2019年05月30日

あさになったのでまどをあけますよ 荒井良二

あさになったのでまどをあけますよ 荒井良二 偕成社

 油絵の画集を見るようです。
 山奥の奥、かなり奥の家で、窓がオープンされました。「あさですよー」 ちいさな人影が見えます。あたりは、深い緑色に包まれています。
 文章がシンプルで味わいがあります。山があって、木がある。そして、ぼくがいて、ぼくはここが好き。
 一般的ではない視点で書かれた絵です。
 こんどは急に大都会で朝を迎えます。ヨーロッパの風景です。女の子が、高いビルの上にある部屋で窓を開けました。活気あふれる都市部の街です。地球規模の絵本です。
 情景は一転して、避暑地の別荘地みたいなところです。2階建て住宅の2階の窓が開きました。人影がふたつみえます。
 海の色をした川が流れています。本当に川の水が流れているみたい。
 富士山みたいな大きな山がどっかーんと出てきました。
 自然を考える。自然と人間との共生を考えます。共存共栄です。
 独特な色づかいです。緑、赤、オレンジ、黄色
 南国沖縄か、グアム、タヒチか。
 晴れているのにお天気雨。水平線から空にのびる雲は白く輝いている。手元近くに赤い花が咲いています。赤は、家屋内の赤い壁につながります。色の物語です。
 奥行きのあるブルーです。海です。
 やはり、独特な構図です。この世でゆいいつの絵です。
 あさになったのでまどをあけますよ。黄色い、いや、ゴールドの朝日です。すがすがしい。
 瀬戸内海の静かな海のようでもあり、それとも、見たことはなけれど、エーゲ海のイメージだろうか。
 町があって、朝があって、人がいる。生活するってすばらしい。人生って、生きているってすばらしい。そういう感動が湧いてくる絵本です。
 さあ、いくぞ! というやる気が出ます。
 どの1枚も朝を表現してあります。
 さわやかな光と輝き、未来への希望と期待感が広がります。
 ちいさなこどもの明るい未来が見えてきます。
 まどをあけますよ。さあ1日(未来)が始まりますよ。

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