2019年04月28日

ベートーベン 加藤純子

ベートーベン 加藤純子 ポプラ社

 耳が聞こえなくなった作曲家です。病気や障害をもつようになった人でもその困難を克服する姿には励まされます。「運命」、「歓喜の歌」、「月光」、「エリーゼのために」ぐらいなら聴けばわかります。
 1770年生まれ。日本は江戸時代です。
 何度も推敲された文章だと思います。
 読み終えてみて、ベートーベンは「孤独」でした。孤独から生まれてくるものが音楽でした。
 家族や生活環境には恵まれていません。父親はアルコール依存症です。音楽家への差別があります。収入源は、王様や貴族の一族です。金のため生活のための音楽です。
 背が低く、猫背で、怒りっぽく、気難しい。人嫌いですが、それでは、人からも距離を置かれます。髪は長くてぼさぼさで肌も荒れている。見た目に関する劣等感があります。
 家族の愛に包まれていたとはいいがたく、書中では、早くに亡くなった祖父と母親が心の支えとなっています。
 プライドが高いけれど神頼みはします。そこが苦しい。両面性をもった人ではなかろうか。
 苦労の産物が「名曲」であったと思いたい。
 モーツアルト(35歳で没)が14歳年上で、一度だけ会ったことがあることは知りませんでした。

 30歳近くになって難聴になる。曲作りのために近隣に迷惑をかけたので70回ぐらい引っ越しをした。読んでいて、「集中力」のすごさに驚かされます。
 
 印象に残った文節の要旨として、「ぼくにはピアノがあればいい」、「1789年フランス革命、王様制度の廃止」、「貴族のために音楽をつくるのではなく、貧しい人たちのために音楽をつくる」、「散歩を日課にしていた(歩いているときにアイデアが湧いてメモをする)」

 調べた単語などとして、「皇帝:世襲の君主」

 悩みを乗り越えて、喜びをつかむ。

 3月の終わり、まだ春浅きとき、56歳で没する。没後、世界的に有名になり、永続的に曲が演奏されるとは、本人も知りえなかったことでしょう。偉人です。多くの人たちに影響を与え続けています。

この記事へのトラックバックURL

http://kumataro.mediacat-blog.jp/t134345
※このエントリーではブログ管理者の設定により、ブログ管理者に承認されるまでコメントは反映されません
上の画像に書かれている文字を入力して下さい