2016年12月26日

さかなくんの一魚一会(いちぎょいちえ) さかなクン

さかなくんの一魚一会(いちぎょいちえ) さかなクン 講談社

 むかし、番組「テレビチャンピョン」で1位になれなくて、最後のフランス魚料理の問題が、「フランス料理を食べたことがない」から解けなくて、それを聞いた兄貴が、その後、フランス料理屋に連れて行ってくれて、次回の魚通選手権さかなつうせんしゅけんで、優勝したという人情話を覚えています。それをきいたときには、兄弟愛に胸が熱くなりました。
 一芸に集中できるけれどそのほかの学習レベルは低かったという内容の部分を通過しましたが、彼の社会への貢献度は高い。数字をながめていたら、数字がみんな魚に見えたとうエピソードには笑いました。
この本は、主に小学生向けの内容に思えます。全体270ページのうちの136ページまで読んだところで、感想を書き始めます。

 さかなのお話は尽きることがありません。どんどん湧き出してきます。緻密なさかなの描画の紹介があります。中学吹奏楽部(本には水槽学部と勘違いして入部したとありました)での音楽とのつながりもあり芸術的な興味と才能があります。
 彼を見守り育てるお母さんの寛容な態度と包み込む愛情があります。彼の成長経過における母親の役割は大きかった。絵の先生をつけるという話に、先生の物まねになるからやめるという判断には感銘しました。
 さかなクンのハゼをつって育てるという発想は通常ありません。さかなを育てようとするかれの気持ちは、親心を感じます。

 タコ、ウマヅラハギあたりから入っていきます。描画は立体的で本物のよう。今にも動きそうな勢いがあります。
 生活のすべてがおさかなとつながっています。さかなクンの半生を記した本です。機動力として自転車、今は、幼児のときに好きだったトラックを運転しているようです。
 外国作品としては、洋画「ファインディング・ニモ」とか、絵本では「にじ色のさかな」が思い浮かびました。

(つづく)

 読み終えました。さわやかな読後感が残りました。
 とくに、お母さんの子育てのあり方が、なかなかできることではないことをなんどかやられていて感銘いたしました。才能を伸ばす。最低限、才能をつぶさない。そいうことが、こどもの未来に有益であることがわかりました。
 定職につくことは標準ですが、標準の枠の外で、個性を生かしていくのがアーティスト(芸術家)です。

 カブトガニの受精と産卵にはびっくりしました。それも、中学生時代に吹奏楽部のメンバーでやったということに、既定のルートをはみだした自由さを感じます。そんなカブトガニが死んだシーン(悪臭)もすごかった。彼は吐きながら、カブトガニをはく製にしたのです。すごいなあ。

 小中学生向けの本ですから、「いじめ」の記事も出てきます。居る世界が狭い(教室、学校)から、「いじめ」が起きるというのは当たっています。
 
 さかなたちの絵は、みな可愛い表情です。さかなたちはみな、笑顔です。瞳が大きい。
 いろいろなものに対する愛情、愛着があります。バスクラリネットは楽器です。銭形平次の歌のバックで流れている音と聞き思い出しました。47万円のバスクラリネットを惜しみなく息子に勝ってあげたお母さんにはびっくりしましたが、その翌年、テレビチャンピョンに出場して得た賞金で、その額をお母さんに返済した(本人いわく、出世払い)さかなクンにもびっくりしました。結局、金は天下の回りもの、最後はトントンになるということだろうと妙な納得をしました。

 自分一人では、魚通選手権で優勝することはできなかった。
 博物館勤務では、仕事ができなくて、エビスダイに話を聴いてもらっていた。
 
 定職がなかなか見つからない人にとっては朗報の本です。気に病むことはないのです。さまよって、最後は、落ち着くのです。

意味がわからなかった単語として、「ブイヤベース:魚介類を香味野菜で煮込むフランス料理」

 魚の研究施設がある千葉県館山に引っ越ししたと思っていました。逆でした。引っ越ししてから、研究施設があることが判明したそうです。すべて、そのように、神さまは彼を導いた。そして、これからもそうなのでしょう。流れに逆らわない人生を送るということを学習しました。


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