2017年02月19日

(何度目かの鑑賞) 邦画 二十四の瞳

(何度目かの鑑賞) 邦画 二十四の瞳

 見たのは、最初の作品です。白黒1954年劇場公開映画です。最初に観たのはもう半世紀ぐらい前で、自分自身も劇中に登場する歳の小学生でした。その後の俳優陣を変えてのカラー作品も何度か観ましたし、小豆島の撮影地も訪れたことがあります。

 泣くしかない映画です。最初に教室で大石先生がこどもたちの名前をひとりひとり読んで、こどもたちと会話をするシーンがあります。(出席をとる)
 子どもたちの未来をすでに知っているので、そのへんからもう泣けてきます。戦死する者、病死する者、行方不明になる者、大石先生自身も、夫を戦争で失い、母親と娘を病気で失い、12人のこどもたちとともに苦労が続きます。

 今回初めて気づいたことがあります。この映画は、「ミュージカル」です。放映時間が、2時間37分と長いわりに、話の展開は多数ではありません。それは、歌っているシーンが長いからだとわかりました。昔、どうにもこうにもつらいときに歌が心を支えてくれた時代がありました。いまは皆無ではありませんが、それが衰退化しました。

 戦前、戦中の窮屈な世界です。言論の自由が統制されています。そういったことが、戦後10年ぐらいがたって映画となり、文部省(国)が推薦して全国放映できるようになったことに、この映画の価値があります。
 昭和3年頃、女性が洋服を着たり、自転車に乗ったりすることが、認められない世相があるところから映画は始まります。女性の地位向上、職業に就くということが、この映画の中でメッセージとして描かれています。

 今はいい時代になりました。車があれば短時間で会える。スマホやパソコンがあれば、映像付きで会いたい相手と会える。

 劇中に出てくる「まっちゃん」は、本当にかわいそうです。観ていると励ましたくなります。がまんしろ。ひとつがまんすると、ふたついいことがある。

 もう忘れていたのですが、「(大石先生は)泣き虫先生」というフレーズが最後に出てきて、それは、映画の最初に出てきていたものと勘違いしました。

 伏線は、自転車、集合写真、桜

 カラー作品であれば、静かで穏やかな瀬戸内海のブルー、険しい山の新緑とか紅葉が見られたでしょう。劇中では、幾度か出た雨のシーンが悲しみを効果的に表現していました。

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