2018年09月08日

実践小説教室 根本昌夫

実践小説教室 根本昌夫 河出書房新社

 最初の文にある「人生七掛け時代」は実感があります。60歳なら42歳です。ただし、目、耳、記憶力、全般的な体力の衰えはあります。がんばりすぎないようにしてゆっくりとです。時間はあきらめなければたっぷりあります。「たくさん書く」「たくさん読む」「よく考える」は励みになります。

 3部構成です。
 小説とは小説家から読者へのメッセージだと思います。幸せな気分を味わってもらうために感動を届ける。

 創作にあたり体験は必要です。取材だけで書ける人はそれほどいない。
 
 文章の美しさではなく、構造、仕掛け重視
 仕事をしているとどうしても報告書風に書く文章が身に付いています。
 
(つづく)

 長編よりも短編のほうが書くのにエネルギーがいるとあり、そうかなと疑問をもちましたが記述を読んで納得しました。

 小説を書くためにいろいろなアルバイトを経験している小説家は、大きな組織で異なる業務を転々とする人事異動に似ています。

 小説は「自由度」が高いことを再確認しました。

 第二部にある作品の書き直しは、書き直し後のものが味わい深い。

 数値に隠された秘密の解読が興味深い。

 純文学には覚悟がいると考えました。

 なぜ小説を書くのかという問いに、理屈抜きで、「書きたいから書く」という答えもあります。
 著者の論理は説得力があり、はまりました。
 
 共感することが多い本でした。よく整理されていてわかりやすい。

 良かった文節や趣旨などとして、「映画は非日常」、「日本語として正しくなくても小説では通用するという説明」、「性の排除」、「語りの文学」、「心の整理をしたい」、「過去の一時期から生き直す」

 調べた言葉として、「糖衣:薬を飲みやすくするために薬の回りにはる甘い膜」、「小説誌:雑誌のジャンル。新作小説」、「固執:こしつ。あくまで主張して譲らない」、「アプリオリな小説:超越的」、「結界:仏教にある一定の区域。出てはいけない」、「リリカル:叙情的」、「モノローグ:独り言」、「フェティッシュ:呪物」、「メタファー:暗喩、隠喩、言い換え」、「金色夜叉への道:金色の鬼神?」、「コード:役割を演じる。コンビニ人間を思い出しました」、「恣意的:思いつきできままに判断する」

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