父「永六輔」を看取る 永千絵 宝島社

 書店で手に取って、救急車の中から、永六輔さんが、「今どこにいると思う?」と娘さんに電話をかけてきたという文節を見て購入しました。

 まだ、読み始めですが、地域包括ケア(病院や施設ではなく、自宅で看取る)について書かれているようです。
 また、ふたつの名前をもつアーチストのこどもとして生まれ、どんなだったかが書いてあるようです。

(つづく)

 全体で269ページのうち、100ページぐらいまで読みました。短文の固まり(メモ風)が続くので、場面展開が早く、理解して、イメージして、感慨をもつまでの時間が必要なので少々読みにくい。
ちからいっぱい、全力を出し切る書き方です。省略して読みやすくするのも手です。

 全国の愛聴者ファンが知る永六輔氏と生身の父親永孝雄氏との間にはかけ離れている距離感があります。ファンにとっての素敵な人は、彼がつくった人物像です。家庭人としてはわがままでがんこな部分が多い。
 本では、とくに、老後、病気になってからの苦労話とか、奇妙な症状・言動とかのお話です。本人は、2016年たなばたの日に、83歳で亡くなっています。

 父親は若いころから仕事優先でほとんど家にはいなかった。
 母親のほうが病気で先に逝った。2002年1月。
 父親が母親の介護をした。介護保険は2000年4月から。
 息子が母親を介護するイタリア映画があった。(このあたり、男性による介護の話)
 父親はパーキンソン病にかかった。

 永六輔氏は超越した部分があると感じました。仕事で使用する綿密で大量の記録。24時間、眠っているときも、常に何をしゃべろうかと考えている。仕事人間です。病状にも反映しているような気がします。それが良かったのか良くなかったのかは家族ではない部外者には判断できません。ただ、働きすぎではあった。

 印象に残った言葉として、(病室で家に)「帰る、帰る」と言っていた永六輔氏に対して、「帰りましょう」と声をかけたドクターがいます。
 
(つづく)

 せん妄という異常行動をしたことを本人はまったく覚えていない。それは、世話をする者にとっては、けっこうつらい。本人からは、謝罪も感謝の言葉もない。

 体重は軽くありたい。重いと長生きはできない。

 サラリーマンだと定年退職があるが、自営業だと、死ぬまで働かなければならないような慣例があります。体が元気なうちは働けますが、健康年齢を超えてからの労働は、いくら好きであっても、そこまでして働かなければならないのかと頭をかかえます。

 大腿骨の骨折に続いて、背骨の圧迫骨折(つぶれる?)が、一般的な故障の流れと受け止めました。

 介護保険制度の使いにくさが書かれていました。なんともいいようがないのですが、自ら調べる努力が必要そうです。

 有名人だからという特別扱いがあるような部分があります。お金はあるから自己負担という余裕もあります。
 
 介護者である娘さんの気持ちは大量に語られますが、死にゆく本人の気持ちはどうだったのだろう。親族に迷惑をかけてはいけないから本心を口にすることができなかったという雰囲気は伝わってきます。されど甘えたかった。
 ことに死の直前、自分はもう長くはないと悟ってからの気持ちは書かれていません。気持ちも体も弱ってきたときに死期が訪れる。そして、最後のろうそくのひと燃えの輝く瞬間がある。

 介護における「男手」について書いてあります。
 介護現場で「男手」がない。女性ばかり。おばさんばかり。
 これからは、男の役割が求められそうです。男がひとりいるとだいぶ違うそうです。腕力がいるそうです。
 
 3か月間、自宅で看取るまでの期間です。適度な期間です。介護側の体力と気力がもつ期間です。
 病院に戻すとせん妄が始まって、「あっち側の世界」に行ってしまう。そして、もう戻れない時期まできてしまった。
 深夜、1時半に、寝返りだけをうたせてくれる介護サービスを受ける。知らない人が来て、寝返りをさせて、帰っていく。
 (いろいろ読んでいてすごいなあ)、本人に声かけをしながら、実は、自分に対する応援で自分に声かけをしている。

 予定では、父親が先に死んで、次に母親を見送るつもりだったのが、母親のほうが68歳で、がんで逝ってしまった。父親の老後のめんどうをみる予定はなかったので、あたまの中が真っ白になった。実感がこもっていました。

 父はお酒を飲まなかった。案外、お酒を飲まない有名人って多い。

 亡くなった直後、みなが、「こんなにさびしい気持ちになるとは思わなかった」

 最後の手紙の部分は、ファンのみなさまへの感謝状です。永六輔さんの部分でのものです。

 ご親族にとっては、永孝雄さんという人物のことでした。

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