2018年09月27日
寝ても覚めても 柴崎友香
寝ても覚めても 柴崎友香 河出文庫
38ページまで読んだところで感想を書き始めます。
寝ても覚めてもというのは、おそらく、男子に恋をしたあさちゃん22歳大卒就職者(いまはまだきちんとした氏名と職業がわからない)が、ビルの27階で偶然出会った青年(22歳から23歳ぐらい)に恋をして、一日中、男子のことを恋焦がれる物語と今は受け止めて読んでいます。
展望室があるビルの場所や名称がわからないのですが、最初、あべのハルカスかと思いましたがどうも違うようです。
2010年の小説ですから、今から8年前です。今月9月に映画が公開されているようです。
自分の言葉で書いてあることが読んでいてわかります。主人公女性あさちゃんの一人称で進行します。
男女の出会いは見た目で始まり、見た目で継続する。
主人公女性がいまどこにいるのか、場所の固有名詞は出さない。
大阪市内の案内と関西弁が続く。
「絢子(あやこ)」カラオケスナック
「リバー・フェニックス:1993年に23歳で死没したアメリカ合衆国の男優。スタンド・バイ・ミーに出演」
ここから(38ページ)最初のページに戻って、読み落としがないか確認します。
(つづく)
調べた単語類として、「彼氏の麦(ばく。名前です)が着ている緑色のパーカー:首の根元に帽子となるフードが付いている上着」、「スパンコール:ぴかぴか光る装飾用の金属、プラスチック」、「インラインスケート:スケート靴の下に車輪が一列のローラースケート」、「サイケデリック:薬で幻覚状態。原色の絵画、刺激の強い音響」、「スタンドカラー:折り返しのない襟」、「リフレイン:繰り返し」、「フラペチーノ:スタバの冷たいドリンク」、「ドレープ:垂らした布の柔らかいひだ」、「ミルフィーユ:フランス菓子。パイ重ね。間にクリームなど」、「タルト:焼き菓子」、「ピスタチオ:ナッツ」、「タンドリーチキン:インド料理。チキンを窯で焼く」、「スリング:抱っこひも」、「スウェット:吸湿性の高い厚手の布」、「バングル:ブレスレット」
主人公の彼氏は、ふっとどこかへ行ってしまう習性あり。主人公の泉谷朝子は家族と断絶している気配あり。
朝子は、岡崎家のアパートという居心地のいい場所を見つけます。岡崎ファミリーである母、兄、弟、朝子、朝子の彼氏である麦(ばく)の暮らしは楽しそう。
ピンク色が強調されています。
印象に残った文節として、「隣の部署の人が小説家になると言って会社を辞めた」「目の前のすべてが過去に見えた」
物語の動きはあまりありません。2年9か月のブランクがあって、2002年になりました。この作品自体は2010年のものです。
そして、3年が経過します。場所は大阪から東京へ移ります。日記を読んでいるような感覚があります。時系列で記述していく。
そこはかとなく孤独な若い女性の淋しさが伝わってきます。
同じ顔をもつふたり目の男性が登場します。彼は実は同一人物で記憶喪失なのか。それとも、最初の人物は詐称していたのか。次の人物が詐称なのか。
「寝ても覚めても」とは、男を思ってそうなるのではなく、自分を思ってそうなると推測が変化しました。
時は2006年になる。大阪における麦との付き合い記述が希薄だったのはなぜか。
2008年になる。
読み手は今、248ページ付近にいます。最後はどう落とすのだろう。ひとつの案は頭に浮かんでいます。
記述として、突然違う話の1行が入ることが特徴です。
あっけない再会。なぜ今まで彼女に連絡をしてこなかったのだろうか。
うーむ。仕事の話は出てこない。
恋愛小説だけれど、一方のみ(女性)の心理。
途中で? どういうことなのだろう。読んでいて混乱が生じてきました。
名言です。恋は勘違い。
信頼関係の崩壊。
過去にひきずられる。
人を傷つけても傷つけたという実感をもっていない女性。
そして、雨。
読んでいると、遠い過去、40年ぐらい前の風景が見えてくる。
読み終えました。
悪く言えば、「自分勝手」、よく言えば、「自由奔放」、されど、31歳に達した主人公はもう若くはない。最後に「腐れ縁」「女の性(さが)」ホラー小説みたい。
合わせて、文庫に登載されている「同じ街の違う夜」の感想も付け足します。
「碑文谷:ひもんや。読めませんでしたが、以前、別の小説でも舞台として出てきた記憶があります」
ポイントになる単語、文節として、「あの顔」、
読んでいると、過去をなつかしむ気分になります。昔あって今はない建物、それを知らないその後に生まれた世代。40年ぐらい前を思い出します。
最後の文章で、作品「寝ても覚めても」とつながります。ほーっと感嘆のため息が出ました。
「解説」の感想も足します。
ポイントになる言葉として、「ガーリー:子どもっぽさを残した少女の姿」、「目の文体」、「意匠:趣向、デザイン」
わかりやすいいい解説でした。
あとは、登場人物がたくさん登場する物語でした。メモをしながらメモを読み返しながらの読書でした。たくさん出てきますが、要点を動かす登場人物は少なかった。
