2017年05月23日

干したから 2017課題図書

干したから… 森枝卓士(もりえだ・たかし) フレーベル館 2017課題図書

 干物(ひもの。太陽光に当てて、乾燥させて食べる食べ物)のお話でした。
 きれいな写真集です。絵本というよりも写真集です。にんじん、菜っ葉、赤ピーマンを干物にした写真から始まります。

 「干したから…」、保存食として食べることができるのです。
 最初のページの写真は、ナスか貝のあわびと予想しましたがはずれました。
 トマトでした。ハズレました。トマトは太陽の下でカラカラになっています。

 次から次に干した食べ物が登場します。
 その干し物をつくった国も多様です。
 南半球南米のチリ、日本のお隣の国である韓国、メキシコ、多種多様です。

 ゲッ! 乾燥したカエルの干物に身を引きました。

 生きるために食べる。
 グロテスクでも食べる。
 食べていたら慣れる。
 食べなければ死んでしまうから食べる。
 そして、食べたものに感謝する。

 乾燥はダイエットと似ている。
 干した大根と生の大根の体重比べがあります。
 12倍ぐらい。干した大根は軽い。

 腐りかけ、カビだらけのオレンジをつくってはいけない。
 干せばいい。
 水分は失われるけれど、水分を与えれば復活するのが「干物(ひもの)」です。
 人類が編み出した、人類が生き続けるための主食クラスの食べ物です。

 かつお節。日本の代表的干物。
 昔から、そして、将来に向かっても生き残っていく干物です。

 太陽からの恵みの品物、自然の恵みの品物、人の知恵、結集されたものを人は食べている。

 電気も冷蔵庫もない。それは、それほど、昔のことでもない。
 
 外国の干物店風景は、カラフルです。

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