2016年11月15日

やなせたかし初期作品集 だれも知らない アンパンマン

やなせたかし初期作品集 だれも知らない アンパンマン 復刻ドットコム

 1976年に誕生したアンパンマンに光をあてます。昭和51年です。いつの時代で火がついたのかしりませんが、40年の時を経て、アンパンマンは、乳幼児にとってもその親にとっても貴重な存在に育ちました。言うことを聞かないこどもに言うことを聞かせる手段としても使えます。アンパンマンは偉大です。もう天国にいかれたやなせさん、ありがとう!

 現在とは違うところが散見されます。いろいろ、箇条書きにしてみます。
・ふけつまんが出てきますが、現在は、みかけません。カビルンルンに変化したのだと推測します。
・アンパンマンは、あんぱんまん、とひらがな表記されています。
・あんぱんまんが登場すると、こどもたちは、あんぱんまんを歓迎するのではなく、パン屋の宣伝だろうとからかいます。
・ばいきんまんの由来は「ハエ」でした。初めて知りました。ばいきんまんは、あんぱんまんがもったおおきなハエ叩きで叩かれます。それから、ばいきんまんは、単独ではなく複数登場します。親分子分の主従関係があります。
・アンパンマン創出の発想の原点は、洋画の「スーパーマン」にあります。
・貧困者に食べ物を提供するという、奉仕の精神をもつ宗教的な思想が基礎にあります。
・アンパンマンの弟がカレーパンマンでした。
・読み続けていて、大人が読んでとても面白いわけではありませんが、2~3歳の幼児に読み聞かせるものなのでしょう。
・あんぱんまんの顔を食べさせるシーンは少々グロテスクでもあります。
・カレーパンマンの顔が、現在とはだいぶ違っています。崩れていて、ひらべったすぎる。
・バタコさんは、現在とは、顔も性質もずいぶん違います。現在は、やさしくて美人ですが、当時は、やんちゃでいじっぱりです。間違えて、カレーパンマンの材料で、あんぱんまんをつくったシーンはよかった。
・クマの絵は、まるで、ぬいぐるみのようです。
・おむすびまんのかっこうは、当時、テレビでよく放映されていたチャンバラ映画の登場人物とそっくりでなつかしかった。

 いまではなかなか使わなくなった言葉です。「ひもじい:お金がなくて食べ物を食べることができなくて、おなかがすいた状態」、「おまえたちを、お金もちに、売りつけてやる」

 きっと、これから先、何十年も、アンパンマンは、生き続けていくのでしょう。考えると、シンプルであることが、長続きの秘けつのようです。

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