2019年03月30日

城 カフカ

城 カフカ 新潮文庫

 測量士が城にたどり着けない物語だと聞いています。どういう主旨、主題なのかを探る読書です。カフカ(1924年大正13年40歳没)チェコ出身ドイツ語作家ユダヤ人。「城」は、1922年執筆、1926年初出で未完です。
 66ページまで読みました。<本当に城はあるのだろうか>
 測量士Kが村について、宿屋に泊まって、助手ふたりが遅れてきて、酒場の女フリーダと結婚すると言い出して、これからどうなるのだろう。

(つづく)

 社会全体のルールから離れて、その個別の地域の範囲内で、独自のルールで生活が運営されている。それが、本書中の『村』と受け取りました。
 村長がトップです。だから、国本体のポストにいるクラム長官の命でこの地に訪れた測量士Kの存在を村長始め村人たちは認めない。
 測量士Kもだんだん自分の存在しいている意味がわからなくなる。だから、測量士の助手として遅れて来た2名の顔の判別もできない。
 現実社会で人物として存在するかしないかそんな問答だろうとあたりをつけました。
 測量士Kの存在を示すのが、酒場の女フリーダ、あとから出てくる宿屋の妻ガルデーナで、人は自分でその存在を示すことはできず、周囲にいる人間に存在を示してもらわないと存在を表示できないということか。
 測量士はよそ者です。この村では存在していないと扱ってもいい人間です。なんだか、いじめのシカト(無視)みたいになってきました。
 文中では、『あなたが測量士として採用されたことを証明する責任はあなた自身に負わされている』とあります。
 そして、自分たちが住む狭い地域内で掟(おきて)をつくって集団統制をしようとするのが人間の性質ということか。なかなかむずかしい思考世界に入ってきました。
 Kという人間は実際に存在するのか。再び、『この物語の中に『城』は存在しない』という気分になってきました。

(つづく)

 ページにびっしり書かれた長文をうわべをなめるように速読を続けています。この小説は何度も読まないと理解できそうにありません。最初にざーっと読む。次に丁寧に読む。最後にポイントをしぼってよむ。登場人物の人物相関図を書きながら読む。出来事を順繰りに記録しながら読む。いまはただ、ざーっと読んでみて、ほかの人の感想を読むことにしました。

 暗喩とか、男女関係のもつれで、作者は何か言いたい。
 登場人物各人の役割を考えなければならないようです。
 地方公務員の世界とか、ひとりの女性を複数の男性で取り合う雰囲気があります。

 そもそも「城への道」はなかったのではないか。

 印象に残った表現として、「あの人たちは、お城ではまったく別人になってしまう」、「ぼくは、悪用されてだまされた」

 調べた単語などとして、「知悉:ちしつ。細かい点まで知り尽くすこと」、「コニャック:フランスの高級ブランデー。白ワインからつくる」

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