2016年09月22日

ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード 小路幸也

ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード 小路幸也(しょうじ・ゆきや) 集英社

 かなり有名なシリーズ作品で、10年間のロングセラーらしい。(広告を見ました)
 タイトルはビートルズの曲名だと思う。長く曲がりくねった道ではなかろうか。この曲は、他の作家さんの作品でも顔を出すことがありました。
 バンドワゴンというアメリカ映画を観たことがあります。2011年9月に記録がありました。バンドワゴンは、ミュージカルの台本あり、演劇のタイトルでした。
 この小説での「バンドワゴン」は、明治以降代々続く古書店の屋号を意味します。そして、案内役は、すでに亡くなっている3代目の奥さん堀田サチさんです。(霊魂となってまだ、古書店内におられます)
 和洋折衷の雰囲気がある小説です。バンドワゴンという古書店の名称もその理由としてあるでしょう。江戸末期、明治初期からのお金持ち文化の流れを汲んでいます。
 この本を読む前に読んだ本が、それもたまたま本屋の店主の本で、「ハーレムの闘う本屋 ルイス・ミショーの生涯」というものでした。ニューヨーク・マンハッタン・ハーレムに黒人専門書店を開業した人のお話でした。バンドワゴンの初代達吉は江戸時代、魚屋でしたが、ニューヨークのルイスの両親も1800年代は、魚屋でした。奇遇です。魚屋から本屋になるのはポピュラーなルートだったのだろうか。この本も本屋を讃える作品のようです。

 春夏秋冬の章構成です。春の部分を読み終えたところで、感想を書き始めます。
 冒頭にある登場人物相関図は、広いようでそうでもない。幽霊の堀田サチさんが説明してくれるので、130年間ぐらいが範囲で、そこが、そこはかと楽しくもあり、心をひろくもてる要因にもなっています。130年間のことが、まさに今起こっているような口ぶりです。登場人物は多く、さらに複数の犬やネコにも人間のような名前があります。舞台は東京神田の古書店街でしょう。登場人物たちは善人ばかりです。NHKのファミリー・ヒストリーを見ているようです。春の章のうしろのあたりから、セリフでつなぐ形式で展開を引っ張ります。落語を聴いているようです。

 春の章は、延々と人物紹介が続きます。堀田サチさんは華族(皇族の血を引く)の出らしく、上品な女性の語り口が続きます。女性向けの小説です。時代小説、NHK朝ドラマの風景です。

事件としては、「呪いの目録(先先代のときに作って保存してある。夏目漱石、森鴎外、二葉亭四迷、石川啄木、樋口一葉、島崎藤村、芥川龍之介など、有名小説家自筆のもの)」、「小宮仲子の日記が紛失」、「売れそうなマンガと良いマンガの選択」

わからないかった言葉などとして、「ポプリ:室内香。花、葉、香草からつくる。この小説の場合は、モイストポプリ塩漬けにする。他に乾燥ドライポプリがある」、「符丁:ふちょう。同業者、仲間内で通じる意味」

参考までに、「田口幹人:たぐち・みきと。朝ドラ「さやかなり」の漫画原作者倉見ちずるの担当漫画編集者」、「蜷川女子大学(前身が華族女学院明治18年創立)の礎となった小宮仲子(堀田サチの息子我南人がなとの長男紺の妻亜美の弟脇坂修平の妻佳奈(女優・芸名折原美世)が演じる小宮の日記にバンドワゴンをつくった初代堀田達吉の名前がある」、「東健之助(ひがし・けんのすけ):堀田我南人(がなと)率いるロックバンドLOVETIMERのメンバーでドラムスのボン、鳥さんが鳥居重成、ジローさんが大河内次郎」、「麟太郎(りんたろう):ボンさんのひとり息子」、「ハジメくん:近所に住む好青年増谷雄太の妹玲井奈の夫相沢夏樹(設計事務所職員)の友人、石渡元(いしわたり・はじめ)漫画家倉見ちずるのアシスタント」

(つづく)

 177ページ、そこから「秋」の章まできましたが、どうも、わたしには合わない作品です。読んでいても楽しくありません。
 まず、登場人物が多すぎる。次に、上流社会過ぎる。身近ではありません。物語性に乏しい。第1作から読み続けておられる方には、味わいのあるシリーズなのでしょう。残念ですが、流し読みに入ります。

(つづく)

 読み終えました。
 後半、シリーズ10年目ということで、登場人物の人たちも加齢が目立つようです。わたしには、あわない小説でしたが、平和な雰囲気をゆったりと味わうには、いいと思います。できるだけゆっくりと読むのがいいでしょう。


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