2019年03月15日

ヨーロッパ文化と日本文化 ルイス・フロイス

ヨーロッパ文化と日本文化 ルイス・フロイス 岩波文庫

 ポルトガル人宣教師ルイス・フロイス(1532年-1597年。35年間日本で暮らして65歳で長崎にて没)は、織田信長(1582年47歳没。フロイスとは、1569年、1581年に面会)や豊臣秀吉(1598年61歳没。フロイスとは1586年に面会)と会ったことがある人で、そのときのことを記録して残した人です。
 この本の内容は、所属するキリスト教会あてに1585年6月14日に今の長崎県においてまとめられたものであり、ヨーロッパ人と日本人の暮らしぶりを比較してあります。そして、それは、外国と日本のありようは正反対であるというような記述になっています。自分は、たとえ正反対であったとしても人間は生きていける。人間の生き方はいかようにでもなると受けとります。
 児童虐待の部分に興味が湧いて読みました。事柄は単純な箇条書きにしてあります。当時の日本人はこどもに暴力をふるうことはなかったと書いてあります。むしろ、大切に育てた。言うことをきかないときは、言い聞かせた。めったに手は出さなかったとあります。幼な子が短命であったこの時代ではこどもは貴重で大事な存在だったこともあるのでしょう。しつけと称して徹底的に弱い立場のこどもにしつこく暴力を振るったり育児放棄をしたりするニュースを見る昨今が嘆かわしい。
 
 驚かされることばかりです。現在の日本人のありようは、明治以降に、西洋化された気配があります。気に留めた記事の趣旨として、「ヨーロッパ人は瞳が大きい人を好む。日本人は細い目を美しいとする」、「ヨーロッパ人は、散歩を好む。日本人は全然散歩をしない。散歩をする外国人を不思議がる」、「ヨーロッパ人は家で入浴する。日本人は公衆浴場で入浴する」、「ヨーロッパでは女性の貞操が尊ばれる。(キリスト教の影響)日本人女性は純潔を重んじない。重んじなくても名誉は失わないし結婚もできる」、「ヨーロッパでは夫が前、妻が後ろを歩く。日本はその逆」、「日本の娘たちは両親にことわりもしないで一日でも幾日でもひとりで好きなところへ出かける」、「ヨーロッパでは女性が食事をつくる。日本では男性がつくる」、「ヨーロッパでは男性が裁縫をする。日本では女性がする」、「日本では女性が酒を飲み祭りの時には酔っぱらうまで飲む」、「日本ではすべての子どもが寺院で勉強する」、「デウス:ラテン語で神(ラテン語:インド・ヨーロッパ語のひとつ)」、「日本人は神に幸福、健康、長寿、富、勝利を祈り、仏に罪の許しと来世の救いを祈る」、「ヨーロッパでは、17世紀に入ってからフォークを使用するようになった。それまでは、手づかみで食べていた。日本人は16世紀にすでに箸を使用していた」、ことに日本人の料理や食事作法に関して言えば、400年前も今もあまり変わりがありません。「ヨーロッパでは、食事の後片付けは使用人がするが、日本では、貴人でも自分が食べたものは、自分で片付ける」、「ヨーロッパでは、部屋の掃除は雇われ人がやるが、日本では、貴人でも自分で掃除をする」

 調べた単語などとして、「佩びる剣:おびるけん。剣を腰に付けること」、「炉火:ろか。暗闇を照らす灯り」、「臀をまくる:しりをまくる」、「当時の日本の時計は水時計:水がしたたり落ちる時間の経過で時刻とする。砂時計の砂を水にしたようなもの」、「跪く:ひざまずく」、「噯:おくび。げっぷ」、「日葡事辞書:日本語をポルトガル語で解説した辞書。にっぽじしょ」

 キリスト教の宣教師ですから、仏教の坊主を攻撃する内容がみられます。されど、当時の坊主は利権を好み、性欲に乱れ、酒に溺れている。いくさのときの戦士というような記事になっています。織田信長が仏教を嫌った理由がここでわかります。

 病気・医者・薬の部分を読んでいるのですが、病気になると「死」が近い。あきらめてしまうしかないようです。


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