2019年04月18日

樹木希林 120の遺言 死ぬときぐらい好きにさせてよ

樹木希林 120の遺言 死ぬときぐらい好きにさせてよ 宝島社

 巻頭に写真があります。樹木さんも内田裕也さんも若い。
 読み始める。いつまでたっても「0」の位置に居る人、居たい人という第一印象です。自然体で、ありのままを「これでよい」として受け入れる。じたばたしても仕方がないという後ろ向きのあきらめと前向きな開き直りがあります。どこかの地点でバランスを保とうとする。
 病気になって学ぶものがあります。無理をしない。上を目指さない。
 面白かった気に入った言葉の趣旨として、自分なりに言い換えたりしてみると、「わたしの話に頼らないでというわたしへの依存拒否」、「明日地球が滅ぶとしても今日やるべき仕事を為す」、「自分は自分、自分のペースをくずさない。良いことも悪いことも、そうするのが自分」、「自分を当たりまえのところに置く努力をする」、「表と裏がある」、「愚痴をこぼさない」、「人間なんて正しくないんだから」、「女にとっては仕える人がいないのは楽」、「ほとんどの人が適職に出会えない」、「自分は和を保っていけない。友達もいない」、「自分はいい人じゃない。ひねくれている」、「子どもと住む。子どものめんどうはみないけれど、自分の面倒はみてもらう」、「人生、上出来でございました」
 映画「男はつらいよ」フーテンの寅の初期作品に旅館の女中さん役で登場されていたのを思い出しました。第3作昭和45年です。まだ20代だと思います。
 命と引き換えに産まれてくるようなコメントもあり、読んでいてきつい気持ちになる一節もあります。悟りの境地です。
 はたから見れば変わった夫婦です。樹木さんによれば、だんなさんが異例で、樹木さんがちゃんとしているというのは違うそうです。

 読んでもわからない部分があるのは、共感ができるほどの人生経験が自分にないからでしょう。
 「自分を疑ってみる」というのはいい教訓です。もしかしたら自分のこの考えは間違っているかもしれない。

 ページの構造上、右見て、左見て、二度同じ文節を読むことになり、それが良くもあり、悪くもあり。

 「過干渉」がいけないことはわかるけれど、やりにくい。

 さらけだして、全身で演技をして、感動や共感を呼ぶ。

 調べた単語などとして、「鼎談:ていだん。三人が向かい合って話をすること」「世田谷・砧:世田谷きぬた」、「冥利:神仏から知らず知らずに与えられる利益。運。幸運」、「篆刻:てんこく。印章を彫る」、「跋扈:ばっこ。悪者などが好き勝手に振る舞う」、「おこがましい:分不相応」

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