2019年04月19日

参上!ズッコケ忍者軍団 那須正幹

参上!ズッコケ忍者軍団 那須正幹 ポプラ社文庫

 いきなり忍者が登場するわけではありません。
 まずは、瀬戸内海にあるミドリ市花山町花山第二小学校の夏休みから始まります。虫取りです。セミやクワガタカブトムシです。
 ライバル校が、花山第一小学校です。第二小学校の5年生、貝原勇介と松崎浩司が第一小学校の軍隊ドラゴン部隊に捕まります。
 隣接する小学校の児童同士で縄張り争いです。よくある対立です。
 今回の登場人物数は多い。味方全員で14人です。さらに女子も加わります。
 戦国時代の戦のイメージです。
 生き生きと戦いぶりが描かれています。禁止事項はありません。石を投げたり、木刀で叩いたりして、ケガをします。戦略はアイデアの宝庫です。作戦が楽しい。負けた方は、はだかにされます。しかえしという報復の言葉が出ます。
 負けることもある。常勝はあり得ない。負けたときにどうするのかの準備をしておく。
 モーちゃんの提案で、忍者をやります。113ページの絵はかっこいい。
 モーちゃんの家族が離婚母子家庭という部分はしみじみ。
 けっこう過激です。小学生向けの本でここまで書いていいのかなと思うのですがいいのです。
 情報合戦です。話のオチはどうなるのだろう。
 ライターの火まで出てきました。
 武器に頼りすぎてはいけないという最後は良かった。
 「教育」ってなんだろうかとか、(こどもはおとなしくしていればいい)、物語の発展性(物語のなかではなんでも可能)とか、いろいろと考えました。いい作品でした。

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