霧のなかの白い犬 アン・ブース あかね書房 2017課題図書

 たくさんの登場人物が出てくるので、いらない紙のうしろに名前と特徴を書きながら、読みながら、その紙の内容を確認しながらまた読むという作業を続けています。

 舞台はイギリス国のようです。移民や難民の話が出てきます。まだ、79ページまで読んだところで、感想文は書き始めてみます。

 何年生かわかりませんが(中学3年か高校生ぐらい)、主役のジェシー・ジョーンズという女学生がいます。
 彼女のいとこが、フラン。「比較」とか、「いじめにまではいたらないけれど、いじわる」、「ジェーシーのベン・グリーン(母は獣医)に対するほのかな恋心」があります。
 それから、ジェーシーの別居の祖母がどうも認知症のようです。彼女が買い始めた犬がスノーウィで、小さな白オオカミみたいな見た目です。その犬がタイトルの白い犬なのでしょう。

 これまでのところ、祖母の認知症、犬を飼いたい話、いとこ同士の軽い不仲なんかが書いてありますが、登場人物たちはそれぞれ、十分な環境にあるわけではありません。あるものは、家庭に恵まれず父親がだれなのかはわかりません(ケイト)。車いすの少女(これもケイト)もいます。おかねがあったり、なかったりもします。

 4人が介護施設「ローズ・ロッジ」に取材に出かける計画が浮上しました
 ジェシー・ジョーンズ(主人公)、ケイト(ジェシーの親友。車いす。イギリス人。父と祖父母がいない)、ヤスミン(アフガニスタンから亡命)、ベン・グリーン(祖父母は外国暮らし)

 祖母の家に細い少女の写真あり。

(つづく)

 読み終えました。
 作者は、移民差別、障害者差別、民族差別(ユダヤ人)について書きながら反戦のメッセージを読者へ送っています。
 差別した側の人間の心理も描写してあります。仕方がなかった。そういう大衆の流れに勝てなかった。反論すれば、自らが命を落とすことになった。それは、いまも、地球上のどこかの国では行われていることです。ひとりひとりの気持ちが、なにかいま間違っているのではないかとあっても、それを集合体に形成することがむずかしい時期もあります。独裁者が生まれる前に、それを防がなければなりません。独裁者が完成したら、戦力でつぶすという選択肢が生まれてきます。犠牲を伴います。

 不良少女が出てきます。家庭に問題があったからぐれた。同じような人間たちと仲間を形成した。だけど、仲間が何人いてもそれぞれは、「孤独」だっただろう。

 障害に関しては、明日は我が身です。老いてくればだれしも目は見えなくなるし、耳も遠くなります。からだのあちこちが痛みます。
 
 アンゴラウサギの毛がドイツ軍の軍服製作に役に立っていた。

 面白かったりした表現です。「仕事は失わなかったが、正気(しょうき。正常な精神状態のこと)を失った」
 自分の幸運3点。好きな男子と話せた。好きな男子と介護施設に行けることになった。あしたの午後は好きな男子と半日いられる。

 じんときたセリフです。「移民は孤独だ」
 「人生は、しあわせでも安全でもない」

 1812年に出版された残酷な面ももつ「グリム童話」例として、赤ずきんちゃん、そして、盗賊の花嫁。

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