2018年04月25日

頭に来てもアホとは戦うな! 田村耕太郎

頭に来てもアホとは戦うな! 田村耕太郎 朝日新聞出版

 2014年第1刷、18年第21刷と、よく売れている本です。
 頭に来ることはだれしもあることです。ひきずることもあります。さて、どんなことがあるのでしょうかというところで読み始めます。

 冒頭付近の数ページを読むだけで、全体を読んだことになりそうです。要約されています。
 「アホ」の定義がむずかしい。同一人物でも、ふたつの要素をもつからです。たとえば、アホとは、被害者も加害者も同一人物なのです。

 作者いわく、自分は失敗者であると。だから、この本を書くのだと。ムキになって相手と戦って、相手にしなくてよかったのに、ムダな時間と労力を費やしてしまったと。

 リベンジとか、倍返しとか、復讐とか、仕返しとか、考えても実行しても自分のためにはならない。忘れなさいというアドバイスがあります。

 「真理」を追及する人になる。そうすれば、ゴールは間違いない場所にたどり着く。

 アホ、アホ、アホと、アホの連呼が読んでいて気持ちがいい。

 戦いの相手は、「アホの相手」ではない。「自分」である。そこが、作者の言いたいことです。

 「タイムコスト」に対する考え方は私とは異なります。若い頃感じた無駄と思えるような時間こそが必要だった時間だと老いて悟りました。

 的を射た処世術の記です。
 勝つための戦術書でもあります。

 一項目が短文で読みやすい。

 働き盛りの現役の人向けの本です。リタイアした無職の人、年金生活者の人には、別の本がいいでしょう。

(つづく)

 読み終えました。後半の60ページ分ぐらいはなくてもいい。
 
 ただし、後半部に健康、家族を大切にの話が一部あります。そこは大事です。
 死んだら終わりです。使える時間があるうちが人生です。そして、時間は、すこやかな空間に存在することに使います。長時間労働の過労死はいけません。勝海舟の言葉が良かった。「大事を為すためには長生きをすることだ。」

調べた単語として、「諍い:いさかい。読めませんでした。」、「生殺与奪:せいさつよだつ。他人を思いのままにする。生かしたり、殺したり、与えたり、うばったり。」、「(爆弾の)信管:しんかん。起爆装置」、「モラトリアム:政府が債務の支払いを一定期間猶予する。」、「MBA:経営学修士」、「M&A:企業の合併買収」、「シニカル:皮肉、冷笑」、「得意淡然、失意泰然:うまくいったら慎ましく、うまくいかなかったらあせらず。」

印象に残った表現として、「金持ち喧嘩せず」、「書いてストレスを発散する(発表はしない)」、「頭のいい人は掃(は)いて捨てるほどいる。」

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