の上にいる」、「雪は空に住む人からのプレゼント」
主題は、「感謝」なのか。
小学3年生、3年1組に属するふたりの少年の物語です。ひとりは、主人公の藤本雄一、3か月前におばあちゃんを亡くしています。おばあちゃんのお墓参りをしているときに出てきたのが、小松崎竜也(小柄でとがったあご、よく動く目)、学習障害がありそうな、教室ではじっとしていることができない少年です。
場所は田舎町のようで、小高い丘の上に神社があったり、自然が豊かだけれど、人をあまり見かけない場所があったりします。
88ページまで読んだところで、感想を書き始めます。
お墓参りのシーンから始まりました。最近は、お墓参りをする人が減ったような気がします。また、書中に出てくるシーンとして、野球遊びをする少年の数も減りました。全般的に家の中でゲームとか塾通いなのでしょう。
小松崎竜也が、地面にうつぶせになって、神社のおさいせん箱に入れそこなって箱から落ちたおさいせんの小銭を拾おうとします。お金は、働いて手に入れましょう。それから、そのあとに出てくる自動販売機の下をまさぐって小銭をさがすのもやめましょう。みっともないです。
小松崎竜也は、河川敷に穴を掘って、神さまとの交信を試みます。
小松崎竜也が思う神さまは女性の姿をしています。
「友情」の本だろうか。
両親共働きらしく亡くなった祖母に育てられてきたのが藤本雄一、それから、両親離婚で、母親に引き取られて、片親母子家庭で育つのが小松崎竜也です。
3年前の12月20日小松崎竜也の誕生日近くだった頃、父親が家を出て行ったそうです。
小松崎竜也の誕生日に母親は夜勤で(看護師です)、竜也は自宅のこたつの中で眠ってしまい、金縛りにあいます。そのとき、女性の姿をした神さまに会った。神さまは、小松崎竜也に言いました。「いつもそばにいてあげたい」
小松崎竜也が目が覚めるとこたつの上にカステラがありました。女の人は、ひとちぼっちの小松崎竜也をはげましにきてくれたにちがいない。小松崎竜也は今いる場所が不満で、もう天国へ行きたい。つまり、もう死んでもいいと思っています。そういうことを自暴自棄といいます。悲しい話です。ちょっと湿っぽい話です。
おばあちゃんと一緒に柔道場へ通ったことがあるのが藤本雄一です。
藤本勇一は思うところあって、「強くなりたい」、「強くて、まっすぐな男になりたい」
かみさまへのお願いとして、
藤本雄一は、「強くなれますように」
小松崎竜也は、「かみさまにあえますように」
ふたつのお願いは、これから先、どうなるのだろう。
かくれ家は、古い一戸建てで大きい。レンガの門、鉄の柵は赤くさびている。かくれ家は、小さな手づくりの小屋を予想していたので、ちょっとびっくり。関係者以外立ち入り禁止の住宅です。
鹿は神の使い。
(つづく)
かくれ家で、頭がい骨を発見(のちに人体模型と判明)
かくれ家で、ドクター佐藤ナンシーさん(父親がドイツ人)と初対面となりました。
藤本勇一は足を骨折して、ドクター佐藤先生と病院で再会します。ふたりの間に縁がありました。かみさまはいるのかいないのかはよくわかりませんが、人間界には縁(えん)というものがあることは事実だと実感があります。会う人とは、こんなところでと思うところでも、何度も会います。旅先の観光地で、こんなところでという時刻に偶然会ったりもします。
一般的に小学3年生の頃は、新しい世界がいくらでも目の前に広がっています。書中では、冒険好きなふたりの少年です。なんども冒険を続けていくと、最後には歳をとってしまい、からだも思うように動かせなくなって、やがて冒険することに飽きてしまいます。
小松崎竜也は、あまり自分のめんどうをみてくれない母親を疑います。(おれさ、母ちゃんにきらわれているのかな)
それは、違います。生活をしていくためにはまず、生活費のお金をかせがなければなりません。お金をかせいでから、こどもと遊びます。優先順位があります。お金がなければ、親子が別れなければならないこともあります。
本の内容は、子どもの頃から入院生活を送っているこどもとか、認知症のおばあさんとか、ごほうびが健康には良くないコーラとか、小学生の死への願望とか、それに対する自殺防止の呼びかけとか、話題がけっこう複雑で、もりだくさんです。あと、先生はどうしてハーフなんだろうか(かくれ家が洋風の建物だからかも)
11月に入っての最初の土曜日です。
カステラのつくり方:卵と粉とはちみつ。型に入れて焼く。
バーベキューがはやったのは、バブル経済の頃なので、ドクター佐藤ナンシーは、その頃に子ども時代を過ごしたのかも。
遺品を燃やして、煙を上げて、空の上にいる亡き人に贈る。生きている者は、品物を記憶にとどめる。書中で『永久保存』とあります。
小松崎竜也がもう一度会いたいのは、自分のことを世話してくれる優しいお母さん。藤本勇一が誓うのは、ウソをついてだましていた亡きおばあちゃんへのつぐない。
調べた言葉などとして、「おさいせん:神仏へのお願いがかなったときのお礼。自分は神社仏閣を維持管理するための費用ととらえています」、「(学校給食の)きなこあげパン:甘くておいしいパン。コッペパンを揚げて、きな粉と砂糖をつける」、「ローズマリーの木:地中海沿岸原産の常緑低木。香りあり。せっけん、香水のもと」、「びんぼう草:ハルジオン。多年草。白い花」
印象に残った部分などの趣旨として、「人がしぬときはあっさり(即死だと本人も死の自覚がありません)」、「死んだ人は空の上にいる」、「雪は空に住む人からのプレゼント」
主題は、「感謝」なのか。
この記事へのトラックバックURL
http://kumataro.mediacat-blog.jp/t135028
※このエントリーではブログ管理者の設定により、ブログ管理者に承認されるまでコメントは反映されません