2019年06月05日

心ってどこにあるのでしょう? 2019課題図書

心ってどこにあるのでしょう? こんのひとみ・作 いもとようこ・絵 2019課題図書 金の星社

 いもとようこさんのやさしい色づかいの絵本です。最近は、新美南吉作品「あかいろうそく」とか、「てぶくろをかいに」で、いもとさんの絵を見ました。
 最初のページに質問が出てきます。「心ってどこにあるのでしょう」
 この質問に対して、おとなはたいてい「脳みそ」にありますと答えます。でも、それでは、直線的な答えすぎて、身も蓋(ふた)もありません。つまり、情緒とか味わいとか、風情がないということです。それでは、この物語では、どうなるのでしょう。
 ほっぺたが赤くなる。だれかのことを好きだから。
 心はほっぺたにあるのかな。
 若い頃は、すぐに、好きなだれかを見つめてしまいます。
 最初はだれもがそう思う。つまり、胸がドキドキするから、心は胸にある。
 心は頭にあるという少年、そだねーと言いたくなります。
 ぼくもそう思うというカメさんの意見に、賛成の手をあげます。
 悩むとおなかが痛くなるたぬきくん。なるほど。心はおなかにもある。
 ワンちゃんは、しっぽに心がある。しっぽふりふりのワンちゃんらしい。
 うさぎさんは、長いお耳に心が宿っている。なるほど。そうにちがいない。
 手や手のひらにも心ありだね。あくしゅで心がかよいあうから。
 足はどうかな。ない気がする。いや、あるか。
 いろんなものに「心」があります。
 日本の神社でたてまつる神道の世界。あらゆるものに神さまが宿っています。「心」も同様に、あらゆるものに宿っています。八百万神(やおよろずのかみ)とはうまい表現です。自然の摂理です。(自然の法則)
 ひとつに固定しない日本文化が素敵です。
 本では、目にも涙にも心があると表現されています。口にも声にも心がある。
 最後のページでは、生きているっていいなあ。死んじゃだめだよーの励ましにまでに至ります。楽しいこともあるのがこの世界です。

この記事へのトラックバックURL

http://kumataro.mediacat-blog.jp/t134861
※このエントリーではブログ管理者の設定により、ブログ管理者に承認されるまでコメントは反映されません
上の画像に書かれている文字を入力して下さい