2019年06月04日

しろいうさぎとくろいうさぎ ガース・ウィリアムズ

しろいうさぎとくろいうさぎ ガース・ウィリアムズ 福音館書店

 1965年発行、2018年5月で158刷です。ロングセラーの絵本です。
 まず、文章を読まずに、目で絵だけを追って最後のページまできました。
 家族づくりの物語だろうとあたりをつけました。
 次に文章も読みながら絵をながめて、最後のページまできました。
 恋人、そして、結婚式の絵本でした。
 さいしょに目をとおしたときは、しろいうさぎとくろいうさぎが、兄弟か姉妹と思いました。違います。森の中にいるふたりは、同じ森にいるけれど、同じ家では暮らしていないという設定で読み始めることです。
 原題は、「THE RABBIT‘S WEDDING」です。
 わたしは、読み終えたあと、アメリカ合衆国差別社会のなかの白人と黒人の恋と受けとめました。だからくろいうさぎは、告白に勇気がいったのです。くろいうさぎはなんども悲しい顔をしながら考えこみます。でも、くろいうさぎはしろいうさぎに自分が考えていることを話しません。読み手は、それを横から見ながら、くろいうさぎは、なにを考えているのだろうと考えます。
 しろいうさぎがくろいうさぎを誘います。うまとびをしよう。かくれんぼをしよう、どんぐりさがし、かけっこ、みずのみ、ひなぎくとび、クローバーくぐりなど。
 くろいうさぎの表情から、くろいうさぎは、しろいうさぎとの「別れ」を感じとっていることが伝わってきます。くろいうさぎは、別れたくないから、いっしょに、いつまでもいられるようにと願っていることが伝わってきます。
 プロポーズの瞬間が訪れます。しろいうさぎには、くろいうさぎの悩む気持ちがわかっていません。思ってはいないけれど、しろいうさぎはくろいうさぎのプロポーズを受け入れます。
 ふたりは、しろくて大きな満月の下で結婚式をします。ほかのうさぎたちをはじめとして、くまやたぬき、やまあらしや、しかたちも祝福してくれます。結婚披露宴です。
 結婚は、ふたりの合意によって成立する。シンプルな答えです。良かった。

この記事へのトラックバックURL

http://kumataro.mediacat-blog.jp/t134848
※このエントリーではブログ管理者の設定により、ブログ管理者に承認されるまでコメントは反映されません
上の画像に書かれている文字を入力して下さい