38ページまで読んだところで感想を書き始めます。
寝ても覚めてもというのは、おそらく、男子に恋をしたあさちゃん22歳大卒就職者(いまはまだきちんとした氏名と職業がわからない)が、ビルの27階で偶然出会った青年(22歳から23歳ぐらい)に恋をして、一日中、男子のことを恋焦がれる物語と今は受け止めて読んでいます。
展望室があるビルの場所や名称がわからないのですが、最初、あべのハルカスかと思いましたがどうも違うようです。
2010年の小説ですから、今から8年前です。今月9月に映画が公開されているようです。
自分の言葉で書いてあることが読んでいてわかります。主人公女性あさちゃんの一人称で進行します。
男女の出会いは見た目で始まり、見た目で継続する。
主人公女性がいまどこにいるのか、場所の固有名詞は出さない。
大阪市内の案内と関西弁が続く。
「絢子(あやこ)」カラオケスナック
「リバー・フェニックス:1993年に23歳で死没したアメリカ合衆国の男優。スタンド・バイ・ミーに出演」
ここから(38ページ)最初のページに戻って、読み落としがないか確認します。
(つづく)
調べた単語類として、「彼氏の麦(ばく。名前です)が着ている緑色のパーカー:首の根元に帽子となるフードが付いている上着」、「スパンコール:ぴかぴか光る装飾用の金属、プラスチック」、「インラインスケート:スケート靴の下に車輪が一列のローラースケート」、「サイケデリック:薬で幻覚状態。原色の絵画、刺激の強い音響」、「スタンドカラー:折り返しのない襟」、「リフレイン:繰り返し」、「フラペチーノ:スタバの冷たいドリンク」、「ドレープ:垂らした布の柔らかいひだ」、「ミルフィーユ:フランス菓子。パイ重ね。間にクリームなど」、「タルト:焼き菓子」、「ピスタチオ:ナッツ」、「タンドリーチキン:インド料理。チキンを窯で焼く」、「スリング:抱っこひも」、「スウェット:吸湿性の高い厚手の布」、「バングル:ブレスレット」
主人公の彼氏は、ふっとどこかへ行ってしまう習性あり。主人公の泉谷朝子は家族と断絶している気配あり。
朝子は、岡崎家のアパートという居心地のいい場所を見つけます。岡崎ファミリーである母、兄、弟、朝子、朝子の彼氏である麦(ばく)の暮らしは楽しそう。
ピンク色が強調されています。
印象に残った文節として、「隣の部署の人が小説家になると言って会社を辞めた」「目の前のすべてが過去に見えた」
物語の動きはあまりありません。2年9か月のブランクがあって、2002年になりました。この作品自体は2010年のものです。
そして、3年が経過します。場所は大阪から東京へ移ります。日記を読んでいるような感覚があります。時系列で記述していく。
そこはかとなく孤独な若い女性の淋しさが伝わってきます。
同じ顔をもつふたり目の男性が登場します。彼は実は同一人物で記憶喪失なのか。それとも、最初の人物は詐称していたのか。次の人物が詐称なのか。
「寝ても覚めても」とは、男を思ってそうなるのではなく、自分を思ってそうなると推測が変化しました。
時は2006年になる。大阪における麦との付き合い記述が希薄だったのはなぜか。
2008年になる。
読み手は今、248ページ付近にいます。最後はどう落とすのだろう。ひとつの案は頭に浮かんでいます。
記述として、突然違う話の1行が入ることが特徴です。
あっけない再会。なぜ今まで彼女に連絡をしてこなかったのだろうか。
うーむ。仕事の話は出てこない。
恋愛小説だけれど、一方のみ(女性)の心理。
途中で? どういうことなのだろう。読んでいて混乱が生じてきました。
名言です。恋は勘違い。
信頼関係の崩壊。
過去にひきずられる。
人を傷つけても傷つけたという実感をもっていない女性。
そして、雨。
読んでいると、遠い過去、40年ぐらい前の風景が見えてくる。
読み終えました。
悪く言えば、「自分勝手」、よく言えば、「自由奔放」、されど、31歳に達した主人公はもう若くはない。最後に「腐れ縁」「女の性(さが)」ホラー小説みたい。
合わせて、文庫に登載されている「同じ街の違う夜」の感想も付け足します。
「碑文谷:ひもんや。読めませんでしたが、以前、別の小説でも舞台として出てきた記憶があります」
ポイントになる単語、文節として、「あの顔」、
読んでいると、過去をなつかしむ気分になります。昔あって今はない建物、それを知らないその後に生まれた世代。40年ぐらい前を思い出します。
最後の文章で、作品「寝ても覚めても」とつながります。ほーっと感嘆のため息が出ました。
「解説」の感想も足します。
ポイントになる言葉として、「ガーリー:子どもっぽさを残した少女の姿」、「目の文体」、「意匠:趣向、デザイン」
わかりやすいいい解説でした。
あとは、登場人物がたくさん登場する物語でした。メモをしながらメモを読み返しながらの読書でした。たくさん出てきますが、要点を動かす登場人物は少なかった。
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