2018年09月26日
老後の資金がありません 垣谷美雨
老後の資金がありません 垣谷美雨(かきや・みう) 中公文庫
長男の嫁後藤篤子さん50代後半ぐらいの一人称でことがらが語られていきます。
冒頭、娘の結婚式に600万円かける話から始まります。クレージーです。(このあと、じっさいはもっとかかります)
支出額がリアルでぞっとします。
結婚式にしても、お葬式にしても、お祝いや香典があるので、全額出ていくわけでもないのが救いですが、この物語の場合は、見栄と親族間の精神的対立で、支出額の上限があるようでありません。極端すぎる面があります。ことなかれ主義の主人公の夫はなんの役にも立ちません。
「お祝い」「香典」という相互扶助の精神がある日本は幸いです。中国はじめ外国にはそういう慣例はないと聞いたことがあります。
印象的な文節などとして、「これほど長生きするとは…」(自分の介護費用と葬式代は自分で用意して欲しいという願望につながります)
大きな出費が次々と襲ってきます。夫57歳はまだ在職中なのに、退職金を前倒しで食いつぶしそうです。自分たち夫婦の老後の生活費はどうするのだろう。こんな調子だと家計が破たんしてしまいます。
夫の両親とは別居している長男夫婦の妻がここまでやらねばならないのだろうか。
107ページまで読みました。続けて読みながら感想を継ぎ足していきます。
(つづく)
「詰まった:つまった」
結婚した娘のDV話は誤解がありそう。
息子勇人(はやと)のポジションはアドバイザーで、なかなかしっかりしている大学生です。
主人公篤子さんのともだちであるサツキさんもアドバイザー役です。
225ページあたりからおもしろくなってきました。やはり年寄りも、めんどうをみてもらうのではなく、自分でできることは自分でやったほうが生きがいにつながります。
印象に残った言葉として、「人はみかけじゃわからない」
葬儀に関する記述が非常に詳しい。よく調査されています。
いろいろなパターンがありますから、人それぞれの感想をもつのでしょう。
番外として、解説の室井佑月(むろい・ゆづき)さんの文章が本音で書いてあって楽しい。この小説を「面白くためになる素敵な小説」と定義されています。
この作者さんのほかの作品も含めて、作者の目の付け所が時流にのっていていい。
長男の嫁後藤篤子さん50代後半ぐらいの一人称でことがらが語られていきます。
冒頭、娘の結婚式に600万円かける話から始まります。クレージーです。(このあと、じっさいはもっとかかります)
支出額がリアルでぞっとします。
結婚式にしても、お葬式にしても、お祝いや香典があるので、全額出ていくわけでもないのが救いですが、この物語の場合は、見栄と親族間の精神的対立で、支出額の上限があるようでありません。極端すぎる面があります。ことなかれ主義の主人公の夫はなんの役にも立ちません。
「お祝い」「香典」という相互扶助の精神がある日本は幸いです。中国はじめ外国にはそういう慣例はないと聞いたことがあります。
印象的な文節などとして、「これほど長生きするとは…」(自分の介護費用と葬式代は自分で用意して欲しいという願望につながります)
大きな出費が次々と襲ってきます。夫57歳はまだ在職中なのに、退職金を前倒しで食いつぶしそうです。自分たち夫婦の老後の生活費はどうするのだろう。こんな調子だと家計が破たんしてしまいます。
夫の両親とは別居している長男夫婦の妻がここまでやらねばならないのだろうか。
107ページまで読みました。続けて読みながら感想を継ぎ足していきます。
(つづく)
「詰まった:つまった」
結婚した娘のDV話は誤解がありそう。
息子勇人(はやと)のポジションはアドバイザーで、なかなかしっかりしている大学生です。
主人公篤子さんのともだちであるサツキさんもアドバイザー役です。
225ページあたりからおもしろくなってきました。やはり年寄りも、めんどうをみてもらうのではなく、自分でできることは自分でやったほうが生きがいにつながります。
印象に残った言葉として、「人はみかけじゃわからない」
葬儀に関する記述が非常に詳しい。よく調査されています。
いろいろなパターンがありますから、人それぞれの感想をもつのでしょう。
番外として、解説の室井佑月(むろい・ゆづき)さんの文章が本音で書いてあって楽しい。この小説を「面白くためになる素敵な小説」と定義されています。
この作者さんのほかの作品も含めて、作者の目の付け所が時流にのっていていい。
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