2018年02月25日

芥川賞の謎を解く 鵜飼哲夫

芥川賞の謎を解く 鵜飼哲夫 文春新書

 読み終えました。
 古い過去のお話を聞くようでした。内容は重厚です。歯ごたえがあります。

 出版不況です。
 出版社は本を売って稼ぎたい。組織を維持したい。個人のふところを潤したい。
 売れる本をつくる。イメージをつくる。
 芥川賞の選出ポイントは、「話題性」になったようです。
 この本では、本物にこだわっていた時代がやがて崩壊していく経過を記したように見えます。
 偉大な小説家たちが、激しく対立しながら芥川賞受賞作品を選んでいきます。
 賛否両論です。同じ作品でも賛美する審査員と否定する審査員がいます。

 この本を読んだ書き手は、評価を気にする必要はないという結論に達します。ファンがつけばいいのです。批判されてもめげることはない。
良かった表現のひとつとして、「男と女、五分と五分」。意思を貫くことが大事です。

 芥川賞は、「新人賞」である。ゆえに、本格的でなくていい。これからの期待を買う。

 デカダン:退廃的、晦渋:かいじゅう。難解、メタファ:暗喩、比喩(表面に出さない)

 太宰治、安部公房(93年68歳で死去ノーベル文学賞候補だった。)、

 女流作家たちは、元気がいい。曽野綾子(今も現役90歳ぐらい)、有吉佐和子53歳で死去、河野多恵子(こないだ読んだ寂聴さんの本にいっぱい書いてあった。)、川上弘美、吉本ばなな、

 ひんしゅくをかう小説家たちが受賞する時期が過去にあった。駄作群が続く時代もあった。良かった表現として、「プロレスは悪玉がいてこそ盛り上がる。」。若者で、バカで、よそ者が受賞する。

 文学は多数決じゃない。(河野多恵子さんの言葉)

 記録書として秀逸な本です。


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