フラダン 古内一絵 小峰書店 2017課題図書

 今回は、自分にとっては、珍しく、全部読み終えてから、読書感想文を書きます。
 今、本のカバーの絵をながめています。
 6人の人物の顔が描かれています。
 下段左端は、福島県立阿田工業高校1年生夏目食堂の息子夏目大河でしょう。大柄なおっさん風です。
 下段中心は、澤田詩織2年生、フラ(ダンス)同好会5代目会長です。愛称シオリン。
 下段右端は、たぶん色が白いことから1年生モヤシ男薄葉健一(うすば・けんいち 父親が電力会社社員)でしょう。だけど、いい男なので、主人公2年生の辻本譲(つじもと・ゆたか)か、シンガポール帰りの2年生柚月宙彦(ゆづき・おきひこ)かもしれません。
 絵の上段左端が、2年生林マヤ(今どき古い表現で彼女を表してあります。普段は瓶底メガネをかけているとのこと)
 上段中心が、 主人公の辻本穣。その右側が、柚月宙彦(ゆづき・おきひこ ウェーブのかかった髪というところから)というわたしなりの予想です。
 彼らの笑顔の向こうには、悲しい過去の出来事が隠れていたりもします。

 さて、舞台は、東日本大震災の被災地福島県です。
 フラダンスは、たしか、福島県内にハワイアンセンターなる観光地があったと思います。

 モチーフ(素材)は、被災地の住民の気持ちです。
 被災者差別や、マスコミの宣伝収入目的の被災者利用があります。
 反対側の人間として、崩壊した原子力発電所を保有する電力会社で働く社員や家族の苦悩があります。

 少し強引に被災地事情をからませながらの高校生青春時代を描写した作品でした。
 読みながら、ときには、ここまで突っ込まなくともという部分もありました。高校生たちのフラダンス慰問を被災地の人たちが拒否したり、人間の命よりも、ペットの犬の命のほうが上かという表現だったりの部分です。あと、〇〇電力社員(及び家族)への攻撃だったりもします。
 それでも、出てくる人たちは、善人です。
 チームの輪を乱した浅井由奈グループも悪人たちではありません。

 年配者がもつ「若さ」へのあこがれがあります。
 食べ物のこともたくさん書いてありました。「パクチー:東南アジアの野菜」

 苦言です。
 登場人物の氏名が読みにくいです。辻本穣(ゆずる)、柚月宙彦(ゆづき・おきひこ)、その兄宇彦(いえひこ)、薄葉健一(うすば)、安瀬基子(あんぜ・もとこ)。下の名前がなくて男女の区別がつきにくかった「松下」とか「田中」。生徒、教師の区別がつきにくく、読みながら疲れました。現実社会にいる同姓同名の人を避けるためでしょうが、あまりに読み方が現実離れしていました。

 意味です。「澱になる:おりになる。液体の底に沈んだカス」、「ジョン・ウィリアムズのサントラ;アメリカ、映画音楽の作曲家。サウンドトラックは映画のフィルム上における音声が記録されている部分」、「あざとい:やりかたがあくどい」

 「アーヌエヌエ・オハナ:ハワイ語で虹のファミリー。血縁関係のない疑似家族」。作者はここにこだわりをもっています。

 「言ってもらわなければわからない」とか、「言わなきゃわからない」というところが、感動につながっています。

 親がいる幸せ。親がいない不幸せ。親がいても不幸せ。いろんな親子関係があります。

 ところどころのユーモアに導く手法が良かった。

 絵空事。それを「理想」という。されど、目指す目標ではある。

 良かった文節として、「ちゃんと悲しむ」、「お帰り」

 漢字を読めませんでした。福島県立勿来工業高校(なこそ工業高校)」

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